~外伝~スケルトン無双からスケルトン無双2の軌跡
「いてて・・・」
目覚めると最下層の門の前で3人川の字になって寝かされていた。
「おい!おい元太!」
「おぉ将か・・・生きてるのか・・・?」
「死んではないみたいだな・・・だが装備が無くなってる。」
「なんだと!?マジックバッグもねぇぞ!」
元太が全身を触って装備を確かめる
「ご丁寧に靴までないぞ?だが不思議な事に怪我も無いぞ?」
「本当だな・・・あれだけ額を打ち抜かれたのにムチウチもなさそうだ。」
元太が首を鳴らしながら確認する
「うるさいわね・・・」
「穂乃香大丈夫か?痛い所は無いか?」
「なんで穂乃香だけローブ来てんだ?」
「何?このローブ・・・上質ね・・・」
みんなと状況確認をすると、装備や金目の物は全て取られている。
残っているの物は服と穂乃香の上質なローブと皮袋に入った数日分の食料。
「素手で狩りをしてお金を稼ぎながら帰ってギルドカードの再発行さえ出来ればギルドで金を貸してくれたよな?」
「俺は知らねぇ!ガハハ」
「確かそんな制度あったわね・・・杖がないと魔法が使えないわ。」
「幸い穂乃香はいい防具があるから怪我をしないように戻ろう!」
「俺が守ってやるよ!」
「悔しいけどしょうがないわね!」
みんなとあのスケルトンの事を話したいけど、今は無一文の状態を脱してからだな・・・
「おい!そんな雑魚取り逃がすなよ!」
「しょうがないだろ?素手なんだ元太だって仕留め損なってるじゃないか!」
「ファイアボール!やっぱり出ないわ!」
行きは楽々と進んだ初級ダンジョンが装備が無いってだけで、悪戦苦闘だ。
「今日はここら辺で夜営しようか?」
「夜営?野宿の間違いだろ?」
「えー地べたなの?日本に帰りたい・・・」
「そう言うなよ・・・頑張ろうよ?」
「やるしかねえよな?今日・・・っても時間もわかんねーけど、どれくらいの素材手に入れた?」
「銀貨5枚くらいじゃないの?」
「初級ダンジョンじゃそれくらいか・・・」
「そんなの帝国に戻っても宿代にしかならねぇぞ?武器どうすんだよ!?」
「とにかくギルドカードの再発行さえ出来れば借金も出来るはずだからどうにかなるって言ったろ!」
「あぁ!俺達Aランクだったら1人金貨10枚だったか?」
「元太・・・本当に脳ミソまで筋肉ね・・・」
「金貨10枚あれば装備を揃えてAランクダンジョンには行けるだろう?」
「チクショウ!この前Sランクのレッドドラゴンのダンジョン踏破したのにAランクかよ!」
「装備って大切よね・・・」
「スケルトンが残した食料を食べよう!」
「毒入ってんじゃねぇのか?」
「毒入れるんならもう殺してるわよ!食べる度胸が無いんなら餓死すればいいのよ!」
「穂乃香そう言うなって!最下層で俺が実験でパンを一個食べただろ?大丈夫だって!」
「わぁったよ!食べるよ!」
「ふん!元太が食べないんならあたしの分が増えたのに!」
時間がわからないダンジョンの中なので朝なのか夜なのかもわからないが、腹を満たして今日は眠る事にする。
この世界のダンジョンは寝ている時は魔物が襲ってこない親切な設計なので安心して眠ることが出来る。
「ギャァァァァァ来るなぁぁぁぁぁ!!」
突如元太の叫び声が響き渡る
「足がぁぁぁ!足が飛んでくるぅぅぅぅ!」
「元太!落ち着け!!」
狼狽する元太の肩を掴んで揺さぶる
「うるさいっ!!」
穂乃香が元太を引っぱたく
「あれ?スケルトンは?」
ファイティングポーズの元太が辺りを見回す
「元太・・・トラウマになってるな・・・」
「静かになったわね?寝るわよ!」
「そうだね、元太?もう大丈夫だよ?今は寝るぞ?」
「お、おう・・・すまねぇ。」
しばらくして起きると元太は起きていた。
あれから寝たのだろうか?
