〜36話〜国宝級アイテムの授与
本日2話投稿です。
翌朝叡斗が瞼の奥に光を感じて目覚める
「あれ?おはよう?」
メイサがニコリと微笑み
「おはようございます、ダーリンは昨日魔素切れで気絶しましたのよ?」
「そうだったのか…メイサ魔素は大丈夫なの?」
「普段から多目に頂いてるので、1日くらい大丈夫ですわよ。」
「なら良かった!次からは気をつけるよ…」
「そうする事ですわ!人の為に倒れるなんて、もう!」
「はい…」
「さ!朝食にして、ザギオンの所へ伺いましょう!」
「そうだな!」
2人は準備を済ませて部屋を出て行く
「おっちゃんおはよ!出来てる?」
あばら家に入ると珍しくザギオンがカウンターから顔を出していた
「おう!久々に贅沢なもん作れて、職人冥利に尽きるぜ!」
そう言ってカウンターの上に青白く光る銀色の盾と鞘に収まった小刀を置く
<ミスリルの盾>
流された魔力量に応じた魔法を打ち消す事が出来る。ミスリル製の盾
<オブシディアンダガー>
黒曜石で出来た小刀
「周りのミスリルは普通の倍は厚くしてるから頑丈だぞ!ダガーもちっと長くなっちまったが、黒曜石の硬さを最大限に生かせる長さにしたつもりだぜ!」
「ありがとう!本当にタダでいいのかい?」
「これでも一文字を合わせても金貨80枚は貰いすぎだよ!ガハハハ」
普段髭に覆われて見えない口を開けて笑うザギオン
「約束通り余った分はギルドに持ってったから行ってみろ!もう査定も終わってんだろ!」
「わかった!またよろしくね!」
「おう!いつでも来いや!」
ギルドに行くと建物の前でビッケが仁王立ちしていた
「デジャブか?前も同じ絵面を見た気がする…」
バッケと変わらない佇まいだ
「お!?やっと来たかぁ!これ査定額だ!」
ズッシリとした皮袋を渡してくるビッケ
「重たっ!」
「金貨500枚だ!ありがとよ!」
「え?そんなに高く売れたのか!?」
「ゴーレム産の鉱石は純度も高いし、魔力も通りやすいから最高級品なんだ!あと予想以上にコアが高く売れたから上乗せしといたぞ!」
「そりゃ良かったよ!」
「で?お前らもう出発すんのか?」
「用事も終わったし昼飯食べて出発の予定だ」
「そうか・・・まぁハルミンで会うだろうが気をつけてな!」
「なんで?会う?」
「来週ギルドマスター会議があるんでな!」
「なるほど・・・フサフサの弟会えるな!」
「見るまでは信じねぇ!信じねぇぞ!!」
「そんじゃーな!」
俯いてブツブツ言ってるビッケに手を振って宿屋へと戻る
食堂へ向かうとみんなすでにご飯を食べている所だったので、叡斗とメイサも席に着き注文する。
「昨日部屋から出てこなかったがそんなにあれが効いたのか?大丈夫か?」
「いや・・・規格外な事をしてたら夢中になってな!」
「やっぱ根に持ってんじゃねーか・・・」
「楽しみにしとけ!お前らも規格外の仲間入りさせてやる!グフフ」
「なんだよ?気になる言い方すんじゃねーよ!」
「今日の夜営を楽しみにしとけ!」
ベック以外のみんなも気になるようでちらちらとこちらを見てくるが、ご飯が運ばれてきたので、無視してメイサと食べる
カスミンを出発してメタスラの皮膜の特訓をしながら、みんなに尋ねる
「みんな『魔力操作』は進んだ?」
「大分体の中を移動させれるようになりましたよぉ?」
ターニャとマリアが頷く
「俺とリュートはレベル2になったぜ!」
「兄貴!俺とカイジンも2に上がりやした!」
「魔法職よりも前衛のが上がってるのか…意外だな!」
「恐らく詠唱などの癖が付いてないからですわね。」
「なるほど、これなら使えるかな?」
「使うだけなら使えるのではなくって?」
「ふむ・・・そこから先は各々の判断に任せるしかないか・・・」
「何の話ししてるんですかぁ?」
「夜に話すよ!」
「また夜ですかぁ・・・」
ちなみにメタスラの皮膜は今土色の歪な丸盾の形になっている。
夜営になり、メイサに料理を任せて、叡斗はみんなとメイサから少し離れた所に来ていた
「兄貴!あれでいいんでやすか?」
200m先を見ると等間隔に3本の棒が地面に刺さり、そのそれぞれの上部に果物が固定されている
「すまんな!まずはライラだ!」
