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~42話~事後処理と旅の準備

「ウオォォォォォォォ」

北門の防衛が成功し、冒険者達の歓声が上げる。



続いて鐘が鳴り響き住民が大通りに出てきて歓声を上げている。

防衛成功の合図だったのだろう。



叡斗とメイサがそんな状況を手を繋いで眺める。

「メイサお疲れ様!」

「ダーリンもお疲れ様でしたわ!」

「疲れたな・・・改めて風呂入らない?」

「いいですわね!」

「朝の浴場開いてるかな?」

「行ってみましょう」

2人は歓声を上げる住民の中へ消えて行く




「エイトさぁーんメイサさぁーん!?」

「兄貴ぃ!?姐御ぉ!?」

「エイト様ぁぁぁ!!?メイサ様ぁぁぁ!?」

事後報告に来ない叡斗とメイサを呼ぶようにブルーノに言われ探し回る、ドラゴンアイズとバッポとカイジンが街を歩く。




「はぁー生き返るなぁ!」

「そうですわね!」

「番台さんが戻っててラッキーだったな!」

「はい!ダーリンそろそろファイアーボールを仕舞ってもよろしいのでは?」

「そうだな!」

番台に今日は避難中に火を消して湯が冷めてるから休みと言われたが、「自分達でどうにかしますから!」と無理を言って入らせて貰っている。


「なぁなぁメイサ?」

「どうしました?ダーリン」

「今日のサンダーイラプション俺だけで使えるようになるかなぁ?」

「フフフ、もうすぐ使えるようになると思いますわ!ダーリンですもの!」

「そうなるとメイサに安全に使えるように教わらないとだな!」

「どうかなさいましたの?」

「スラッシュを全力で撃ったら、とんでもない威力のウインドカッターが出てね・・・」

「剣もいい物に変わってますし、もう少し特訓が進めば自然と体が覚えますわ。」

「そうか!ならがんばらないとな!」

「今日はこれからどうしますか?」

「オーバーフローも終わったし、日暮れまで数時間だけど観光するか!」

「うふふ!楽しみですわ!」

「明日からちょっと錬金でしたい事があるからメイサも好きにしてなよ!」

「では明日からは図書館に行って、読み終えたらダーリンにお付き合いしますわ!何を作りますの?」

「メイサのためになる物だよ?」

「まぁ!楽しみですわ!」

メイサが笑顔で言う、あれが出来たらメイサは喜んでくれるかな?

