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~27話~迷いの森のダンジョン

アーチを通り抜けると・・・

「ジャングル!?」

「ジャングルですわね、感知にも反応がありますわ!」

目の前には原生林が広がり、木からは蔦や蔓がぶら下り、足元は膝上まで伸びる草・・・ジャングルだった。


「メイサこの草で足切らないように気をつけてね!」

外套から生足が見え、風の靴という名のミュールを履いている


「『結界魔法』を使ってますので大丈夫ですわ!」

「そうか、なら安心だ。にしても・・・進めないな・・・」

「ダーリン任せて!」

メイサが手を一振りすると、足元から前方10mくらいまでの雑草が切り刻まれ風に乗って飛んでいく。


「すげー!」

「木が邪魔で全然ですわね!ダーリンももうこれくらい出来ますわよ?」

「本当!?」

「では雑草処理はダーリンにお願いしましょうかしら?」

口に片手をあてウフフと笑うメイサ



叡斗はメイサの真似をして、『風魔法』を発動し、体の中の風の魔素を右手に集めて、先程のメイサの魔法をイメージしながら腕を振る。


豪っ!突風が吹き目の前の木が裸になり、50m程先までの草・蔦・蔓が真空波でバラバラになりながら全て飛んでいった。



「あれ?そんな魔素使ってないよ・・・?」

「それだけ今まで無駄に魔素を消費してたと言う事ですわ!」

「『魔力操作』すげー!」

「意識しなくても操作できるようになれば、まだまだダーリンは強くなりますわよ?」

「次のステップに進むのが楽しみだな!」

「丁度魔物ですわね!ダーリン?次のステップご覧なさい!」

そういってメイサは、腰布に差していた杖を取り出す。

メドゥーサの杖、直径3cm程の太さで長さ50cm程、先端に蛇の頭が宝玉を咥えているデザインの杖だ。



メイサが前方の木へと歩を進めると木の枝が動き出し、メイサに枝が鞭のようにしなり向かっていく、メイサは枝を避け杖を振ると、枝がスパッと切れる、そのままの勢いに前後左右からの枝の攻撃を避けて行き、木の幹に向かって杖を振ると木が上下に別れ、枝の動きが止まり光の粒子へと変わっていく。


「今のは?」

「こいつはトレントですわね。」

「違う!杖なのになんで斬れるの?」

「これは風の魔素を纏わせて、斬りましたのよ?」

「魔法剣?」

「魔法剣ではありませんわよ。」

「あとなんで後ろの攻撃を見ずに避けれんの?」

「感知系のスキルの応用ですわ?」

「応用?」

「『魔力操作』を使って、感知の精度を上げると見えますのよ?」

「マジか!どれくらい?」

「私は自分を中心に15mを認識するのが限界ですわね。」

「15mってすごいな!」

「ダーリンもすぐにできますわ。さぁ進みましょう!」

ドロップアイテムを拾い、叡斗が雑草を刈り、メイサは魔物を狩り進んでいく。






「この階広くね?昼ご飯にしようよー」

「無駄に広いですわね・・・あそこが少し開けてていいかもしれませんね」

そう言ってジャングルの中に約10m四方木が生えていない空間を指差し歩を進める

「メイサ待て!」

「なんですの?ダーリィッッ!?」

落とし穴がありメイサが視界から消える


「メイサァ!」

落とし穴に落ちるメイサに叡斗が飛び込み、ギリギリでメイサの手を握り、引き上げる。

穴の底には、何やら液体が溜まっており、土や草が落ちて煙をあげて溶けている。


「ダーリンごめんなさい・・・」

「『危険感知』が発動したみたいだ、始めて発動したから何のスキルかわかんなくて反応が遅れた、ごめんな。」

「これ『罠察知』ではわかりませんの?」

「反応がない、多分ただの穴が自然に塞がった、自然の罠だからかな?」

「厄介ですわね。」

嫌そうに顔を顰めるメイサ



「とりあえずご飯にしようか?」

「そうですわね!」

いつも通りに台を作りメイサの指示で料理道具と材料を出す叡斗。


「ダーリン、私の『結界魔法』覚えてますわよね?使って頂けます?」


メイサの『結界魔法』を見ているので、『盗神の目(トリックスター)』で覚えている

「へい!結界!」

叡斗を中心に半径5mほどの半透明の膜が広がって行く

「これが結界かぁ!テントに応用できるかな?」

「いいですわね!カオリンに戻ったら作るのもいいですわね!」

「そうだな!料理手伝うことあるか?」

「ダーリンはゆっくりしてらして結構ですわよ!」




メイサが作ってくれたのは、ビッグホーンの肉で作ったビーフシチューだった、ビーフシチューに舌鼓を打ちつつ、今頃ドラゴンアイズ達とバッポは何を食べてるんだろう?っと思うと少し可哀想だな・・・





