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~56話~行き先の決定と準備

「オリーブ?次の街がどこでどれくらいかかる?」

「次はレベッカの街で1日と半日程の予定です。」

「そっか!レベッカってギレンがギルドマスターって言ってたよな?」

「そうですわね・・・ギレンと話してみましょうか?」

「そうだな?宿に向かってみるか?」

「そうですわね?」

「御主人様、奥様その必要は無さそうです。」

お茶を入れてくれたオリーブが村の方を見ながら言う


「大人数だな・・・」

ギレンとユーリンを先頭に大勢の人間が門を出てこちらへ歩いてくる。

「なんでしょうかね?」

「敵意は無さそうですが。」



お茶を飲みながら待っているとユーリン達が近くに来て、みんなが一斉に土下座をするので思わずお茶を噴出す叡斗

「え?何?」

「エイト様!メイサ様!オリーブ様!本当にありがとうございました!」

ユーリンが言うと後ろで土下座をしていた人々が一斉にお礼をしてくる

「怪我人達が全員回復しましたので、改めて一同お礼に参りました!」


「あ?はい。」

「救世主様たちがこなければ、村は、我々は滅びてました!」

「そんな事は・・・」

「私達はゴブリンに弄ばれ、村の怪我人達は確実に死んでいたでしょう!」

「私達冒険者も2日前に死んでいた!」

ドーラまで乗っかってくる



「皆さん!頭をお上げなさい!」

うろたえる叡斗の変わりにメイサが堂々と言う

「私達の願いは頭を下げて頂く事ではないと申したでしょう?我々が信じる神ヨハンに感謝の祈りを捧げていただく事こそが我々への最大のお礼です!」

「ですが!その様な事だけでは返しようがない恩です!」

ユーリンが言い、後ろの村人達が頷く。


「我々は神ヨハンの教えに従って行動したのみです!ですので神の教えになければあなた方を見過ごしていたのですよ?」

「では我々に神ヨハンの教えを教えて下さい!」

「隣人と手を取り合い、隣人を助け、隣人と暮らしましょう。助けると言ってもあなた方の出来る範囲で助け合えばいいのです!そうすれば巡り巡って自分に助けの手が差し伸べられます!」