「元太おはよう。」
「おうおはよう!済まなかったな。」
「ん・・・どれくらい寝たのかな?」
「時間がわからないからね・・・」
「穂乃香も格好悪いところを済まなかったな・・・」
「安眠・・・睡眠妨害はやめてよね?」
「さぁ行こうか!今日中にダンジョンを出て帝国に戻ってギルドに行こうよ!」
「そうだな!」
「そうよ!寝袋も無い野宿なんて嫌よ!」
「じゃあ急ごう!」
「おう!さっさと金借りて装備整えようぜ!」
「装備よりも宿よ!体を拭きたいわ!」
もう素材を手に入れても入れる物がなくて運べないので魔物を無視して進みダンジョンを出る。
「なぁ?・・・どの方向に行けば町だ?」
「辺り一面砂漠だものね・・・」
ダンジョンの入口はアラクム砂漠のど真ん中に不自然に洞窟が口を開いている。
「右に山脈が見えるから西は左だろう。」
「で?どの方向だ?」
「なんて町だったかも忘れたわ?」
「確か・・・レッドドラゴンのダンジョンが町から南に進んで、そこから東に進んでこのダンジョンに来たから、こっちじゃないか?」
「将、信じるぞ?」
「信じるも何も元太だったら迷わずに山に進んで行くでしょ?行くわよ!」
「間違ってても恨まないでね?行こう!」
3時間程経ったのだろうか?進むと建物が見える。
「町だ!さすが将だ!」
「山脈を目印にしたけどなんとか着いたな。」
「はやく体を拭いて綺麗にしたいわ!」
「わかったよ!将行こうぜ?」
「そうだな!ギルドに行こう!」
さっきまで重い足取りが嘘のように3人が走って町へ走って行く。
「いらっしゃいませ!冒険者ギルドへようこそ!」
「すみませんギルドカードの再発行とお金を借りたいんですが?」
「はい!ではまずこちらに手を置いていただけますか?」
そう言って受付嬢が登録の時に使った魔道具、マス目が入った板に3人がそれぞれ順番に手を置く
「はい皆様Aランクですね?お1人銀貨一枚再発行手数料がかかりますがよろしいですか?」
「この素材での支払いでもいいですか?」
「問題ありませんよ!」
素材を渡して受付で待つ。
「はい!こちらが新しいギルドカードです!ではお金の借入ですね?おいくらですか?」
「上限はいくらですか?」
「Aランクですと金貨20枚です。」
「では3人で60枚お願いします!」
「返済は5割増の90枚になりますがよろしいですか?」
3人で顔を見合わせて
「しょうがねぇよな・・・」
「ケチケチしても駄目よ!」
「そうだな・・・お願いします!」
「では返済期限は3ヶ月です。よろしければこの紙に親指で血判をお願いします!」
「はい!」
血判を押すと、紙の文字が一瞬光る。
3人が順番に押すと、受付嬢が皮袋を3個カウンターに置いて
「はい!契約完了です!こちらをお持ちください!」
「ありがとうございます!」
「よし!とりあえず宿に行こうぜ!」
「美味しい御飯を食べたいわ!」
「よし行こう!」
元太は俺が言う前にギルドを走って出て行った。
「あいつ町の場所は覚えて無いのに食べ物屋は覚えてるのよね・・・」
「しみじみ言ってないで追うぞ!あいつ金も持たずに行ったぞ?」
「やっぱり脳ミソまで筋肉はダメね・・・」
穂乃香は辛口だな・・・
2人で宿まで行くと元太が宿の前で待っていた。
「おせーぞ!?」
「元太・・・自分の金くらい持ってよ・・・」
「今日は装備でいくら使うかわかんないから久々に3人部屋で行く?」
「いいのか?」
「やっほぅ!」
「元太キモイ!しょうがないじゃない!体を拭くときは外に出てもらうわよ?」
「わかってるよ!」
「覗くほど落ちぶれてねぇよ!」
「ならいいけど本当でしょうね?」
