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~75話~ウラジール商人との出会い

「御主人様馬車が襲われています。」

「何!?魔物はなんだ!?」

「ファットバイソンです。」

2mくらいの巨大な角のバイソンの魔物だ。

「やばそうか?」

「どうでしょうか?今は積荷でしょうか?地面に転がっている野菜を食べているようです。」

「比較的に気性の穏やかな魔物のはずなのに馬車を襲うなんて珍しいですわね。」

「そうなのか?ダンジョンでは襲われた記憶しかないが?」

「ダンジョン内は自分のテリトリーですからね。」

「2人共のんびり話すのはいいですけど、どうするんですか?」

「リーナ・・・もうオリーブが行ってるよ?」

「そうですわよ?そろそろ回収に降りましょうか?」

「そうだな!」

「身体持ちのファットバイソンってA+ランクなんですが・・・」

リーナの呟きを聞き流して車から降りて馬車へと進む叡斗とメイサ。


「ダーリン、どうやらこの積荷の匂いに誘われたようですわね?」

「果物や野菜か・・・」

積荷の半分近くの生鮮食品が馬車の周りに食い散らかされている。

「では話しを聞きましょうか?」

「その前に体の心配したげようよ・・・?大丈夫ですかぁ?」

叡斗とメイサが振り返り草むらに話しかけると、がさがさと草むらが揺れ冒険者が2人と商人らしき恰幅のいい男が出てくる。


「怪我はありませんか?」

「いやぁ!助かりました!」

「何があったんですか?」

「生鮮食品を運んでたらファットバイソンが突然馬車に突進して来ましてな!」

「怪我が無くて何よりです!」

「魔物はもういませんか?」

「あぁ、襲ってきた魔物は大丈夫ですよ?」

馬車を襲っていたファットバイソンはオリーブが正面から頭を一刀両断にして空納にしまっている。


「馬は逃げましたか・・・」

「馬は大丈夫なのですが馬車を起こすのが大変ですな・・・」

「問題ないですよ?ほら!」

叡斗が馬車を見るとオリーブがひょいと馬車を起こしていた。

「なんと!?では馬を・・・」

商人が指笛を鳴らすと、遠くから馬のいななきが聞こえすぐに馬が2頭戻ってくる。

「すげっ!賢い馬ですね!?」

「ハンク商店自慢の馬ですからな!」

商人が腹と胸を張って答える

「ハンク商店と言うのですね?」

「これは失礼しました!カピタールで商売をしているハンクと申します!以後お見知りおきを!」

「我々はロキマ国の冒険者【無双】叡斗です!こちらこそよろしくお願いします!」

「Sランクでしたか!これはこれは!」

「ロキマ国、のですので、ウラジールでは馬鹿にされっぱなしですがね。」

「商人はそんな事気にしませんよ!ハッハッハッ」

「準備が終わったみたいですね、行きましょうか!」

「あなた方もウンテントラムへ?」

「その予定ですよ?」

「これは心強い!では早速!」

「では!」

「そうだ!バンダール!前の馬車に信号を送っておいてくれ!」

「はい!」

そう言うとバンダールと呼ばれた冒険者が上空にファイアーボールを飛ばして破裂させる

「無事のサインですか?」

「そうでございます!魔物が寄ってくるかもしれないので危険ですが、エイト様がいらっしゃれば大丈夫でしょう!」

「他力本願な事でも力いっぱいに言われると清清しいですね。」

「商人ですから図太くなければ!では!」

「一理ありますね!では!」

ハンクと別れ、メイサ達と車に乗り込み出発する。


「冒険者達は大丈夫だったの?」

「Cランクのバンダールとボッシュと言うそうですが大丈夫そうでしたわよ?」

「そっか。」

「商人はどうでしたの?」

「カピタールのハンク商店って店の人だって!」

「ハンク商店ですか?」

「リーチェ知ってるの?」

「小さい商店ですが、流行の物などをいち早く取り入れる流行の発信地です。」

「へぇ?ジャンさんと同じように金の匂いに敏感そうだな?」

「ダーリン何か考えてますのね?」

「信用出来そうなら、アースドラゴンの売却任せようかな?」

「大物ですからね。」

「メイサ達もどんな人物かよく見てね?」

「私は見る目がないので、ダーリンに一任しますわ。」

「俺も人を見る目には自信ないんだけどな・・・」

叡斗が困った顔をして、そのまま3姉妹と共に瞑想を始める。



「『魔力感知』に反応があります。表示しますか?」

瞑想をしていると突然声が頭に響き、「はい」と心で念じると、半径1キロ近い距離の周囲の様子がその場で見えるようになり、馬車の外はもちろん、木々の奥にいるファットバイソンの群れに小動物達の動きも全ての膨大な情報が頭に流れてくるが、なぜか自然と理解出来てしまう。