「私ですかぁ?」
叡斗は弦の張ってない弓を取り出す。
「なんですかぁ?弓?」
「ライラ矢を一本くれないか?」
「はい!」
ライラから矢を受け取り弓に魔素を流すと、弓に光る弦が張られ、弓が引き締まる
「はえっ!?」
ライラが目を丸くして頓狂な声を出すが、構わずに叡斗は矢を放つと右に大きく放物線を描いて飛んで行き、200m先の果物を真横から矢が貫き、そのまま残りの2個の果物も貫いて行く。
<風の弓>
魔力の弦で打ち出す弓。装備者の魔力を使用して魔力の矢を射る事ができる。風の加護が射る矢にかかる。
「はい!ライラ!がんばって使いこなしてね?」
「え…貰っちゃっていいんですかぁ?」
「いいよ?そのために昨日部屋に篭ったんだから!」
「わーい!ありがとうございますぅ!」
「おい・・・国宝級のマジックウェポンをポンと・・・」
ベックが目が飛び出してもおかしくないくらいに、目を見開いている
「そう言うな!ベックとリュートにはこれだ!」
ミスリルの盾とオブシディアンダガーを渡す
「ミスリルのたっ…」
「黒曜石のダガーっす!!」
ベックが泡を吹いて倒れた。
「マリアにはこれだ!」
マリアに杖を渡す。
「これは・・・?」
<癒しの杖>
『神聖魔法』の効果大上昇。魔力を流すと『ヒール』『キュア』『ハイヒール』が『詠唱破棄』状態で使用できる。
「魔力を流してベックにキュアって唱えてみな?」
マリアは恐る恐ると言った様子で杖を握りベックに向ける
「キュア」
「はっ!?」
ベックが起きて、状況がわからず尻餅を付いたまま辺りを見回す
「無・・・無詠唱で・・・」
「そういう杖作ったから!ヒールとハイヒールも『詠唱破棄』できるよ!」
「ひあ!」
マリアがガタガタと震えだし、挙動不審に杖を護るように抱えだした。
「ターニャ?」
「はひ!」
「はいこれ!」
杖を差し出すとベックの後ろにターニャが逃げる
「いらないのか?」
「えと・・・えと・・・」
「もうみんな受け取ったんだ!ターニャも貰っとけ!」
「はい・・・師匠これは?」
<炎の杖>
『火魔法』の効果大上昇。魔力を流すと『ファイアーボール』『ファイアーウォール』『フレイムランス』が『詠唱破棄』状態で使用できる。
「ファイアーボールとファイアーウォールとフレイムランスを『詠唱破棄』できる杖だ!」
「ぐべっ!」
ターニャが謎の声を発して、白目を剥いて杖を落とした。
「ひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
我に返ったターニャが叫びながら、杖を拾う。
「バッポはそのマジックバッグやるよ!大事に使えよ?」
「あ・・・兄貴ぃ・・・」
暑苦しくむせび泣くバッポ
「カイジンにはこれだ!」
そう言って大地の槌を渡す
「エイト様よろしいんで?」
「俺が困ってる時は助けてくれよ?」
「エイト様が困ってる姿が想像できません!ありがとうございます!うぉぉぉ」
カイジンが男泣きする。暑苦しい
「みんな!困った時は助けてくれよ?あと今はまだ使いこなせないから前の装備の方がいいかもしれないから、その判断は各自に任せる!」
「うぇぇぇ弦がエイトさんみたいに張らないですぅ・・・」
「ミスリル・・・うへへ・・・ミスリル・・・」
「黒曜石っす・・・」
「国宝級のマジックウェポン・・・」
「師匠の手作りの杖・・・が国宝級?」
「俺のマジックバッグだぁ!」
「エイト様に認められた品・・・」
みんなが思い思いにプレゼントを喜んでくれている。
ベックは普段が冷静なだけに盾を恍惚の表情で撫でるのは気持ち悪い。
「なぁ?それで国宝級なのか?」
叡斗とメイサが作った杖が国宝級と言うみんなに疑問をぶつける叡斗
みんながキョトンと叡斗を見る
「ハハハ!もうエイトには何も言わねぇ!」
「そうっすね・・・ミノタウロスの耳に説法、兄貴に常識でやす・・・」
「なんだ?その馬の耳に念仏みたいな言葉は!?」
叡斗の言葉は再びプレゼントに熱中したみんなの耳には届かなかった。
「ご飯の支度が出来ましたわよ?あら・・・何?この気持ち悪い空間は…ダーリン2人で頂きましょう。」
「そうだな!」