穂乃香の疑いの目を受けながらも3人部屋を取り、久々の料理である宿の御飯に舌鼓を打って、部屋に戻った時に事件が起きる。
「え?え?え?え?嘘!何で!?」
俺と元太が穂乃香が風呂代わりに体を拭くので、部屋の外で待機していると穂乃香の声が聞こえる
「穂乃香どうした?大丈夫か?」
「あ?え?いや!大丈夫じゃない!」
「大丈夫じゃないだと!?」
「元太!それは不味い!」
元太が扉を開けて中に入り、一瞬だが裸の穂乃香が見えた。
「きゃああぁぁぁぁぁぁ!」
「ヘブシッ!」
パシィンという音と共に元太が転がる音が聞こえる
「穂乃香どうしたんだ?」
「ローブが脱いだら消えたの・・・」
「元太は大丈夫?」
「こんなエロゴリラ知らないわよ!床で寝てるわ!」
「とりあえず体を拭いてこれを着てなよ!明日の朝一でローブを買ってくるから!」
そう言って、扉を少し開けて着ているワイシャツを脱いで中に入れる。
「わかったわ!このエロゴリラを外に出してくれない?安心して体を拭けないわ!」
「わかった!」
中に入ると下着姿の穂乃香が元太を冷たい目で見ていた。
俺は得したな・・・と思いながらすぐに元太を部屋の外へ引き摺って出る。
しばらく待っていると
「いいわよ?」
穂乃香の許しが出たので部屋に入ると、下着にワイシャツの危ない格好の穂乃香が出迎えてくれる下着を少し隠すには丈が少し足りて無い・・・スケルトンありがとう。
「何よ?」
「いや!元太をどのベッドに寝かそうかな?と思って・・・」
シングルベッドが少しだけ離れて3台並んでいる。
「一番端の壁際のでいいんじゃない?窓際は私が寝さしてもらうわ!」
「そうだね・・・」
元太を壁際のベッドまで穂乃香と2人で運んで、今日は寝る事にする。
「ベッドは気持ちいいわね!」
「そうだね!今日はゆっくり寝て明日は準備だね?」
「まずはあたしのローブよ?」
「わかってるよ!おやすみ?」
「お願いね?おやすみ!」
いつぶりかも覚えてないベッドとふかふかの布団で一瞬で眠りに落ちる。
次の日起きてから元太に説明をしてすぐに穂乃香のローブを購入して、改めて穂乃香と一緒に3人で装備を揃え、今日も宿の食堂で晩御飯を食べる
「残ったのは、金貨3枚か・・・」
「結構かかちまったな・・・」
「元太の鎧と盾が高すぎるのよ!」
「元太が防いでくれないと俺達戦ないからしょうがないよ・・・」
「穂乃香の杖もたけぇだろ!その棒で金貨13枚だぞ!?」
「これでも安いのを選んだのよ!?」
「明日はAランクダンジョン『砂塵の園』だ!気を引き締めるぞ!」
「おうよ!」
「わかったわ!」
3人で気合を入れて明日のに備えてのんびりと過ごす。
「元太大丈夫か!?」
「やっぱり盾がしょぼいとキツイな!」
「女神の声が聞こえたわ!ヘルフレイム!」
穂乃香の杖からおどろおどろしい黒炎が飛び出し砂の魔物を焼き払って行く。
「上級魔法ってやつか?」
「一発で・・・すごいな!」
「久々にレベルアップ以外の女神の声を聞いたわ。」
「装備がしょぼくなったからか?」
「そうかもね?余裕が無いから本当の力に目覚めるのかもね?」
「これはかなり魔力を使うから連発は無理ね。」
「さぁ次行くぞ!今日はベッドで寝たい!」
「おう!」「そうね!」
俺も元太もようやく新しい装備に慣れてきて、Aランクダンジョンを進んで行く
「最下層手前って事か?大物だな?」
「砂の大蛇かよ・・・」
「ヘルフレイムを詠唱するわよ?」
「任せた!元太来たぞ!」
「おう!今女神の声が聞こえたぜ!城塞!」
元太の盾が光り、砂の蛇の攻撃を軽く受け止め、将が動きが止まった所を素早く首元に何回も斬りかかる。
「ちっ!ダメか!」
「砂だからか?」
斬れた所にサラサラと風に舞う砂が付いていき傷が再生していく。
