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~59話~ヨハンランド(水族館)始めました。

「おい青太!ここは透明な魔壁で水中トンネルを作れ!」

水竜人の魔族と話していると、婆ちゃんには青太と呼ばれていたらしい。

「真壁なんて魔素食いな物、設置した事ないっぺよ!」

「今作ってるのは御客様用通路だからな?青太用のはあとで作るぞ?」

「え?おらも移動するんだべか?」

「お前も暇だろうから魔物に芸を仕込んで客寄せをするんだ!」

「それじゃあヒトに襲われるっぺよ!」

「客の通る場所とお前の移動スペースは隔離する!」

「ダンジョン内は繋がってないと機能しないっぺよ!」

「ヒトは通れない通気口でも繋げとけばいいだろ!」

「成程!エイトさん賢いっぺ!」

「お前水の魔石作れるんだったな?」

「作れるっぺ!」

「ならダンジョン内の数箇所に水飲み場とトイレを設置するぞ?」

「トイレまで作るだべか?」

「出来るだけ快適にしてお前が友好的な魔族とわかればヒトも来やすいだろ?」

「わかったべ!」

「じゃあこの水槽の中は魚の魔物で溢れさせるんだ!」

「小魚でいいっぺな?」

「そうだ!誰も見た事がない程の魔物の群れを安全に見せてやれ!」

「わかったべさ!」

「次のはサーペントもいいが、もっと大物は召喚出来ないのか?」

「エイトさんの1日分の魔素を消費すればクラーケンを召喚できるだ!」

「イカの魔物だな?どれくらい大きい?」

「一番小さいの召喚しても全長10mはあると思うべ!」

「なら次の部屋は大きくしないとは?」

「わかったべ!」

「魔素増やすからちゃんととれよ?」

叡斗が魔素の放出を増やすと青太が慌ててダンジョンの操作盤を触る

「なんだべ!?この量!」

「さぁやる事は多いぞ!?」

「わかったべ!」

叡斗と青太が2人で水族館を作って行く。




「エイトさん完成したべ!」

メイサとオリーブは早々に船で村に帰って水族館の宣伝をしてもらい、魔素放出のためだけにダンジョンに残って暇を持て余す叡斗に青太が声をかける

「出来たか!?」

「見て欲しいべ!」

「わかった!」

「3日もかかったべな!」

「そんなに時間が経ったか・・・メイサとオリーブはしっかりとやってくれてるかな?」



透明な魔壁で作った水中通路を歩く叡斗と青太

「ここ魚少なくないか?」

「これで1000匹だべ!」

「もう2000だ!」

「わ・・・わかったべ!こんなに召喚してヒトが来なかったらおら1ヶ月で死んじまうだよ・・・」

「ケチって驚かれなくても人は来ないぞ?」

「確かにそうだべが・・・」

「おぉ!3000匹もいると壮観だな!」

水槽いっぱいに魚の魔物が泳ぎまわり、魚の群れの中に入ったかのような錯覚になるほどの迫力になった。


「次の部屋は・・・いいな!クラーケンの大きさがサーペントで分かりやすくていいな!」

「この水槽は頑張ったっぺよ!」

「次の水槽は・・・鮫か!」

「頑張って召喚しただよ!」

何種類もの鮫が雄大に泳いでいる。

「サーペントと泳がせたかったけど喧嘩するからなぁ・・・」

「次は・・・鯨か!」

「こいつはジンベエ鮫だべ、穏やかな性格だで、召喚する魔族はいないから珍しいはずだべ!」

「5頭のジンベエ鮫が頭上を通り過ぎて行く。」

「これは流行る!」

そう確信する叡斗。



「最後にお前の芸だな?」

「それはあとで村のヒトと見てくんろ!」

「あとは・・・水飲み場とトイレは大丈夫か?」

「トイレは即座にダンジョンに吸収されるように設定して水のみ場は裏で一括して魔石で管理するようにしてるべ!」

「完璧だ!最初は大変だろうが頑張れよ?」

「エイトさん本当に恩に着るべよ!」

「婆ちゃんが言ってた神ヨハンの教えを広めてくれよ?」

「勿論だべ!」

「よし!浜までの道を作ってくれるか?」

「分かった!すぐに裏に引っ込むでよ?」

「おう!がんばれよ?」

青太が作ったばかりの魔壁で出来た、水中トンネルを歩いて浜へと進み村へ帰る。



浜に着くとメイサとオリーブが出迎えてくれた。