ファットバイソンの群れの中の一頭がこちらに走って来ているなと感知すると、頭に声が響く。

「3分後に接敵します。」



「メイサ?」

「どうなさいました?」

「3分後にファットバイソンが一頭襲ってくるよ?」

「なぜわかるのです?」

「『魔力感知』で反応があったから?」

「私の感知には反応はありませんわね・・・」

「1キロ後ろだからね。」

「もしかして声が聞こえましたの?」

「声が『魔力感知』を発動してくれたら、半径1キロの様子が手に取るように見えたよ。」

「手に取るように?」

「小動物の動き、ファットバイソンの群れ、オリーブが眠たそうにしてるのも丸見えだったよ?」

「その範囲を可視化ですか・・・途轍もないですわね。」

「ともあれそろそろメイサの感知に引っかかるんじゃない?」

「まだ見えているのですか?」

「もう見えてないよ?でも視界が360度になってるね。」

「360度?」

「普段なら視界外の範囲も見えるってか解かるね。」

「いきなり極意を掴みましたわね。」

「いや!どうやら感知はこの先があるみたいだよ?」

「先が?」

「今はわからないけど、感じるんだよ。」

「突然何かを掴みましたのね・・・あっ!魔物が近づいてきますわね!」

「ではたまには私が退治しましょうか・・・」

「気をつけてね?」

「心配して下さって嬉しい限りですわ!」

メイサが車の後ろに立ち3姉妹がメイサの戦闘を見逃すまいと見つめている。


「オリーブ?気にせず進みなさい!」

「かしこまりました。」

ファットバイソンが車にかけている結界にぶつかりひるんだ所をメイサが車から飛び杖で首を切り落とし、体と頭をマジックバッグに入れて車に戻ってくる。

「お帰りメイサ。」

「只今戻りました。」

「え・・・もう終わり?」

「一瞬過ぎない?」

「ファットバイソン美味しそう。」

3姉妹がメイサの戦闘を見て思い思いの感想を述べる

「あなた方も『魔力操作』を練習すれば出来る様になりますわ?」

メイサに言われていそいそと瞑想を始める3姉妹


「御主人様?」

「どうした?」

「このまま進めば、8時頃に着きますがハンクさん達に合わせて夜営しますか?」

「ダーリン?ハンクさんの馬はかなり疲弊してますのでゆっくりしてもよろしいのでは?」

「そうだな、昼間に魔物に襲われたんだもんな・・・」

「では晩御飯にしましょう?」

「そうだな、オリーブ?どこかで晩ご飯にしよう!」

「かしこまりました。」


しばらくして車が止まり、メイサからファットバイソンの体を貰って解体をする。

「ダーリンこいつは大丈夫ですの?」

「人型じゃなければなんとか・・・」

「顔色が悪いですわよ?」

「やっぱり血は見たくないよね。」

内臓を取り除いたファットバイソンの胴体の皮を3姉妹に教えて貰いながら剥ぐ叡斗が答える。

「せやっ!」

叡斗が皮を剥ぎ終わったファットバイソンの胴体を一文字でバシバシと適当に部位分けして斬って行く。

「メイサ!今日は俺が料理しようか!?」

「え?何を作りますの?」

「牛肉手に入ったしハンバーグ!」

「はんばーぐですか?」

「楽しみです。」

「ミートミンサー貸して!」

「どうぞ!」

メイサからミートミンサーを渡され、ファットバイソンとサーペントの肉をひたすらミンチにして行く。

「餃子のようにミンチに?」

「餃子とは全然違うよ?」

「ダーリンの料理はいつも驚かされますわね。」

叡斗がミンチにパン粉と炒めた玉ねぎを入れて手早くこねて行く。

「こんなもんかな?」

「ダーリン何してますの?」

「空気を抜いてるんだよ?」

叡斗は手の平サイズに固めたミンチを両手でキャッチボールをする

「2人も手伝ってくれる?」

「「はい!」」

2人が手伝ってくれてすぐに終わり、フライパンで焼いて行く。


「お?いい肉汁だ!」

ハンバーグに串をさすと透明な肉汁が染み出してくるので、頃合と思い皿に上げ次のハンバーグを焼いて行く。

「ダーリン?もう運んでいいのかしら?」