「『魔法剣 聖』獲得しました」
突如頭の中に女性の声が響く
「俺も女神の声が聞こえた!魔法剣!」
俺がスキル名を唱えると剣が光り輝き、砂の蛇を切ると痛がり再生しないみたいだ。
「属性攻撃なら効くみたいだなぁ?」
「そうみたいだな!」
「あんた達離れなさい!ヘルフレイムランス!」
ボコボコと沸騰するように泡だつ炎で出来た槍が砂の蛇へと飛んで行き、爆風と共に熱気が押し寄せてくる。
「女神の声が聞こえたのよ?」
「すげぇな・・・」
「これならあのスケルトンに勝てるかもな?」
「借金返済したらリベンジよ!」
「おぉー!!」
「日本人かもしれないしな・・・」
将の言葉を聞く事なく2人は砂の蛇のドロップアイテムを拾いに走っていた。
「戻ってきたな?」
「おうよ!もうスケルトンに負けねぇ!」
「上級魔法をぶち込んでやるわ!」
1ヶ月かけて金貨90枚を稼ぎ終わり、スケルトンがいた洞窟に戻ってこれた。
「地獄だったな・・・」
「スキルを覚えてなかったら死んでたかもしれねぇな・・・」
「元凶をボッコボコにして日本に帰るわよ!」
「そうだな!」
3人が砂漠の真ん中にぽっかりと口を空けている洞窟へと入って行く。
「門だな・・・」
「あの時の門ね・・・」
「ちょっと覗いてみるか?」
門を少しだけ開き3人で顔だけを出して中を覗いてみると、ティアラスケルトンがポコポコと叩きながら王冠スケルトンを中々の速度で追いかけていた。
「あ・・・こっち見た」
「襲って来そうにはねぇな?」
「作戦会議だ!」
一旦門の外に出て門を気にしながら円陣を組む
「ティアラスケルトン前回動かなかったけど参戦してくるかな?」
「あの様子じゃ弱そうだし関係ねぇんじゃねぇか?」
「でもあの王冠スケルトンがただ逃げてたのよ?」
「とにかくティアラスケルトンが来ても冷静に対処しような?」
「わかってるよ!新しい技もあんだ!今度こそ勝つさ!」
「私の上級魔法で溶かしてやるわ!」
「だけど最初に話が出来るようだったら話すぞ?」
「コテンパンにのしてから話せばいいんじゃねぇか?」
「馬鹿!私の魔法で溶かしちゃったら聞けないじゃない!」
「そうだ!だから最初に話したい・・・行くぞ!?」
「おう!」
「念のために詠唱しておくわ!」
門に入るとスケルトン2体は行儀よく玉座に座っていた。
「いくぞ!」
「おう!」
意を決して進むと王冠スケルトンがどこからともなくバットを取り出し、街を歩くかのように自然体で近づいてくる。
「お久しぶりです。」
よし!話が出来るようだ!
「お久しぶりじゃねぇよ!大変だったんだぞ!?」
元太が暴走するのは毎度の事だが今回は不味いって!
「元太!初っ端から喧嘩売ってどうするんだ!?」
「今回もお帰り願いたいのですが?」
「無一文で放り出しやがって!仕返しするまで帰れねぇよ!」
「元太!!まずは話て見ようって言ったじゃないか!?」
俺はかなり焦って元太を止めるが元太の暴走が止まらない。
「話す?何をです?」
「あなたは召喚人でしょう?目的は何かとか・・・」
王冠スケルトンが一瞬手を顎に当ててから手を叩いて
「私も話す事を考えてましたが・・・こうしましょう!」
バットで地面に王冠スケルトンを中心に円を描き
「私はこれから10秒攻撃しません、その間にこの円から出せれたら質問に答えましょう!どうです?」
話せる可能性が残っただけでも儲けものか・・・正々堂々と勝って話してもらおう!
「1秒で十分よ!ヘルフレイムランス!」
穂乃香ぁぁぁぁぁ!お前もか!?
王冠スケルトンとの会話は成立せず、変則的だが戦闘が始まった。
前話の前に投稿するべきでしたかね・・・




