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~33話~生まれ変わる剣と死んでいる毛根

メイサに連れられカスミンの街の図書館にやってきた

「普通に図書館だな…」

「?図書館は特別な所なのですか?」

「いや…俺の元の世界と変わらないなと思って」



外観は街に馴染んだ普通の建物だったのに、中に入ると、日本の図書館と比べて違和感が無い、事に違和感が生まれるくらいであった。

召喚人の影響ってすごいんだなと思わず感心してしまう。




「ダーリン?無理なさらずに飽きたら言ってくださいね?」

「俺も調べたい事があるからメイサこそ終わったら教えてね?」

「わかりましたわ!」

図書館はギルドカード、身分証を見せれば銀貨1枚で入館できて、日没の閉館まで居ていいそうだ。

本の貸し出しはしていない。



感心している間にメイサは本を探しに行ったので俺も目当ての本を探す。

本には見たこともない文字が並んでいるが、頭に日本語が流れてくる、召喚人の特殊スキルなのだろうか?

色々な魔法やスキルに関する本を探しては読む。

メイサを見ると、恐ろしい速度で本を速読している、あれで頭に入ってると言うのだから不思議だ。

本を熟読する叡斗、と本をパラパラと捲っては本棚を往復するメイサ




「ダーリン?」

本に熱中する叡斗

「ダーリン?」

メイサが肩を揺すると、叡斗は我に返る

「どした?」

「閉館ですわ。」

「もうそんな時間か!もしかして待たせたか?」

「いえ私も先程まで本を読んでいましたわ。」

「ならよかった!昼飯も食べずに熱中しちゃったな・・・晩御飯食べて帰ろうか!」

「はい!本を戻すのお手伝いしますわ!」

上機嫌で叡斗の倍以上のスピードで本を本棚へと戻していくメイサ

「大体の場所は覚えていますので!」

胸を張るメイサ、彼女の頭はどうなってるのだろうか?





「途中でおいしそうな御飯屋さんがあったのでそこへ行きませんか?」

図書館を出てメイサが言う

「じゃあそこにしようか!」

メイサに手を引っ張られ街へと進む2人



連れて行かれたのは、高級そうなレストランだった

「ドレスコードとか大丈夫かな?」

思わず呟く叡斗

「ドレスコードとは何ですの?」

キョトンとするメイサ

「まぁいっか!入ってみよう!」


レストランに入り客を見ると案の定、男性は中世の貴族のような服装かスーツで女性はドレスを着ていた。

明らかに今までに入ってきた店とは雰囲気が違う。

ウェイターが訝しげに叡斗とメイサを見て、

「いらっしゃいませ、失礼ですが身分証を拝見させて頂けますか?」

「ギルドカードでいいのかな?」

ギルドカードを見せると、ウェイターの態度が変わり

「Sランク冒険者様で御座いますか!どうぞこちらへ!」

ウェイターが驚き、個室へと案内された・・・Sランクってすごいんだな。




案内されるままにメイサと対面して着席すると何も注文してないのにお酒が運ばれて来る

「メイサ、多分食前酒だ!ゆっくり飲む酒だぞ?…多分」

おぼろげな知識で言う叡斗、だがすでにメイサは一息で飲みおかわりを頼んでいた。



「フォークやナイフがいっぱい並んでますわね・・・」

「えーと、外側から料理が運ばれてくるごとに順番に使うんだ!」

「これが貴族の御飯なのですね?」

「多分そうだ!」


まずは前菜が運ばれてくる

「サラダですわ!私はお酒のおあてが欲しいのに!」

「メイサ!レストランのコース料理はこういう物だ!」

「貴族の御飯は面倒ですのね・・・」

そう言って食べるメイサ、酒はすでに何杯目だろう?