それから3時間程進み

「ダーリン!あそこ!」

「階段か!?」

メイサの指の先を見ると、入口と同じように木の根のアーチがあった。



「注意して進むぞ!」

「はい!」

ここに来るまでに更に3箇所、自然に出来た落とし穴があり、叡斗の『危険感知』がなければ、死んでもおかしくないような、いやらしい場所にあった。





「木の中って感じだな」

アーチをくぐると上りの螺旋階段になっており、登りきると、木をくりぬいたような廊下に出た。

「木の匂いが落ち着きますわね、ダーリン暗いので『光魔法』使って頂けます?」

「わかった!」

『光魔法』を発動しようとすると

「とっても弱めでお願い致しますわ!」

「わ・・・わかった」

発動できるギリギリの魔素量で発動する・・・ランプくらいの光量の光の球が出る

「気持ち足してくださる?」

気持ち・・・ほんの気持ち光の魔素を光の球に送る、蛍光灯くらいの光量になる

「ダーリン『魔力操作』大分慣れましたわね、短期間ですごいですわ」

優しく微笑むメイサ

「メイサのおかげだよ・・・」

真っ直ぐ褒められて照れる叡斗




「あ!」

「どうしましたの?」

「メイサに『光魔法』って言われたから発動したけど、魔導具あるよ!」

そういってランプを取り出す

「そう言うことは早くお言いっ!」

「はい・・・これ作ったの褒めてよ・・・」

「さすがダーリンですわっ!」

そう言いながらメイサが叡斗の頭を撫でる


「えへへ・・・」

30のおっさんが子供のように喜ぶ



ランプを発動させると、本来火が灯る部分に光の魔石が設置してあり、魔石が光る、これもランプの下部についてるツマミで光量と調整できる一品だ。




叡斗とメイサは注意深く進む

「何もないね・・・」

「探知も反応無しですわね・・・」

「とりあえずもう17時だし1時間進んで何もなかったら、キャンプする?」

「そうですわね・・・奥が明るいですわよ!」

「え?暗いよ?」

「あ!『熱感知』で明るく見えるのですわ!」


叡斗も『熱感知』を発動させる

「本当だ!明るい!」

「何かあるかもしれないですわね!」


熱源へ進んでいくと、20mほどの円形の空間に出た、不思議な事に通路は真っ暗なのに、この部屋の中だけ明るく光は通路に一切漏れていない。

廊下と円形の境目、明と暗がはっきり分かれた不思議な空間を覚えながら部屋に足を踏み入れる、と部屋中に光の粒子が集まりだす

「ちっ!モンスターハウスかよ!」

「恐らく木と虫の魔物ですわ!ダーリン結界を張るので、火で焼き払って下さいまし!」

「わかった!」


叡斗は京平との修行中に自分の放った『火魔法』の余波で死に掛けたことがあり、それから『火魔法』を戦闘では使わないようにしていたのだが、メイサの結界を信じて即座に魔法を放つ

「ファイアーウォール!」

叡斗とメイサの周りに天井まで届きそうな火の壁が現れるが結界のおかげで熱さはない、叡斗が前に突き出した手を横へ広げると炎の壁が円形に広がってゆき、炎が通り過ぎると光の粒子が消えて行く。




火が部屋の端まで行き、消えると大量のドロップアイテムを残して魔物は全滅していた。

「さすがダーリンですわ!」

「ふーっ!久々に『火魔法』使ったな。」

「『魔力操作』を極めれば、結界なんかに頼らなくても巻き込まれなくなりますわ!」

「『魔力操作』万能すぎない!??」

「何事も基礎が大事という事ですわ、さ!野営に致しましょう!」




久々に2人だけでの、野営でメイサは幸せそうにワインを飲み・・・飲みすぎた。

「だりん!おふりょ!おふりょひゃいりまひょう!」(訳:ダーリン!お風呂!お風呂入りましょう!)

「ダンジョンの中でべろべろになるまで飲むなよ!」

「ふぃしゃぶぃしゃにふちゃりにゃにょでしゅきゃら!」(訳:久々に2人なのですから!)

「今風呂入ったら溺れるぞ・・・今日はもう寝るぞ!」

メイサをお姫様抱っこする叡斗

「わらふひはおふりょにぃぃぃぃ!」(訳:私はお風呂にぃぃぃぃ!)

メイサは全身を使って、子供の用にばたばたと抵抗する


「明日の朝入ろうな?」

「やひゅほふでしゅわよ!」(訳:約束ですわよ!)

「はいはい!おやすみ!」

「おやしゅみにゃしゃい」(訳:おやすみなさい)