叡斗がニヤニヤと思案に耽る。




2人が風呂を堪能して、街道に出ると

「兄貴ぃぃぃぃぃ!姐御ぉぉぉぉぉ!」

バッポが騒々しく手を振って駆け寄って来る

「なんだ?」

「ギルドへ報告しないで何してるんでやすか!?」

「あん?バッポの手柄にしていいから頼んだ!」

「そんな事出来ませんって!」

メイサが不機嫌そうに

「この街に来てからデートを邪魔されっぱなしですわ!御馬鹿なりに頭を使ってどうにかなさいな!」

「姐御無理でやすよぉ!」

バッポが泣きそうになりながら答える



「エイトォォォォォ!」

ベックが走ってきた

「ベックもかよ・・・」

「ギルドに行くぞ!英雄がいねぇと何も始まらねぇ!」

「英雄ってなんだよ・・・」

ベックとバッポの乾いた笑いが聞こえる

「お前達がいなかったら王都は滅んでたって事だよ・・・」

「ドラゴンアイズとバッポの手柄にしていいから、俺達デートして来ていいっすか?」

「エイトォ・・・すぐ!すぐ終わるから!な?メイサも賞賛されるエイト見たいだろ?なっ?」

メイサの目が輝く

「賞賛ですか!然るべくですが、ダーリンは奥ゆかしい方なのでたまにはいいかも知れませんわね」

「ガハハ!エイトは英雄だ!賞賛の嵐だぞ?」

「ふぅ・・・しようがありませんわね!ダーリン行きますわよ!」

メイサの目が今まで見たこと無いくらいに輝いている

「ベックが一枚上手か・・・」

二人の後ろでベックとバッポがホッと胸を撫で下ろす。



ギルドに入ると冒険者でごった返していた。

「Sランカーエイト様だ!」

「ウオオオオオオオオオオ」

ギルドが揺れたと思うくらいの歓声が巻き起こる。


「やっと来たか!ガハハ」

「待ちくたびれたよぉ!ヒッヒッヒッ」

階段を降りてくるバッケとマリアンヌ

「ハッゲと婆ちゃん!」

「バッケだ!エイト、メイサ!早く上がって来い!」

「あ、あぁ」


叡斗達が冒険者達の歓声を浴びながら上に上がると人の道が出来ていて、奥に三銃士とブルーノ、バッケ、マリアンヌが待っていた。

「エイト君!メイサ君!ギルドカードをもらえるかな?」

「え?はい」

カードをブルーノに渡すとバッケがカードを持って下へ降りて行く


「それで?今回の戦闘の報告をお願いできるかな?」

「え?報告ですか?南門でゴブリンを倒してから北門で魔物を倒しました。」

叡斗の隣のメイサが笑顔で力強く頷く

「はぁ・・・どうやって・・・いや何をしたのか報告して欲しい。」

「何をしたって?」

「雷龍を召喚したとか、どうやって北門へ移動したのかとか、謎の弓や、ウォータードラゴンが凍結・・・あぁもう!とにかく全部です!」

「え・・・冒険者が自分の手の内を知らせるのはよくないって言われましたよ?」

「ぐっ・・・」

「ヒッヒッヒッ!ブルーノ一本取られたねぇ!」

ブルーノが顔を(しか)め、マリアンヌが面白そうに笑う



続いて叡斗の三銃士が近づいてくる

「叡斗さんありがとうございました!命の恩人です!」

「気にするな!困った時はお互い様だろ?」

大紀がお礼を言う


「先生!是非魔法をご教授していただきたいのですが!」

叡斗に新がすがりつく

「え?何これ?」

「こいつは人見知りが酷いんですが、認めた人にはこうなっちゃうんです。」

困惑する叡斗に大紀が説明する

「先生!是非!お願い致します!」

「えっと・・・【魔帝】に教えられる事はない!以上!」

「先生の前で【魔帝】なんて恥ずかしい・・・二つ名は変えます!」

「シン君!二つ名を変更するなんて無理ですよ!」

「そんな・・・」

新がブルーノの言葉に膝を折って絶望する



「ブルーノさんこれで報告は終わりですか?」

「終わりです、報奨金はまだしばらく時間が掛かりますが、カードは3日後には返却できると思いますので、ゆっくりして下さい。」

「え?なんでカードがそんなに掛かるんですか?」

「特例でメイサさんをSランクにしますんで手続きに時間が掛かります。」

「私はランクは気にしないのですが・・・」

メイサが心底どうでも良さそうに呟く



「メイサちゃんは欲がないねぇ!ヒッヒッヒッ」

「ではダーリン3日後までゆっくりと致しましょう!」

「そうだな!あ!婆ちゃん明日から邪魔してもいい?」

「おいでおいでぇ?エイトちゃんなら歓迎さね!」

「ありがとう!じゃあまた明日ね!」

「気を付けつけるんだよぉ?ヒッヒッヒッ」

「ありがとうね!婆ちゃんもね!」

叡斗とメイサは手を繋いで冒険者の歓声の中ギルドを後にする。




街をぶらぶらと歩く2人

「人が戻ってますわね。」

「そうだな!メイサ身分証無いけど・・・錬金どうしよ?」

「なさればいいですわよ?図書館にも入れなくなってしまいましたがその分ダーリンと一緒にいられる時間が増えただけですわ!」

「よし!じゃあ市場で材料を買いにいこう!」

「はい!行きましょう!」

2人は中睦まじく、人通りが戻りつつある街道を歩いていく2人。







日が暮れオーバーフローが終わった祝いで町中の至る所で宴会が行われている。

買出しも終わり、適当な店に入り晩御飯を食べようと2人が入ると、視線が集まるが、いつもの事と2人は気にせず席に着き注文を済ませる2人だったが、今日は様子が違い、一人の冒険者風の男が近づいてきて