「ただいま!」

「おかえりなさい!」

「お待ちしておりました。」

「宣伝は上手く言ったか?」

「みんな驚いてましたが、我々が言うのであればと見る気満々ですわ!」

「ジャンさん達も見たいとお待ちです。」

「あとこれ!ジャンさんから、サーペントの売り上げの半分だそうですわ。」

メイサがパンパンの皮袋を差し出す。

「多いな・・・」

「思った以上に高く売れて金貨400枚になったそうで半分の金貨200枚です。」

「ありがたい話だな・・・見学はいつから行くんだ?」

「これからですわよ?」

「奥様は御主人様を感知したので、村長に言づてをしてから来ましたのですぐに村人が来るかと。」

「仕事が早くて助かるね!」

「ではお茶にしましょうか?」

「いいね!お茶は3日ぶりか!」

御飯時に転移してメイサと食べていたが、すぐにダンジョンに戻っていたのでお茶は久しぶりだ。



久々のお茶を楽しんでいると、続々と村人が集まり魔壁の通路を見て驚いている。

「エイト様お久しぶりです!この度は儲けさせて頂きました。」

「ジャンさんお久しぶりです!」

「しかもこんなおもしろそうなものを一番に見られるとは・・・」

「是非楽しんで王都で宣伝してくださいね?」

「エイト様に儲けさせて頂いたお金で定期便を出してみましょうかね!」

「途中でユーリのカレーうどんも食べてくださいね?」

「勿論ですよ!ハッハッハッ私の勘がは大当たりだったようです!」

「いえ!水族館を見てから判断して下さい!」

「そうさせて貰いましょう!きっと度肝を抜かれるのでしょうな!ハッハッハッ」

「ダーリン!?全員揃ったみたいですわ!」

「わかった!」


叡斗が水中通路の前に立って

「皆さん!中は安全なので決してパニックにならないようにしてください!」

みんなが真剣な眼差しで大きく頷く

「あと暴力行為は絶対に禁止です!暴力行為が確認された場合は魔族が制裁を加える可能性もありますので、注意してください!」

「それは魔族が我々を攻撃できるという事ですか?」

長老が質問する


「ですが魔族はヒトとの友好を望んでいます!でなければこんな娯楽施設を作るわけがないですよね?」

「エイト様の教えに共感されたという事でしょうか?」

「そういう事です!この水族館の名前もヨハンランドにしようかと言ってました。」

「ではアユミンの村一同エイト様を信じましょう!みんないいな?」

村人が一斉に頷く

「では行きましょう!水中トンネルは壊れないはずですが念のため衝撃を与えないようにしてください!」

メイサとオリーブを連れて水中トンネルを進んで行く叡斗。



「そろそろダンジョンに入りますよ!最初は壁にマップが書いてるので確認しておいてくださいね!」

「最初は魚群ルームですの?」

「奥様クラーケンと書いてあります。」

「俺達で詰まってるぞ?」

叡斗に促され先を進む一行

「な・・・壮観ですわね・・・」

「こんな景色見た事ありません。」

メイサとオリーブが魚群を見て息を呑む。

後ろの村人達とジャン達は呆然と立ち尽くしていた。

「全く・・・エイト様といると驚きの連続で飽きないどころか寿命が縮みそうです。」

「ジャンさん!寿命は縮まないでしょう!」

「ダーリン?この箱は何ですの?」

「これは水が飲めるぞ?こうやって」

箱の足元のペダルを踏むと箱の上部から水がぴゅーと飛び出す。


「なんと!?水がタダですか!?・・・しかも美味い・・・」

さすがは商売人のジャン、水がただで飲み放題という事に驚いている。

「この装置は館内にいくつも設置されてますよ。」

「友好的な魔族とは・・・いやはや・・・」

乾いた笑いを浮かべながらジャンが呟く

「あ!皆さん!もよおした方はあの看板の方向に進むとトイレがありますんでそこでお願いします!」

「そんな心遣いまでしてくれるんですね・・・」

なぜか疲れた顔をするジャンが呟く

「俺は提案したら快く作ってくれましたよ?さぁ!次です!」



「奥様!クラーケンです・・・サーペントが小さいですね。」

「クラーケンを生で見るのは初めてですわね。」

