あとがきと御礼
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アルスのえげつない実験記録、そしてそれに振り回されながらも成長していくベリルの姿を、最後まで見届けていただき本当にありがとうございました!
実は、私の人生で「長編」と呼べるボリュームの物語を最後まで書ききったのは、この作品が初めての経験でした。無事に完結を迎えられたのも、ひとえに読んでくださった皆様のおかげです。
なぜ「感情の解剖」なんていう少し狂気的なテーマになったのか…。構想の初期段階では、実はよくある「追放もの」を書こうと思っていたんです。でも、いざ書き始めてみると、主人公であるアルス自身が「もっと実験したい」「人間の感情を解き明かしたい」と主張し始めて、気がつけばこのような物語へと変貌していました。
でも正直に言うと、この物語を書いている時間はとても楽しいものでした。私自身、某“純愛の皮を被った狂気のゲーム”の脚本家さんの大ファンということもあり、アルスのように理屈っぽくて、己の知的好奇心を満たすためにどこまでも残酷になれるキャラクターを描くのが大好きだったからです。
一方で、執筆中は長編ならではの壁にもぶつかりました。キャラクターが意志を持って勝手に動き出すという、長編を書かれたことがある方なら一度は経験するであろう”あの”現象です。作者が想定していたレールから外れていく彼らをまとめるのは難しく…。特に、アルスとは対照的に「人間らしい感情」を色濃く持つベリルの動かし方には一番頭を悩ませました。時には、私の専属編集者(妻)から「ここのベリルはこうじゃない!」と鋭い指摘やダメ出しをもらいながら、なんとか形にしていった部分もあります。
ですがその苦労の分だけ、ベリルは私にとって非常に思い入れの深い、お気に入りのキャラクターになりました。この世界の中で、読者の皆様にとっても感情移入しやすく、一番近くに寄り添える存在として描けていたなら嬉しいです。
アルスとベリルの物語はここで一度幕を下ろしますが、別作品の全年齢向けハイファンタジー「箱庭少女のロジック」では、コータやニーナたちの冒険はまだまだ続いていきます。さらに、新しいホラーのアイデアも少しずつ固まりつつあります。もしこの作品のテイストを気に入っていただけたなら、ぜひ次回作や別作品でもお会いできれば幸いです。
【追記】
観測者アルスは解き明かしたいのサイドストーリー『未亡人ベリルは守り抜きたい』を執筆いたしました。
https://ncode.syosetu.com/n3485mb/116/
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