「あの・・・英雄エイト様とその嫁御様のメイサ様ですか?」

「違います!」

叡斗は即答で答えるが

「嫁・・・嫁のメイサです・・・」

メイサが惚気る。

「メイサァ・・・」

思わず叡斗が頭を押さえて呻いてしまう



「おい!英雄様と嫁御様がいらっしゃるぞー!」

「オォォォォォォ!」

店の中に歓声が上がり人が集まりだし


「・・・そんな大声で嫁だなんて・・・」

メイサはまだ惚気ていた、叡斗は面倒にならなければいいがと頭を押さえる

「エイト様!北門で一緒に戦いましたCランクのメッサリーノといいます!」

「私南門で警護についたBランクのモンテキューといいます!」

「エイト様!我がキュヒラー家の次女を妾に!」

すぐに店に人だかりが出来てご飯どころでは無くなった。


「メイサ!宿に帰ろう!」

「そうですわね・・・御食事どころでは御座いませんわね!」

「店員さん!お金置いとくから!」

叡斗は吐き捨てるように言って、メイサと人だかりからなんとか抜け出し宿に戻るが小鳥の巣の入口にも人が群がっておりみんな口々に「英雄はどこだ!」という声が聞こえる



「人だかりだね・・・」

「入れませんわね。」

なんとか人をまいて、小鳥の巣に戻ると入口が人だかりで見えなくなっていた。

「俺達が泊まってるからかな?」

「皆さん英雄と言ってますわね」

「婆ちゃんのとこで匿ってもらうか・・・」

「マリン様の所なら安全そうですわね。」

叡斗とメイサはその場を離れ、コソコソと錬金ギルドへ向かう



「昨日ぶり!婆ちゃんいる?」

この前案内してくれた受付嬢がいたので、一応錬金ギルドのカードを出して聞く

「マリアンヌ様は只今錬金室にいらっしゃるはずです!」

「この前と同じ場所?」

「はいぃ!」

「アポ取ってないけど大丈夫かな?」

「もしエイト様が来たら通していいと言付かっております!」

「よかった!さすが婆ちゃんだ!ありがとうね!」

「はいぃ!何かありましたら何なりとお申し付け下さい!」

直立不動で受け答えをする受付嬢を見て、相変わらず面白い子だなと思いつつマリアンヌの錬金室へと向かう叡斗とメイサ。



「叡斗だけど、マリン婆ちゃんいる?」

錬金室の扉をノックする叡斗

「入っておいでぇ!」

2人が部屋に入ると白衣を着たマリアンヌとマイオールとヤンガームが何か実験をしているのだろう、マイオールとヤンガームがせわしなく動きまわっている

「ごめん!人に囲まれて御飯も食べれないの!カード帰ってくるまで匿ってください!」

叡斗が両手を合わせて言う


「ヒッヒッヒッ!そんな事だろうと思ったよ!ここで好きにすごしな!」

叡斗とメイサは顔を見合わせ安堵の表情を浮かべる

「今何してんの?」

「ゴーレムコアの研究さね!」

「どんなの?」

「ゴーレムコアをほっといたままにしておくと復活するのは知ってるね?」

「バッポが言ってたな」

「それを応用して、ゴーレムコアから土中のレアメタルを集められないかと思ってねぇ!」

「へぇー面白い事考えるね!」

「あんたにゃ言われたかないよ!どうしてもコアが動いてくれなくてねぇ。」

「メイサどうしてだと思う?」

「ゴーレムコアが保護されて無い上に魔玉による魔素の供給が無いからではないかと。」

さすが魔族、メイサが即答で答えてくれる。

「だってさ?」

「なるほどねぇ・・・明日はそれで試してみるよ!マー坊ヤン坊今日は仕舞いさね!」

「「はい!」」

マリアンヌが白衣を脱ぎ、2人が片付けを始める。




「さてっと!お前さん達の愛の巣へ連れてったげるよぅ?ヒッヒッヒッ」

そう言って手招きをするマリアンヌに着いて行くと

「隣の部屋かよ!」

隣の錬金室と同じように大きな机に色々な実験器具が置かれた部屋だった。

「近くていいだろう?ここなら好きに使っていいよ!何か作るかい?」

「じゃあ後で料金払うから、この前の薬草と鍋をいっぱい欲しい!」

「明日の朝までには用意しとくよ!今日はゆっくりしな!料理してもいいけど火事は起こすんじゃないよ?」

「わかった!何から何までありがとね!」

「あんたの面白い物を一番に見れるなら、安いもんさね!ヒッヒッヒッ」

マリアンヌが部屋から出て行きメイサと料理の準備を始める2人



「ではダーリン御飯を御作りしますわ!」