「これでも一番小さいサイズのクラーケンを召喚したらしいぞ?」

「これが海の悪魔・・・」

「船喰いを安全に見れる日がこようとは・・・」

村人達が口を開けてクラーケンに魅入って方々で呟きが聞こえる


「よしよし!成功だな!」

「みんな大興奮ですわね。」

「メイサもな?」

「初めての体験とは面白いですわね。」

「御主人様!すぐに次の部屋へ行きましょう!」

オリーブが叡斗の腕を引っ張り次を促してくる。



そのまま鮫に、ジンベエ鮫にとみんなが驚き、水中トンネルの途中に突然、扉があり部屋へと入って行く。

「さすがはダンジョン・・・水中トンネルからは部屋は見えませんでしたのに。」

「転移したかのような感覚に陥りますね。」

「で?この部屋は?中央に何かありますわね?」

「椅子がずらりと並んでますね。」

「自信作だ!」

イメージはイルカショーをイメージして作った。

「あら?青太が出てきましたわね?人前に出て危なくありませんの?」

「透明に見えるけど魔壁を仕切りに貼ってあるから青太も観客も安全だよ?」

「考えられてますわね。」

「皆さん!どうぞ席についてください!ショーが始まります!」

みんな戸惑いながらも席について中央の青太を見る


3人も席に着き叡斗が言う

「実はこのショーが一番魔素使ってるんだ。」

「確かにこの量の魔壁はすごいですわね。」

「芸を仕込める魔物を召喚するのが一番大変だったんだよ・・・」

「魔物が芸をしますの!?」

「するはず予定だぞ?青太は自信満々だったし。」

「そんな・・・信じられませんわ。」

「その知能を有する魔物を召喚するのが一番苦労したよ。」

「そうでしょうね・・・聞いた事ありませんもの!」



「皆様この度は御来館ありがとうございます。」

青太がダンジョンの拡声機能を使って挨拶を始める

「このダンジョンは安全に魔物を観察してもらおうとエイトさんと相談して作りました!楽しんで帰って頂ければ何よりです!ではショーを開催しますのでお楽しみください!」


青太が挨拶を済ませ笛を吹くと、中央の部屋に3頭のサーペントが入って来て、青太がサーペントに乗って水上を高速で動き回り、輪をくぐりボール遊びをする。

「俺がイルカショーで見た記憶があるやつを言ったら全部再現しやがったな。」

叡斗が思わず呟く。



「続いてはサーペントの能力のご紹介です!」

青太がそう言い笛を吹くととサーペントが水の中に入り、3頭が一斉に水から10m以上の高さまで飛び出す。

「こんな事もできますよ?」

笛を吹くとサーペントが水の中を泳ぎ、渦巻きが出来上がりその上空を交互に飛び交うサーペント

村人達は思わず立ち上がってサーペント達に魅入っている。



「皆様楽しんでいただけたみたいで何よりです!このショーは定期的に行いますので、またのお越しをお待ちしております。」

青太がお辞儀をしつつ笛を吹くと、サーペントが青太の後ろに並び、後ろのひれを器用に使って立ち上がり、青太と一緒に手を振り最後にお辞儀をする。


「魔物がここまで・・・信じられません。」

メイサが目を見開いている

「ふふん?流行るだろ?」

「国中・・・大陸中からヒトが来るでしょうね。」

「御主人様・・・また見たいです。」

「次は人でいっぱいで見れないかもな!」

「ダーリンなら奥の手を考えてるのでしょう?」

「本当に見たいならバックステージに入ればいい!」

「御主人様そんな事が出来るのですか?」

「みんなが帰ったら営業時間とショーの時間を考えないとダメだからその時に青太と話してみるよ!」

「御主人様お願い致します!」

オリーブが珍しく感情を表に出して言う。


「そのためにも、ヒトに来てもらわないとな?」

「そうですわね。」

「ヒトが来なければどうなりますか?」

「何か特典を用意してダンジョンに改築せざるを得ないな・・・」

「その時は私が造り方を教えますわ。」

「がんばってヒトに来てもらうようにしましょう!」

「よし!最後のプレゼンだ!」

叡斗が気合を入れなおして立ち上がり、もういなくなった青太がいた所を見つめるみんなに言う