その後のスープ・魚料理・肉料理と運ばれてくる。

メイサは魚料理や肉料理でウェイターに料理の質問をしていた、今度この料理が食卓に並ぶと思うと楽しみだ。

是非とも堅苦しくない食事で頂きたい。

最後のデザートを食べ料金を払い、メイサと店を出る。

2人で金貨1枚、中々の贅沢だ、外に出ると日はすっかり暮れ、メイサと部屋に戻り風呂に入るために転移する。



いつもどおりに叡斗が大の字でメイサは股の間で風呂に入ってると

「ダーリン?今日は何か収穫がありましたの?」

「スキルの可能性を色々と」

「例えば?」

「例えばか・・・これは可能性じゃないかな?」

叡斗はお風呂のお湯に手を入れ、集中してから手を持ち上げると、湯船の形を保ったままお湯だけが手の動きに合わせて少しだけ持ち上がる


「な・・・」

言葉を失うメイサ

「『錬金術』で魔素を通して『水魔法』で纏めてみたよ?」

そう言ってお湯を元へ戻す叡斗

「あとは『闇魔法』の可能性がすごいね光もすごいけど!」

「今のよりもすごいんですの?」

メイサが水飛沫を上げながら振り向く

「フフフ俺はすごいんだぞ!」

そう言ってメイサの胸を揉む叡斗


「ダーリン!すごいのはわかってますから、おやめになって!」

「よいではないか!グフフフフ」

結局いちゃいちゃするバカップルであった。



イチャイチャと2日経ち、今日はザギオンらしき人がいたあばら家へと来ていた。

「こんちわー!」

そう言って叡斗があばら家に入るが返事が無い。

店の奥に入ると鉄を叩く音が聞こえる


「おっちゃん?」

「おぉ!お前さんか!もう3日たったのか!?」

「3日後の朝だよ!」

「もう少し待っとれぃ!もう出来上がるでな!」

槌を燃える金属に振りながら答えるおっちゃん

叡斗は不思議と魅入ってしまいそのまま眺めてしまう。

メイサはその魅入った叡斗を慈しむように隣で眺めている。




「出来た!」

そう言って怪しく金色に光る刀を掲げるおっちゃんは叡斗とメイサに気付いて

「なんじゃ?おったんか?」

「なんかおっちゃんが格好良くて魅入っちゃってたよ」

「ふん!そんな事言っても料金は安くならんぞ!」

「そんなつもりで言ってないよ!仕事姿と刀を見たから仕事は信用してるよ?」

「ヒト族の若造が生意気言うな!裏に来い試し切りするぞ!」


そう言ってズンズンと歩いて行くおっちゃん

急いで付いて行く2人


着いて行くと10m四方の庭に出る

「これ持ってかまえてみろ!」

そう言って1mくらいの長さの怪しく金色に光る刀を差し出すおっちゃん

「結構長いんだな・・・」

「お前さんの身長に合わせてな、刃渡り2尺7寸、柄も合わせて3尺5寸にしたぞ!」

「ちんぷんかんぷんだぜ!何を斬るの?」

「これだ!」

おっちゃんはポンポンと庭の隅にあった、高さ2mの大岩を叩く

「岩だぞ?」

「これを斬って刃こぼれする様な柔な剣は作ってねぇ!」

自信満々のおっちゃんに押し切られ、叡斗は集中力を高める意味も込めて刀を構えて演舞をする


「ほう?久々に見る目を誤ったかもな?」

とおっちゃんが呟く


「はあっ!」

と叡斗は演舞の流れで大岩を一文字に切りつける


「ん?何も変わりがありませんわよ?」

「うんにゃ?これを見てみろ!」

そう言っておっちゃんが岩の頭を押すと、岩が横にズレる

「どうだ?どの剣は?」

「手に馴染むよ!ありがとなおっちゃん!」



「これの銘はなんだ?」

「決めてねぇよ!お前が決めてしまえ!ガハハハ」

「おっちゃんに決めてほしいんだ!」

「なら一文字だな!オリハルコン刀一文字だ!」