メイサがすらすらとそれっぽい事を言う


「なるほど・・・情けは人のために非ずという事ですね?」

この世界にもその言葉があるんだ!と叡斗が驚く

「そうです!隣人を助け、その隣人が・・・続いて行き自分へと帰ってくるのです!」

「ですが!我々はあなた方を助けられる隣人ではありませんが!?」

「ユーリンそんな事はありませんよ?我々には我々に出来る事を、あなた方にはあなた方が出来る事をすればいいのです!」

「それが神ヨハンへの感謝なのですか?」

「そうです!お願いできますか?」

「村を上げて一同喜んで祈りを捧げさせて頂きます!」

ユーリンが再び土下座をして村人が後に続く



「エイトさん!お礼をしたい!あたいを旅に連れて行ってもらえないか!?」

ドーラが言う、落ち着いた見る赤髪、短髪で綺麗な顔をしたがっしりとした体つきの長身の女性だ。

「ダーリン?また誑かしましたの?」

「俺はそんな事したつもりはない!」

「ドーラさん、女性は足りています。」

「力仕事だってできる!」

「私で十分です。」

「なんだと!?」

「あちらで力比べを致しましょう。」

ドーラとオリーブが集団から外れて腕相撲をしてオリーブが余裕で勝ち、その後相撲をしてドーラが力任せに投げ飛ばされている。


「ドーラは女だが力自慢のBランクだぞ・・・」

ギレンが驚く

「オリーブは・・・Gだっけ?」

「Gですわね。」

「エイトさんのパーティは色々と非常識だな・・・」

「非常識か・・・もう聞きなれた言葉だな。」

叡斗が遠い目をして答える



叡斗が手を1拍して

「という訳で!皆さんもうお礼は十分ですので村の復興に戻ってください!」

「そ、そうですね!皆さんこれでエイト様達へのお礼は完了ですので仕事に戻りましょう!」

「ユーリン俺達の仕事ってあるの?」

「これ以上は何もありません!」

「そっかぁ・・・ギレンさん?何か緊急の依頼あります?」

「ウラジールとの国境沿いの漁村でな・・・」

「ふむふむ」

「アユミンって村なんだが、体持ちのサーペントが出ていてな・・・」

「サーペントってやば・・・」

「水中でAランク地上でDランクの首長の下位竜です。」

叡斗がギレンに質問しようとすると、メイサが耳打ちで教えてくれる。


「半年前から依頼が来ているんだが誰も受ける事ができなくてな・・・」

「なら勿論行かせて貰います!」

「そうか!完遂したら是非ともレベッカへ報告に来て欲しい!」

「あ・・・あたいも付いて行くよ・・・」

ドーラが地面を這って近寄ってくる


「頑丈な方ですね。」

オリーブが無造作に持ち上げて放り投げる

「うわぁぁぁぁ!」


「綺麗な顔してるのに泥だらけだ・・・勿体無い・・・」

「まさか連れて行くつもりですか?」

「まさか!メイサとオリーブでいっぱいいいっぱいだよ。」

「なら安心です。」

「オリーブ?アユミンまではどれくらいかかる?」

「えー、1日と半日と言った所でしょうか?」

オリーブが地図を広げて言う。


近くに倒れたドーラに

「ドーラ?すまんが連れて行け無い、がんばってな?」

「私の体はそんなに魅力がないのか!?」

「魅力的な体してるよ?」

「ならば初めて・・・ゴブリンに奪われたがせめても体で!」

「ゴブリンは関係無い!好意だけ受け取っておくよ!」

「やはりゴブリンの後は嫌だよな・・・」

「ゴブリンは関係無いって言っただろ!?」

「じゃああたいを抱けばいいじゃないか!?」

「俺にはメイサと言う伴侶がいるんでな?」

「ダーリンッ!?」

破顔したメイサが叡斗に抱きつく

「浮気なぞみんなしているではないか!」

「俺は召喚人!元の世界ではしないものだ!」

「召喚人こそ女好きの代名詞じゃないか!?」

「そうなの?」

「召喚人の子孫が世間にどれだけ溢れていると!?」

「ダーリンは私一筋ですごいですわねっ?」

「そ・・・そうだろ?」

メイサの抱きつく手に力が入るので思わず反応する叡斗



「って訳でだ!ドーラはドーラで困ってる人を助けて欲しい!」

泣く泣くドーラを断わる叡斗

「エイト様1つ御相談が・・・」

揉み手をしたフィリップ商会のジャンが話しかけてくる。

「どうしました?」

「もしよろしければ、アユミンの村へ同行させて頂けませんか?」

「え?行商で行く様な所では無いでしょう?なぜ?」

「私は金の匂いを嗅ぎつけて危険をおかしてまでユーリの村へ来ました。」

俺達が通らなければ荷物を失い、そのままユーリの村で死んでいただろうな・・・と叡斗が考えているとジャンが続ける

「私は勘違いをしていました。」

「勘違い?」

「ユーリの村では奪われた馬分を考えてもしっかりと儲けが出ました。」

「それはよかった。」

「ですがエイト様との出会いこそが一番の稼ぎ話です!」

「へぇ?」

「私の商人としての勘が囁いています、エイト様から金の匂いがすると・・・」

ジャンが商売人の顔つきになり、いやらしく笑う


「オリーブ馬車と同行となると到着時間が変わるか?」

「平坦な道が続きますので変わりはないかと思います。」

山道や凹凸の激しい道でこそラプターの価値が出る平坦な道だとむしろ馬の方が速いらしい。

「メイサどうしようか?」

「ダーリンの判断に従うだけですわ?」

「俺の勘もこの人を連れて行けって言ってるんだよね?」

「なら決定ですわ!」

「やった!邪魔はしませんので!では明日の朝一にこちらに伺いますのでよろしくお願い致します。」

ジャンがうやうやしく礼をして村へと走って行く。



「さぁ!メイサ何しよっか?」

「ダーリンの特訓などをしてゆっくり過ごしましょうか?」

「御主人様、恐れながら外套が暑いので何か対応策はないでしょうか?」

「暑いよなぁ・・・特にオリーブは御者台で日にさらされてるもんな。」

「あ!・・・ダーリン外套に水と風の属性を付与出来ません事?」

メイサが本をぺらぺらと(めく)りながら言う


「その本何?」

「マジックアイテムの効果全集です。」

「ノーライフキング便利だな!」

