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~51話~豊作の畑とユーリの宴

「御主人様。」

凜と立つオリーブに起こされる

「ん?おはよう!」

「御食事の準備が出来ましたので椅子を運ばせて頂いてもよろしいですか?」

そういえば椅子をベッドにいて寝ていた

「あぁ!ごめんな?すぐに運ぶよ!」

「いえ、私が運びますので御主人様は座ってください。」

「料理まで作ってもらったのに?悪いよ・・・」

「私の仕事を取るおつもりですか?」

普段無表情のオリーブが明らかに嫌そうな顔をして言う

「わかったよ・・・」




机にオリーブが運んでくれた椅子に座るとチャイナ服のメイサが配膳をしていた。

シンプルに真っ黒な黒い生地がメイサの体のラインを強調するように肌にぴったりとフィットしていて、ふくらはぎまで隠すスカートには両脇にスリットが入っている。

「メイサ?服どうしたの?」

「服が何か?私がこういう服を着ては駄目ですの?」

「魅力的だね?」

男の性だな・・・普段の服装なら丸見えの部分のはずのスリットについつい目が行ってしまう。

「フフフ。オリーブ聞きましたか?」

「御主人様は奥様の割れ目に夢中です。」

「言い方が卑猥すぎだ!誤解を招く言葉を使うな!」

「私の割れ目に・・・ムフフ」

「メイサは意味もわからずにその言葉を使ったらいけんよっ!」

「御主人様、御食事の準備完了してございます。」

「あぁ・・・今日は中華か!?メイサの服装にぴったりだな!」

麻婆豆腐・八宝菜・肉味噌炒めなどの数々の中華料理が机の上に並んでいる。




とりあえず食事を始めてメイサに尋ねる

「メイサ?どうしていつもの服じゃないの?」

「オリーブが教えてくれましたの、こういう服の方がダーリンが好きだと、チラリズム?と言うのですか?」

「まぁチラリズムだな。」

「私にはよくわかりませんが・・・普段の服装ならもっと見えているのに、生地が増えると興奮なさるなんて・・・」

「見えそうで見えない、が重要なんだよ?」

「オリーブも言ってましたけど、見えなかったら意味がないじゃありませんか!」

「見えないから想像してしまって興奮するのだ!」

「ふむ・・・難解ですわね・・・」

「メイサ?無理しなくても今のメイサでいいんだよ?」

「チャイナ服似合ってませんか?」

「最高に似合ってる!」

「では今日からこの服装で行動したしましょう。」

「でもスリット深すぎない?パンツ見えそうだよ?見えないけど。」

「見えなくて当然ですわ、履いてませんもの。」

まさかのノーパン発言に叡斗が驚愕する

「履こうか?」

「なぜです?蒸れるし、何より邪魔ですわ!」

「チラリズムだよ!隠すことによって興奮するんだよ?」

「なるほど・・・」


「奥様、私は本日勝負下着で御座います。」

「なんで勝負下着なんだよ!?」

食事に熱中していたオリーブが突然言ってくる

「奥様に欲情した御主人様が夜我慢しきれず襲えない奥様の代わりに私を襲ってくるかと愚考しまして。」

「本当に愚考だな!」

「私はいつでも準備万端でございます。」

「そんな準備しなくていい!それにお前房事は駄目だろうが!?」

「御主人様なら大丈夫です。今からでもよろしいですが?」

「安心しろ!今からもこれからも無いから。」

「では少しづつ御主人様を籠絡(ろうらく)して行くことにします。」

「そんな事しなくていい!メイサからも言ってやって?」

「オリーブ?」