「副菜とかは出来たの?」

「スープにサラダに滞りなく出来上がりましたわ。」

「じゃあもう少し待ってて!」

叡斗がハンバーグを焼き終えフライパンにケチャップを入れて肉汁と混ぜながら炒め山盛りのハンバーグにかける。

「完成だ!」

「では!」

メイサとオリーブが足早に配膳をしていく。


「では頂きます!」

「「「「「頂きます!」」」」」

ハンク達も夕食に招いたのだが、叡斗達のテンションに付いて行けずただただ5人を眺めている。


「これは・・・なんてジューシーなのかしら!」

「最後にかけたケチャップも味が濃いです。」

メイサとオリーブが驚き、3姉妹は毎度の事ながらに一心不乱に食べている。

サーペント肉の味が強いのでファットバイソンを8でサーペントを2の合びき肉にしてみたが正解だったようだ。

「ぬぅおぉぉぉぉ!エイト様!製法を教えていただけませぬか!?」

ハンクが一口食べて言ってくる

「いいですよ?ですが今は食べましょうか?」

「やった!これは金になるぞぉ!」

ハンクが喜びながら、ハンバーグに被り付く。


みんな笑顔で大量のハンバーグを完食して、ハンク達にハンバーグの調理法を話したり、今日の出来事を話し合う

「では馬車隊を組んでいてウンテントラムには、前を進んでいた3車が行ってるはずなんですね?」

「はい!信号を見てくれていれば村で待っていると思います。」

「それにしてもなぜこんな危険な道を?」

「故郷なので、定期的に生鮮食品を届けておりましてな?」

「そうなんですか、それにしてもこんな魔物だらけの場所に村か・・・」

「ここ数年で一気にファットバイソンが増えましてな・・・」

「数年で?」

「昔はファットバイソンなんて見ることはなかったのですが・・・」

「ファットバイソンの群れもありましたしね・・・」

「ダーリン?クイーンがいるのかもしれませんわね?」

「クイーン?ファットバイソンの女王?」

「ダンジョン内では生殖の必要がないので見ませんが、身体持ちになると特別変異でメスが出ますの。」

「そうなると、どんどん子供を生んで増えていくのか。」

「そうでもなければ魔の森からファットバイソンだけがここへ来る理由がありませんわ?」

「ふむ・・・メスって事は乳とか出るのかな?」

「またよからぬ事を考えてます?」

「よからぬ事じゃない!いい事だよ!」

「どうせクイーンをテイムとかでしょう?」

「ばれた!バイソンって水牛の魔物だろ?水牛の乳でチーズを作ると美味しかったような気がするんだよね?」

「ほほぅ!それは試してみる価値ありですわね?」

「じゃあ明日ウンテントラムに付いたら、話を聞いて捜索してみよっか?」

「もちろんですわ!」


「わ、我々には次元が違いすぎて何を言ってるか理解出来ませんな・・・」

顔を引きつらせハンクとバンダールとボッシュが3人で話し、頷きあっている。

「ではお風呂に入って寝ましょうか!」

「お風呂とは?」

「ハンクさん達は・・・俺達の後でお願いしますね?」

「何を言って・・・これは金の匂いしかしない・・・」

叡斗がお風呂魔法を発動させると、ハンクの目が金貨のように光り輝く。

「俺のオリジナル魔法なんで真似できるか知らないですよ?」

「金の匂いはするのに、手が届きそうにありませんな・・・」

ハンクが肩を落として風呂に張った結界から出て行き、メイサが入れ替わりに入ってくる。


「どうです?信用出来そうですか?」

「反応は正直な人に見えるけどねぇ?」

「商売もするのでしょうが、故郷に危険を冒して食料を運んでますしね?」

「うーん・・・まだわかんないかな?」

「カピタールまではまだかかるのですからゆっくり見極めましょう?」

「そうだね!」

メイサと世間話をしつつ風呂を堪能し、メイサに魔素を吸われ、叡斗は水牛の乳から作るチーズってモッツァレラだっけ?チェダー?カマンベール?と思い出せずムズムズとしたまま意識が遠のいて行く。

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