「水と風を付与すれば装備者の魔素を使って、周囲を快適な温度と湿度に保ってくれるそうですわ。」

「便利だな・・・ラプター達のも作ってやるか?」

「ではすぐに裁縫致しましょう!」

「奥様、海ですので水着も裁縫致しましょう。」

「いいですわね!生地もたんとありますわ!」

メイサとオリーブがテントに入って行ったので、3着の外套に『創造魔法』で風と水の属性を付与する。


「おぉ!これはすごいな!」

着ると、途端に流れ出ていた汗が無くなり今すぐ寝れそうなくらいに快適だ。

「『簡易鑑定』」




<風水の外套>

メイサ手作りの外套。風と水の魔法効果によって守られる。



続いて2着の外套に属性を付与して、2人に渡しにテントに入ると

「オリーブ?なんでここに穴を開けるのです?」

「これが興奮します。」

「なるほど・・・少しお股部分が細くありません?」

「奥様。食い込みという高等テクニックのためでございます。」

オリーブに拳骨をして

「外套出来たよ!あとオリーブ?お前はラプターの外套を作ってろ!」

「は・・・はい、お任せください。」

「メイサ?えーとこんな感じの水着でお願いね!」

メイサに美術2の俺が書いた落書きのような水着の絵を描いて渡す、メイサなら作ってくれるだろう。


「動きにくいかもしれないけど外套着るのお勧めだよ!」

そう言うといそいそと外套を着る2人

「これは!聞きしに勝る快適性ですね!」

「快適ですね。」

2人が満面の笑みで裁縫を始める



裁縫するメイサを眺めつつメタスラの皮膜の特訓をしていると

「御主人様完成しました。」

でかいな・・・ラプター用だったらこんなサイズか、早速属性付与をする。



「ダーリン、出来ましたわ?」

メイサが男性用のパンツを2着、女性用のビキニを4組持ってくる。

「なんで6組もあるの?」

「1着は普通の水着でもしもの時のためにもう片方に風と水の属性をつけて頂きたいのです。」

「メイサが言うんなら必要なんだね?」

「必要にならないかもしれませんが。」

「わかった!」

それぞれの水着に属性付与をして行く。


「魔石がもう無くなってきたな・・・」

「魔晶石を仕入れなければなりませんね?」

「レベッカに行ったら買わなくちゃな?」

「そうですわね。」

「御主人様どうでしょうか?」

オリーブが水着に着替えてファッションショーの様に華麗に回ってポージングをしていた。

「似合ってるよ?ポージングもばっちりだね?最終的にM字開脚に行き着かなければ・・・」

華麗にポーズを決め、自然な流れでM字開脚をするオリーブ。



「ダーリン私はどうでしょうか?」

メイサもオリーブのマネをしてポージングをする。

「メイサも似合ってるね!踊り子の服とは違った魅力があるよ?」

「嬉しいですわ!」

「ただメイサもM字開脚しなくていいんだよ?」

メイサも最終的にM字開脚をする。

「オリーブ?あんまりメイサに変な事を教えるようなら首輪はずすぞ?」

「・・・了解致しました。」

オリーブの顔が青褪めているので、これで大丈夫だろう。



「反省してるみたいだしオリーブの武器も作るか!」

「ダーリン魔玉の補助も無しで連発してますが大丈夫ですの?」

「次は魔玉を使うから一回なら行けるかな?」

「では、オリーブには火と水の魔法適正がありますわ。」

「火と水だな・・・」

叡斗がメイサが魔王城から持ってきた武具の成れの果てを魔力成型で1つに纏めて、火と水の魔石と大量の魔玉を置く。


「これでメイサのお土産の材料も終わりか・・・」

「結構な量がございましたが、無くなってしまいましたのね。」

「大地の槌とか大物ばかり作ったからな・・・」

「戦斧がよろしいかと思いますわ。」

「そのつもりだよ!『創造魔法』!」

巨大な戦斧が出来上がり、オリーブがひょいと持ち上げるとオリーブの首元から膝までがすっぽりと隠れるほどに巨大な斧だ。



<爆裂の斧>

魔力を流すと魔力量に応じたスチームエクスプロージョンの効果を付与。刃の欠けを自己修復する。



「メイサ?エクスプロージョンってどんな魔法?」

「えーと・・・確か火と水の複合魔法で水蒸気爆発を起こす上級魔法ですわね。」

「魔力量に応じた効果を付与だって?」

「大地の槌とおなじですわね!にしても近距離戦でエクスプロージョンは危険すぎますわ!」

「この外套で防げないの?」

「ふむ・・・試してみる価値ありですわね!ダーリン外で振ってみなさい?」

「まぁオリーブよりは俺のが安全か・・・」


オリーブから斧を借りて、外で木に向かって振ってみると、叡斗よりも太い幹が轟音と共に木っ端微塵に吹き飛び粉塵が舞う。

「すさまじいですわね・・・」

「御主人様は大丈夫でしょうか?」

「ゲェッホ!ゲホゲホ!爆発は大丈夫だったけどこれヤバイな!」

「ダーリンが魔素を馬鹿みたいに流すからでしょう?」

メイサが斧を持ち、一回振って木を切り倒して、ゴルフのスイングの様に斧で木を掬い上げるように振ると、爆発が起こり木が彼方へと飛んでいく。

「オリーブ?がんばって使いこなしなさいな?」

「御主人様、奥様ありがとうございます。」

「聖王の槍と使い分けな?」

「いえ、私にはこの武器があれば十分でございます。」

オリーブがうやうやしく叡斗に聖王の槍を差し出す

「なら預かろう!いる時はいつでも言うんだぞ?」

「かしこまりました。」


結局この日はオリーブは嬉しそうに一日中斧を素振りしたり手入れをして、叡斗はメイサのファッションショーを延々と見せられる。

「ダーリン!?次はメイド服も作ってみましたの!」

「いつ作ってんだよ!」

「ダーリンが寝てる間ですわ!さぁ!ついでに観察して特訓の精度をお上げなさい!」

「はいはい!」

「ダーリン!私の二の腕はそんなに肉は余ってませんことよっ!」

よーく見比べると若干メタスラの皮膜のメイサの二の腕が太い、気がする。

「審査が厳しい!」


平和に一日が終わって行く。

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