「おっちゃんが決めた名前なら文句は無い!一文字か!いい名前だ!」

叡斗は一文字を掲げて仰ぎ見る


「鞘も作ってあるぞ!これだ!」

そう言って刀の形に曲線を描いた真っ黒な鞘を差し出す

「格好いいじゃん!」

叡斗は一文字を鞘に仕舞い、腰に差す



「で?おっちゃんいくらだ?」

「お前の腕が(なまく)らだったぼったくろうと思ってたが、金貨120枚でいいぞ!」

「それはおっちゃんの技術料入ってるのか?」

「はっはっはっ!原価だけだよ!炉の改良ってのは金がかかんだ!」

店の入口に戻り叡斗はカウンターに金貨を10枚重ね20列積む

「おい!俺は120枚でいいっつったんだぞ??」

「少ないかもしれないが、技術料だよ?あと後々おっちゃんに頼むかもしれないから、これなら断われないだろ?」

「はっはっはっ!本当におもしれぇヒト族だ!気に入った!」

「おっちゃんに気に入られてもなぁ・・・」

「何か作って欲しいもんがあったらいいな!お前さんが言うんなら何でも作ってやらぁ!」

叡斗はニヤッとして

「その言葉後悔すんなよ?」

「俺はザギオンだ!おっちゃんじゃねぇぞ!?」

「ザギオンだな!やっと名乗ってくれたな!」

「俺はやりたいやつの仕事以外受けねえし、名前も教えねぇからな!」

「ザギオンいい刀をありがとな!」

「おう!あと手入れだ!この砥石を使いな!無くすなよ?オリハルコンも研げる砥石だ金より高いぞ!」


ザギオンに丁寧に日本刀の手入れの方法を教えてもらい、ビッケの元へ行き、改めてゴーレム退治の依頼を受ける。



「あれ?もう日暮れ?」

ギルドから出ると夕暮れだった

「ダーリンもザギオンさんも熱中してらしたから・・・」

「今日も昼飯抜きだったのか!?」

「刀を打ち終わったのがお昼過ぎでしたから」

「そんなに長い時間見てたの?ごめんね」

「いえ、私もダーリンに見惚れて時間を忘れていましたの!」

「メイサは本当に可愛いな・・・今日も宿に戻る前にどこかの店に入って御飯を食べて帰ろうか!」

「はい!昨日は堅苦しいお店でしたが、今日はもっと気軽に入れるお店を見つけましたわ!」

メイサに手を引かれ、店へと向かう叡斗



メイサにれていかれたのは、一軒の大衆酒場だった

「今日はなんとも大衆的な店だな」

「昨日の反省点を踏まえて選びましたわ!」

「とりあえず入ろっか?」

店に一歩入ると鉱山夫だろうか?喧騒が無くなり、メイサに視線が集まるが、この状況に慣れた二人は空いてる席に座り注文をしていると

「おいにーちゃん!この店はポークチョップとバクダンがお勧めだぜ!」

「ちげーねぇ!ここのポークチョップだけは絶品だ!」



「じゃあそのお勧めのポークチョップの定食とバクダンを2人前」

と注文する。


「にーちゃん若いのに聞き分けがいいじゃねぇか!感心だぁ!」

人の良さそうな炭鉱夫達が快活に笑う

その後当たり前のように店を巻き込んだ宴会が始まり


「あん?兄ちゃんあのゴーレムの鉱山に行くのか!?」

「兄ちゃん命知らずだねぇ!」

「Sランク冒険者だって!?」

「あそこの鉱山はこうなって・・・ここにミスリルゴーレムがいるって話だぜ」


ポークチョップはケチャップソースが程よい酸味でおいしく、バクダンも今まで飲んだバクダンの中でも群を抜いて飲みやすかった。

そして鉱山夫達は気のいい人達で、いい鉱床だったようでみんな昔はゴーレム鉱山で働いていたらしく、明日の鉱山の詳しい話も聞けて僥倖であった。


「ギョーレミュこうじゃんれすって?ダーリンにょてきじぇはありましぇん!」(訳:ゴーレム鉱山ですって?ダーリンの敵ではありません!)