「はい奥様、申し訳ありません。少々悪ふざけがすぎました。」

メイサに言うと真面目な顔でオリーブを睨み、オリーブがたじろぐ


「勝負下着とはなんですの?」

「メイサ違うだろぉぉぉ?」

「奥様、そこはまた勉強会を開きましょう。」

「そうですわね!お願いね?」

「はい。」

「待て!勉強会ってなんだ!?」


2人は黙々と食事をする

「無視ですか?都合が悪い事なんですね?」

「ダーリン?私達が丹精込めて作ったのですよ?黙って少しは味わって食べてくださる?」

「そういう言い方されるとなぁ・・・」

「御主人様、折角の自信作におつゆが飛びますので控えて頂けると嬉しいのですが?」

「ツープラトンかよぉ?勝ち目がねぇよちくしょう!」



沈黙のまま食事を終え、3人で宿に行く。

「配給も終わってるみたいだな?」

宿の前で朝食材を渡した女性陣が和気藹々と叡斗が渡した水が出る蛇口型の魔導具で食器を洗っている。

「そうですわね」

「ユーリンを呼んで参ります。」

オリーブがユーリンを呼びに行ってくれた



しばらく笑顔で食事をする町の人間を観察していると

「エイト様!メイサ様!どちらへ行かれていたのですか!?」

ユーリンが走ってやって来た

「俺達は俺達で食事をね?で・・・畑に案内してもらいたいんだけど?」

「そんな事までして下さるのですか?」

「復興を手伝うって言ったろ?」

「では農夫の長に案内させますのでよろしくお願いします!」

「力になれるか確認も兼ねて、先に行って色々試したいから畑の場所教えて貰える?」

「南門を出ると畑の成れの果てがあるのですぐに分かると思います・・・」

「わかった!メイサ行ってみようか!」

「はい!ユーリン?オリーブには力仕事を命じてくださるかしら?」

「かしこまりました!」

「そこらへんの男よりも力が強いので、安心して言えばよろしくってよ?」

「え?こんな細くて綺麗な女性が・・・」

驚くユーリンにオリーブを任せてメイサと南門の外へ行く



門を出ると目の前には作物であったであろう枯れた植物が生える、ゴブリンの足跡だらけの畑の成れの果てが広がっていた。

「メイサ?どうしたらいいんだろう?」

「私農業には疎くて・・・ダーリン畑とはどういう風にすればよろしいのでしょうか?」

「俺もそこまで詳しくはないけど、30cmくらいの深さまでの土を柔らかくほぐして植物が根を張りやすいようにしてやればいいんじゃない?」

「それだけでよろしいの?」

「あとはよく土は混ぜてあげるのがいいのかな?手作業だと農具をひたすら振り続けるからかなりきつい作業だよ?」

「ふむ・・・」


メイサが地面に手を置いて、数秒するとメイサの正面のゴブリンに踏み固められていた地面がもこもこと盛り上がり、1m四方の耕された畑に変わる。

「簡単ですがこの広さは私では魔素がきついですわね・・・」

メイサが100m先まで続く枯れた農作物の生える畑を見て言う


「どうやるの?」

「『魔力操作』で土に魔素を巡らして行って、『土魔法』で細かく混ぜるだけですわ?」

「なるほど!」

「ダーリンの『錬金術』も応用すれば魔素の豊富ないい畑になるかもしれませんわね?」

「確かにその方法だと魔素が馴染むかもな?でも魔素が豊富でどうなる?」

「わかりません、試しにやってみてくださる?」

「わかった!」

地面に手を当て目を閉じ集中して、可能な限りの浅く広い範囲を『錬金術』の魔力成型を応用して土属性の魔素を馴染ませて、細かく混ぜるイメージをして『土魔法』を発動する。