「楽しみだ!」

机の片隅に魔導コンロを取り出して、料理を始めるメイサと魔力成型で魔鉄の形を変える叡斗


「それはなんですの?水筒ですの?」

メイサが配膳をしながら聞いてくる。

「水筒に神聖の魔石を付けたから、水を入れると浄化してくれるんだ。」

「お水をなぜいきなり?」

「今回はこの水を使って見ようかと思ってね!」

中身の水を鑑定すると


<癒しの水>

ある程度の傷・状態異常を治す事にできる水。


これで化粧水とかを作れば、とても肌にいいのではなかろうか?と叡斗がグフグフと笑う

「明日が楽しみだ!」

「そうですわね!今日は疲れましたわ・・・テントを張って中でゆっくり致しましょう!」

「そうだね!外にも出れないしカードの返却までの明日からの2日間は錬金漬けだな・・・」

「やっとダーリンと2人きり!楽しみですわ!」

テントを組み立てる叡斗に抱きつき頬にキスをするメイサ

「特訓するぞー!」

「そろそろメタスラは人型を作り出してもよさそうですわね?」

叡斗がメイサをお姫様抱っこをしてテントへ入って行く。





翌朝、マリアンヌが大量の薬草と鍋を持って部屋へやってきた

「部屋でテントかい!?呆れた子達だよ!」

「このテントが快適なんだよ。」

「そうなのかい?あたしも試してみたいねぇ!ほら!好きなだけ使いな!」

「ありがとうね婆ちゃん!」

「じゃああたしはゴーレムコアの研究に行くよ!作った物は見せるんだよぉ?ヒッヒッヒッ」

マリアンヌが部屋を出て行く

「よし!メイサ作るぞ!」

「はい!テスターでしたか?実験はお任せくださいませ!」




=====2日後=====

「はい!ダーリンサンドイッチですわ!」

「ありがと!」

メイサに出来上がった品を試して貰いながら色々と作りまくったおかげでメイサの肌と髪が艶々だ。

「今日はギルドに行く日だろぉ?その前に2日間の成果を見せておくれぇ?」

マリアンヌが部屋に入ってくる

「ん?メイサちゃん肌と髪の艶がまた良くなったんじゃないかい?」

「フフ!ダーリンのおかげですわ。」

「やっぱり女だね!婆ちゃんわかるんだねぇ。」

「何歳になっても女は女さね!早速紹介しておくれぇ?待ちきれないよぉ!」



叡斗はマリアンヌの前に瓶を4つ並べる

「まずは改良型化粧水だ!」

「これは・・・肌が蘇ったようだよ!」

手の甲に塗ったマリアンヌが驚く


「次に乳液だ!化粧水にココナッツオイルと蝋燭と蜜蝋と入れて作ったよ!」

「これが化粧水の効果を上げるって言ってた乳液かい?」

「そうだよ!」

「次のこれはなんだい?トロリとしてるね?」

「シャンプーだよ!化粧水に石鹸とオリーブオイルが入ってる、風呂の時にこれで髪を洗うんだ!」

「いい匂いだねぇ!」

「香水も入れてるからね?」

「最後の瓶はなんだい?」

「トリートメントだよ!化粧水にココナッツオイル、蜂蜜、ヨーグルトを入れてるよ?シャンプーの後に付けて10分くらい付けたままにすれば髪に艶が出るよ!」

「なんて物を作るんだろうねぇこの子は!ヒッヒッヒッ」

「婆ちゃんの分も1鍋づつ作ってるよ?」

「エイトちゃん偉い子だよぉ!今回も料金はただでいいよ!」

「恩にきるよ!」

「また儲けさせてもらっちまったねぇ!ヒッヒッヒッ」



「じゃあ婆ちゃんありがとね!」

「街を出ちまうのかい?」

「うーん・・・王国図書館には行きたいかな?」

「ならまた匿って欲しい時はおいでぇ?あたしゃもう少しは王都にいるさね!」

「わかった!婆ちゃん本当にありがとね!」

「マリン様ありがとうございました。」

叡斗が手を振り、メイサは優雅にお辞儀をして部屋から出て行く



「にしても・・・こりゃ売れるねぇ!ヒッヒッヒッ」

後日王都で化粧水・乳液・シャンプー・トリートメントが売り出され、爆発的に売れ、ポーションを追い抜き、錬金ギルドの一番の収入源になった。


「なんだい?これは!?エイトちゃんの品質に遠く及ばないじゃないか!」

錬金ギルドではマリアンヌが製造した弟子を怒る声が連日響く事になる。

錬金の材料は適当ですが、万能な魔素のおかげでちゃんとしたシャンプーやトリートメンとになってます。

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