鉱山夫のおごりで飲まされたメイサがベロベロになった。


「親父!こんなかわいい姉ちゃんを連れてきてくれた兄ちゃんに一杯だ!」

「俺を巻き込むなぁぁぁぁ!」

みんなが酔って怪しい色気を発しながら潰れて寝ているメイサを見て、観賞代だと言わんばかりにバクダンを頼み、飲まされる叡斗




数時間後、メイサをおぶった叡斗が、宿へと千鳥足で街を歩いて行く。



「おはようメイサ、どうしたの?」

朝起きると悔しそうな顔をしたメイサがいた

「昨夜私はどうなりましたの?」

「昨日はおっちゃん達に飲まされて店で潰れて寝たよ?」

「では…その…帰ってからは……」

「昨日は久々に普通に寝たよ」


メイサはホッと一息吐いて

「よかった!また記憶がないままに致したのかと・・・」

「まぁたまには、我慢せずに飲むのもいいんじゃないか?」

「それはそうでしょうが、記憶が無いと言うのは損した気持ちですわね!」

「その分飲んでる時は楽しそうだしいいんじゃない?」

「楽しいですけど・・・」

「さ!朝食食べてゴーレム退治だ!」

「はい!」


準備を済ませ朝食を食べて宿から出ると

「なんで君たちいるの?」

ドラゴンアイズとバッポとカイジンが準備万端と言った様子で待っていた

「ビッケギルドマスターから付いて行ってやれと言われたんだが・・・」

ベックが答える


「あのハゲ!バッケと同じような事しやがってうぜぇ!」

「ハゲではない!剃っとるんだ!!」

メンバーの奥を見るとビッケが歩いてきている


「おいハゲ!もうお前にはバッケみたいに毛根再生してやらんからな!」

「何?どういう意味だ???」

「バッケは今フサフサだ」

「なんだとぉぉぉぉぉぉぉ!????」

ビッケが腰を抜かして驚く


「バッケギルドマスターいつの間にか赤髪の坊主頭になってましたねぇ・・・あれエイトさんがやったんですか?」

「まぁな!」

「赤髪だとなぜ知っている!?あいつの毛根は全て無くなってるから誰も知らないはずだぞ!?」

「だから俺が再生させたって言ってるだろハゲ!」

ビッケは狼狽しすぎて声が届かない



「嘘だ!兄よりフサフサな弟なんざいる訳がねぇ!!」

「どこにでもいるよハゲ!」

「これは剃ってるんだ!剃らなきゃ俺もフサフサなんだ!!」

「諦めろ!お前の毛根はもう…死んでいる!」

両手で耳を塞ぎ、声にならない奇声を上げながらハゲが走り去って行く。



大きな溜息を吐き

「ビッケは諦めた!お前ら何かあっても自己責任だからな?」

「おう!宜しく頼むぜ!」

ベックが代表して答え後ろでみんなが鼻息を荒くしている



「兄貴の足を引っ張らないようにがんばりやす!」

「ゴーレムなら俺の戦槌が火を噴くぜ!」

「お前らは暑苦しいから待機で。」

「兄貴ぃ・・・」

「エイト様ぁ・・・」

捨てられた子犬の様な目で見つめてくる

「うぜぇ!死ぬなよ!?」

「へい!」

「はい!」


「さぁ!皆さんダーリンの足手纏いにならぬよう頑張りなさい!」

「じゃあ出発だ!」

「「「「「「「おう!」」」」」」」


ビッケの毛根は絶対に治さないと心に決め出発する叡斗であった。

「ダーリン、バッケの毛根も治す必要なかったのでは?」

「ノリで治しちゃった!テヘ」

叡斗はペロリと舌を出して言う

「か・・・かわいいですわね・・・」

「これが俺の世界での最強技、テヘペロだ!」

「なるほど!」

一生懸命にメモをするメイサ



「気合が削がれますぅ!」

「兄貴…俺も彼女欲しいなぁ・・・」

気合の入りきらない一行が鉱山へ向かって進む

2尺7寸約103cm・3尺5寸約133cm、もし間違ってたら御指摘お願いします。

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