「では皆さん!次へ行きましょう!」

「まだ何かあるのですか?」

「次は凶暴ですが可愛いゾーンですよ!」

「かわいいだと!あたい目がないんだ!」

ドーラが興奮する。

「じゃあ行きますよ!」

叡斗が部屋から出て水中トンネルに戻って先へ進んで行く。



「シービーバーですわね・・・」

「か・・・かわいい・・・」

一番最初の水槽には水にぷかぷかと浮かぶラッコが寝ていた。

「おい!船かじりだ!」

「こいつに見つかってどれだけの船を沈められたか・・・」

漁師達が恐れおののく。

「くっ!かわいいな!触りたいが魔物なんだもんな・・・」

ドーラがとても悔しそうだ。



「間抜けな顔をしてますわね。」

「不思議な形状の魚?ですね。」

「メイサでもこの魔物の名前わからないの?」

「魔物なのですね?」

「日本ではこれに似たマンボウっていう魚がいたよ。」

マンボウがゆっくりと水槽の中を漂っている

「なんだか癒されますね。」

「次が目玉だぞ!」

「ダーリンが言うのなら楽しみですわね!」

「楽しみです!」

叡斗に付いて進むメイサとオリーブ



「これは!ホワイトドルフィンにキラーホエール!」

「かわいいですね。あのフニフニした生き物は何ですか?」

「あれはデビルジュゴンですわ、大人しい顔をしてますが怒らせるとどんな大船でも転覆させてしまう危ない魔物ですわ。」

見た目はそのまま白イルカにシャチにジュゴンだ。

「次が最後の部屋だぞ!」

「もう最後ですか・・・最後は暗くて先が見えないのですね?」

「迷いの森のダンジョン」の明暗が分かれた不思議な空間を参考に真似をさせてもらった。

「趣向を凝らしてみたよ?」

「中に入っても闇の中ですわよね?」

「行けばわかるさ!」

3人がみんなを引き連れて進んで行く。



「なんと・・・」

「綺麗ですね・・・」

暗い水中トンネルの周りに光るくらげを配置して、まるで光るくらげのトンネルを歩いてるようだ。

「サンダージェリーフィッシュですね。」

「こいつも危ないのですか?」

「海の中で出会えば雷で痺れさせられてそのまま少しづつ溶かされて食べられますのよ?」

「海で出会いたくないですね。」

くらげゾーンを抜けると入口のマップのあったところと合流する。



「みなさん!これにて水族館は終了です!」

みんなまだまだ物足りないと言った様子で大成功だなと満足気な叡斗

「村長!話しながら帰りませんか?」

「はい喜んで!」

村長と浜に戻りながら

「どうです?流行りそうですか?」

「これは流行らないわけがないでしょう!」

「では村にも協力をお願いできますか?」

「協力ですか?」

「ジャンさんが定期キャラバンをと言ってましたのでその計画を進めるのと」

「と?」

「宿などを整備して頂ければ嬉しいなと・・・」

「お任せくだされ!絶対に儲かると分かってやらない手がありますまい?」

「ではこちらをお使いください。」

そう言って金貨50枚入った皮袋を渡す。

「こんなにですか!?」

「漁が出来なくて困ってる人もいるでしょう?使って下さい!」

「何から何まで本当にありがとうございます!」

「いえいえ!いやらしい話ですが私達はこういうことしか出来ませんから・・・」

叡斗が俯いて言う

「そのような顔をなさいますな!今回の事なぞエイト様達でないと出来ない事だらけでございます!」

「そう言って頂ければ幸いです!」

「これからはエイト教の信仰発祥の地としてアユミン再始動ですわい!」

長老がそう言って金貨の入った皮袋を抱えて走って行く

「ちょっ!爺!エイト教ってなんだよ!?」

「ダーリン?青太と相談があるのでしょう?早くお行きなさい?」

「夕食の準備をしておきますので早く帰ってきてください。」

「お前ら!矛先が向く前に先手打つな!おい逃げんな!」

メイサとオリーブが全力疾走で浜へと帰って行く。

「わかりましたよ!」



そう言って肩を落とした叡斗が帰る村人とは逆に引き返して水族館へ戻って行く。


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