「これは・・・」

「うまく行ったか?」

「ダーリンなぜこれが見えませんの?」

「集中したくて目をつぶって、ってなんだこりゃ!?」

目を開けると目の前に枯れていた植物が青々と茂り、目の前の植物にはトマトに似た実がついている。


「ダーリンが手を当ててすぐに枯れていた作物が青くなって成長しだしましたのよ?」

「『錬金術』使ったおかげかな?」

「『錬金術』とは魔素を変化させるスキルという解釈になるのかも知れませんわね?」

「スキル名って適当すぎて本質を見極めるの大変だね・・・」

「だからこそ見極めた時に、スキルの効果が格段に上がるのですわ!」




「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!」

突然後ろから大声が聞こえて驚いて振り向くと、爺さんが尻餅をついてアワアワと言ってる

「あなたが農夫長ですか?」

「あ・・・」

「あ?」

「あ・・・」

「あ?」

「あわわ・・・」

あわわと言う人を始めて見たなと叡斗が感心していると、爺さんがそのまま気絶する。



「メイサどうしよっか?」

「ダーリン?まだ行けますか?」

「ゴッドブレスよりも消費魔素少ないからいけるよ!」

「ではここで手間を取るよりも、さっさと終わらせてしまいましょう!」

「了解!」

メイサと村の周りにある畑を蘇らせて行き、畑を探しながら町の周りを一周して南門に帰ると爺さんがくわを杖代わりにして呆然と立っていた。



「大丈夫ですか?」

「へ?あぁ・・・」

「しっかりなさい!」

メイサのビンタが飛ぶ

「おぎゃぁ!」

「メイサ爺さんは労わろうよ・・・」

爺さんがその場で1回転するが、農作業のおかげで足腰がしっかりしてるのだろう、倒れずに持ちこたえすぐに反応する

「この畑はどういう事じゃ!?」

「魔法で耕しといたよ?」

「作物が実っておる!」

「魔法の副作用かな?ラッキーだね?」

「お前さんは畑の神様か?」

「召喚人だけど人間だよ!早く収穫しないと痛むんじゃない?」

「よろしいのか?」

「町で育ててた作物だろ?町で使うのが普通だろ?」

「なんと欲の無い・・・」

「俺の信仰してる神が困ってる隣人は助けよ、見返りは求めるな。と説いてるから、安心してくれていいよ?」

「なんと素晴らしい欲の無い教えなんじゃ!」

「とにかくだ!早く農夫集めて収穫しようぜ?俺達も手伝うし!」

「すぐに召集するから待っておれい!」

爺さんがくわを放り投げて町へ走って行った




2人で地面に腰掛けて待っているとメイサが口を開く

「ダーリン?」

「どうした?」

「この町をヨハン信仰を広めませんこと?」

「俺も考えてたけど、やっぱり教祖様みたいな人心掌握術とか持ってないしなぁ。」

「簡単な事ですわ!私にお任せくださる?」

「ヒトの心は難解って言ったり、簡単って言ったり・・・メイサは不思議だな。」

「ダーリンの心・・・恋というものがわかりませんのよ?」

「ふーん・・・そこまでわかってたら簡単な気がするけどな。」

「ダーリンが何をすれば喜ぶのかさっぱりですわ!」

「簡単だよ?メイサが隣に居てくれたら。」

叡斗がキリッと顔作って言うとメイサがわかりやすく頬を染める


「まぁ・・・それにいつも困らしてしまってますわ、いつ愛想を尽かされるかと。」

「それがメイサのいい所でもあるんじゃない?」

「やはり難解ですわ!」

「少しづつ理解すればいいんじゃない?俺もメイサの事理解していかなきゃだし!」

「そうですわね。」

繋いでいるメイサの手の力が強くなる




しばらくして農夫長が20人近くの爺さん連中を連れてやってきて、平然と収穫を始めるので、叡斗とメイサも収穫の仕方を教わって一緒に収穫をする。


夕暮れになり作業を終え

「豊作だべ!」

「今日はしまって飯にすっぞぉ?」

「宿に食材持って行くぞぉ?」

「神の奇跡じゃー!」

平然と収穫していた爺さん達が突然テンションマックスで収穫した野菜を村へ運んでいく。


「爺さん達喜んでたんだな・・・残りまとめて運ぶか?」

「そうですわね。」

2人で籠をまとめて持って村に戻る。



「エイト様!そんな事までしなくてよろしい!」

「農夫長・・・あんたら老人にばかり任せられないよ・・・」

「老人とはなんじゃ!まだまだ現役じゃ!」

「そうだべよ!」

町から折り返してきた爺さん達に籠を取られて手ぶらで町へ帰る叡斗とメイサだった。





宿の女性陣に食材を渡して、いつもの門の外に行こうとするとユーリンが飛んで来て

「エイト様!今日は王都へ買い出しに行った人間が戻ってきて町を上げて宴をします!」

「いいじゃん?楽しんでよ?」

「主役の英雄の御2人がいないと宴の意味がありません!」

「え・・・面倒臭い・・・」



メイサが耳打ちをしてくる

「ダーリン?これはチャンスですわ。」

「大丈夫か?」

「問題御座いません。」

「じゃあ俺はメイサを支えるだけだよ。」

「最高の応援ですわね。」


2人はコソコソと話してユーリンに向き直り

「ユーリン?是非とも参加するよ!」

「よかった!是非とも英雄様のお話を聞かせて下さい!」

「私がダーリンの代弁を致してもよろしいかしら?」

「勿論でございます!ではこれからすぐに始めますので!」

「では我々はオリーブを探しに行きましょうか?」

「奥様、私はずっとここにおりますよ?」

「いつの間に!?」

2人が驚く


「メイサも驚くって珍しいな・・・」

「気配が致しませんでしたわ・・・」

「ユーリンと一緒に来たのですが。」

「オリーブ様は今日百人力の働きをして下さいまして、家屋の復旧がかなり進みましたよ!」

「オリーブすごいじゃん?」

「さすがオリーブですわ!」

「勿体無いお言葉ありがとうございます。」

オリーブが嬉しそうにうやうやしく礼をする。



「では表に出てユーリの宴を楽しんでください!」

「ありがとうねユーリン!行こうか?」

叡斗はメイサと手を繋いでオリーブを連れて宿を出ると、宿の前の通りにはかがり火が並んで明るく、宿の前に机を並べて、料理がところ狭しと並べられていて、町の人々が小皿に取り、(さかずき)を酌み交している。