メイサがいつも通りに叡斗の首に手を回し、キスをする。



酔ってると魔素の吸い取りが強引なんだよな・・・今日こそは意識がなくなるまでにお胸を触る!お胸を!・・・柔らかっ・・・胸触っても魔素抜けるのかよ・・・






「ダーリン!?・・・ダーリン!?」

叡斗が意識を取り戻すと、顔を真っ赤にしたメイサがいた

「どしたの?」

「こっこっこっ!!この手は何でしょうか?」

「この手?柔らかい物があるね・・・お胸だ!」

叡斗の手が隣で、叡斗の首に手を回しているメイサの胸をがっしりと掴んでいた、お互いにあのあと意識を失った結果である。


「酔っ払った私をテントに連れ込んで何をされているのですか!?」

「迷惑受けてんのこっちだよぉぉぉ!これくらいいいじゃんよぉぉぉ?」

「ダーリンいつまで、揉んでらっしゃるんですか?」

この間揉みっぱなしの叡斗に青筋を立てるメイサ


「や、約束のお風呂入ろっか?」

「そ、そうですわね・・・約束したかは知りませんがお風呂は頂きたいですわね。」


テントの外に出ると20本程の酒瓶が辺りに散らかり、酒の匂いが20mの円形の部屋に充満していた。

「なっ!なんですの!これは!??ダーリン!?」

「お前がダーリンと2人っきりですわーって飲んだんだろっ!」

「え?2本飲んだ所からよく覚えてませんわね・・・」

「それで、お前がベロンベロンの状態でお風呂言い出すから、危ないから明日ねってテントで寝たんだよ!」

「そうでしたの・・・ダーリン!」

「ん?」


メイサは胸の布を取って、胸を突き出す

Eカップくらいだろうか?重力に負ける事なく上を向く玉のようなおっぱいが叡斗の目の前に突き出される。


「揉みたいのでしょう!?さぁ好きなだけお揉みなさい!昨夜のお詫びですわ!」

耳まで真っ赤なメイサ

「揉めと言われてこの状況で揉むのは違うと思うな・・・お風呂入るぞ!」

メイサのおっぱいは魅力的だし、俺はおっぱい星人だが、この状況で揉むのは違う・・・楽しくないだろうし




風呂に入り、酒瓶を片付けて真っ暗な通路へと進んでいく

「ダーリン?」

「どした?」

「あの・・・手を・・・」

「どした?急に?」

いつもなら、勝手に指を絡ませてくるのに


「手を繋ぎたいです・・・」

上目遣いで言ってくるメイサ、叡斗は手を繋ぎ

「怒ってないよ?」

「本当ですか?」

「しつこいな!怒ってないよ!」

「じゃあ・・・ダー・・・」

辺りが突然明るくなり、そこは部屋だった。そして光の粒子が集まりだす、モンスターハウスだ。


叡斗はいきなり明るくなり驚き、メイサは両手に拳を作って震えている

「このっっっ!!虫けら共がぁ!!人の恋路を邪魔しないで頂きたいですわ!」

そう言って青筋を立てたメイサがチョーカーを取る。

「メイサさん?」

「貴様ら邪魔ですわ!!!」

光が収束し、魔物が現れると同時に石化し、光の粒子に変わってゆく

「メイサさん?」

部屋の中の魔物を全て石化してチョーカーを着けるメイサ

「ダーリン!全部片付けましたわ!褒めてください!」

「・・・さ、さすがメイサだね」

叡斗がメイサの頭を撫でると、メイサがキスをする


「さ!アイテムを拾って次へ進みましょう!」

機嫌が戻って笑顔になったし、もういいや!と肩を竦めて一緒にアイテムを拾う叡斗




「さぁ!先へ進みましょうか!」

そう言って、指を絡めてくるメイサ・・・女心と秋の空とはこの事か・・・


モンスターハウスを抜けて、真っ暗な直線の通路を10分も進まないうちに根っこのアーチを発見し、くぐり螺旋階段を上ると



「おう!おう!おう!よく来たな!おめーら!」

「勇ましいわ、あなた!」


叡斗とメイサは50mはあろうかという広い部屋に出る、真ん中にトレント?の魔族と全身緑色のキレイな女性が立っていた。

トレントは高さが10mはあり、50mくらいある部屋でも狭そうだ。


「エルダートレントとドライアドですわね?」

「なんだぁ?おめーヒト族じゃねぇな?まぁよく来た!歓迎してやるぜぇ!」

「さすがはあなた!よく見破ったわ!」

臨戦態勢という事なのだろう、トレントの枝がザワザワとしなって、動き始める。


「ダーリン?エルダートレントの枝をお見せしてくださる?」

「あ?あぁ・・・」

叡斗は空納からエルダートレントの幹・・・じゃなくて枝を取り出す



「ん?その魔力は親父の枝じゃねぇか?」

「さすがあなた!御義父様(おとうさま)の枝よ!」

「あなたの事を頼むと言われて伺いましたの、お話よろしいかしら?」

「親父が頼むだとぅ!!??」

御義父様(おとうさま)の事だから考えがあるのよあなた!」

「これからはダンジョンにヒトが来るようになるはずですわ、そこで相談がございますの」

「おうおうおうおうおう!!これからはヒトが来るようになるのか!?」

「私達の努力が報われたのよ!さすがあなたの作戦だわ!」

「それで・・・私、元ダンジョンマスターから言わせれば、このダンジョンはダメね!あとダーリンの作戦ですわ!」


そう言って人化を解きメドゥーサになるメイサ。

「ギャアァァァメドゥーサァァァ石化しまうよぅ!」

「まだしてないわ!あなたの力でレジストしてるのよ!さすがあなた!!」







なんだろう・・・この2人と話す気になれないからメイサに任せよう。

そう思う叡斗であった。

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