プレゼントに口付けをするやつもいるし早く離れたい。
メイサが料理を用意してくれた料理を2人で食べる。
今日はポークチョップ・野菜スープ・パンだった。
「メイサの料理は美味いなぁ!」
「ダーリンの魔導具のおかげでおいしく作れますのよ。」
「俺の魔導具もメイサに使って貰えて幸運だな!」
「違いますわ!ダーリンに出会えた私が幸運ですのよ!」
離れた所でプレゼントを思い思いに愛でるメンバーを忘れて、2人いちゃいちゃと夜が更けて行く。
地面が揺れて、目が覚める叡斗とメイサ
「地震か!?」
「揺れましたわね」
テントの外に出ると、みんなも驚いて起きている
「みんな大丈夫か!?この世界も地震があるんだな・・・」
そう言うと、ドーン!という轟音と共に再び地面が揺れる
「近いぞ!」
「ダーリンあれ・・・」
「ん?」
メイサが指を差す先を見ると、カイジンが大地の槌を地面に突き刺しへたり込んでいた。
カイジンの傍へ寄って行き
「何してんの?安眠妨害ですか?」
「あ、あ・・・あの!この槌は・・・?」
しどろもどろのカイジンが言うには、朝の稽古をしていて地面に叩きつけたら地震が起こったらしい。
「そういう効果の槌だからな!」
「マジックウェポンでしたか!?」
「土属性の戦槌だからマッジクウェポンなのかな?」
「国宝級・・・いやきっと国宝の中にもこんなアイテムねぇですよ・・・」
カイジンが驚愕して言う
「ならお前も規格外の仲間入りしたんだから、秘密にしろ!」
「は、はい・・・わかりました。」
そう言ってメイサの元へ戻る。
カイジンがブツブツとエイト様だから・・・と繰り返していたが、大丈夫だろうか?
「エイトさん!この弓の弦どうやって張るんですかぁ?」
「ん?」
「何度魔力を通しても、矢を飛ばせるほど弦が張らないんですぅ・・・」
弓を受け取り、魔素を流して魔法の矢を飛ばしてみる
「何も問題無さそうだぞ?」
ライラが何か遠くを指差して、口をパクパクさせている
「い、今、今!何飛ばしたんですか?」
「ん?魔法の矢だよ?言ってなかったっけ?」
「聞いてませんよぅ!」
「とにかくだ!多分流す魔力が少なすぎるんじゃないか?」
「『魔力操作』がんばりますぅ・・・」
弓を大事そうに抱えてライラが言う
「あれ?他のみんなは?」
ライラと料理をするメイサ以外の姿が見えない。
「リーダーとターニャとマリアはあそこですよぅ!」
ライラが指を差すので見てみると、ターニャがベックにファイアーボールを打ちこみ、ベックが盾で掻き消している。
「マリアはいざという時のためにいるみたいですよぅ!」
「あいつら浮かれすぎだろ!」
「ダーリン?あちらにも変なのがいますわよ?」
メイサの視線の先を見ると、遠くに素振りするカイジンとマジックバッグに物を入れては取り出すという単調作業を繰り返すバッポとカイジンがいた。
「リュートは?」
「そこにいますよぅ?」
「えっ!?」
「メリンダ・・・ピカピカっすね・・・キレイっすよ・・・」
危ない目をして黒い刀身のダガーを磨くリュートがいた。
叡斗は身震いする
「やだ!この人達怖い!まともなの俺だけ!」
「エイトさんが一番まともじゃないですよぅ・・・」
ライラの冷たい視線が突き刺さる
「それで?明日の夜には王都だけど、ドラゴンアイズはどうすんの?」
「私達は・・・少しゆっくりして各々特訓ですかねぇ?新しい武器に慣れないと駄目ですしぃ!」
「そうか・・・頑張れよ?」
「それまでにメイサさん抜きで私の初めてを奪ってくれたら言う事ないんですけどねぇ?」
ライラが体を摺り寄せてくる
「私のお勉強のために許可したのです!このビッチエルフが!」
「え?ライラ初めてなの!?」
「ダーリン!初めてならここにもいます!あんなのに興奮なさらないで下さい!」
「わかったわかった!朝食にしよう!」
「何がわかったんですかぁ!?」
「ダーリン!適当に流さないでくださいまし!」
美女に両側から揺さぶられ、ちょっぴり幸せな叡斗だった。
ゴーレムコアが計で金貨80枚の上乗せ、ミスリル約60kgで金貨300枚、黒曜石約60kgで金貨120枚、で500枚。という適当な設定でやらせて頂いてます。