「いつの間にこんな事になってたんだ?」

「ダーリンとりあえず楽しみましょうか?」

「そうだな!オリーブ?自由行動だ!好きなだけ食べて飲んで来い!」

「かしこまりました。」

オリーブが礼をして、小走りで料理へ向かって行く。



「メイサ?俺達も・・・いつの間にそれ取ったんだ?」

メイサがジョッキに注がれたエールをぐびぐびと飲んでいた。

「村人が渡してくれましたの。」

「お前!飲みすぎたら信仰広めれないだろ?」

「わかってます!これくらいでは酔いもしませんわ?」

「わかってるならいいんだけど・・・」

「心配いりませんわ!ほら出番みたいですわよ?」

ユーリンが走って来る


「御二方様!少しだけでいいので宴の始まりの演説をお願いできますか?」

「お任せになって!どこで話せばよろしくって?」

「こちらです!」

メイサがユーリンに先導されながら、村人から渡された酒を次々と飲み干している・・・一抹の不安を感じる叡斗

「メイサ?酒は控えよ?演説が終わったら好きなだけ飲んだらいいじゃん!」

「あら?ヒトからの好意は断わっては駄目と聞いてますわ?」

「どこ情報だよ!?TPOを考えて!」

「・・・大丈夫れしゅって!」

「あ・・・駄目なやつだこれ!ユーリン!演説はキャンセルだ!」

「もう無理ですよ!」

ユーリンがお立ち台にあがり手を挙げると、一斉に村人の視線が集まる

「こちらがこの度ゴブリンを滅ぼして村を救い!皆の飢えを満たし!田畑を蘇らせた英雄様です!」

町が揺れんばかりの歓声が起こり、ユーリンが両手でジェスチャーをして村人を静かにさせて


「静粛に!それでは英雄様方の御話です!」

村が水を打った様に静かになり、村中の人間が固唾を飲んで見守っている。

「メイサ大丈夫か?」

「大丈夫ですわ!」

突然スイッチが入ってシャキッとなったメイサが言いユーリンの隣へ進んで行く。

このメイサなら任せても大丈夫そうだ。



「皆さん!私達はSランクの【無双】叡斗と【舞姫】メイサで御座います。

本日はこのような場を用意していただき言葉も御座いません。

我々はただ神の教えで行動しただけですので、気になさらないで下さい。

このような大変素晴らしい宴よりもお食事の時、何かの良い事があった時に神ヨハンへ感謝の祈りを捧げ、日々この度のことを思い出して頂ければそれが我々に対する最大の感謝の形で御座います!

では皆様本日を本当にありがとうございます。

心ばかりですが私達からもお酒振舞いますので、どうぞお楽しみくださいませ。」


思ったよりまともだが・・・こんなので大丈夫なのだろうか・・・と思っていると村人が涙を流して手を合わせ感謝の祈りを一心に捧げている。



「ふう!ではダーリン?ワインなどのお酒を振舞ってくださいますか?」

「さっきので大丈夫なの?」

「『魅了の魔眼』を使いましたのであれでも十分ですわ」

メイサがいつの間にか外していたチョーカーを着けながら言う。

「魔眼!?」

「『魅了』のスキルは言わばマインドコントロールスキルですのよ?」

「思った以上に力技なんだな・・・」

「人の心なんて簡単だと申したでしょう?」

「俺も魅了するか?」

「ダーリンには魅了は効きませんし、魅了では意味がありませんわ?」

「本当に俺は魅了されてないのかな?」

「どういう意味ですのかしら?」

「わからないならいいよ?この人数に振舞うとなると今持ってるワイン全部出すことになるな?」

「それは由々しき事態ですわ!今日でしっかり飲んでおかなければ!」

メイサが手を離して人の中に消えて行く。



「さてっと・・・支えるって言ったし俺は俺じゃないと出来ない仕事をしようかね!」

叡斗が1人ごちて、人知れず文字通りに消える。

描写の仕方がたびたび変わって申し訳ないです。

手探りで色々試しながらの、小説ですがよろしくお願いします。

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