解明編 ③
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馬車を降りた私たちが足を踏み入れたのは、賑やかで活気あふれる王都の城下町だった。
「凄い…!こんなに人がたくさんいるのですね」
「復興は着々と進んでいる様子だね。あの時の混乱など嘘のようだ」
大通りには煌びやかな露店が立ち並び、人々の明るい笑い声がそこかしこから聞こえてくる。
「お母様、お父様、あれを見て!食べ物かな?」
初めて見る鮮やかな異国の装飾や屋台の数々に、エマは目を輝かせてはしゃいでいる。
「エマ、迷子にならないでくれよ」
アルス様はそんなエマの後ろを、ただ静かに、見守る保護者のようにゆっくりと歩きながら付いてゆく。あちらの通りで甘いお菓子を買い、こちらの広場で珍しい民芸品を眺め。
その日の王都観光は、本当に、息をするのも忘れるくらいとても楽しかった。
初めて触れる異国の文化。嗅いだことのないスパイスの香る食べ物。…でも、何といっても私を一番幸せな気分にさせたのは、『家族みんなでこうして並んで旅行をしている』という、ごく普通の温かい事実そのものだった。
やがて日が暮れる頃、私たちは王都で一番だという豪華な宿へと戻ってきた。
明日はアルス様の個人的な用事があるというが、それが終わった後、明後日は、また家族三人で、残りの時間を楽しく過ごせるのだ。
「…すう、すう……」
「一日中歩き回って、疲れたんだね」
広々としたベッドの上。はしゃぎ疲れたエマは、当然のようにアルス様の太ももを枕代わりにして、静かに安らかな寝息を立てていた。アルス様は、動けなくて少しだけ重たそうな顔をしながらも、決して退かすことはせず、空いた手でエマの髪を優しく撫でている。
…ああ、どうしよう。
胸の奥から湧き上がってくる幸せで、本当にどうにかなってしまいそうだ。
遠い異国で家族水入らずの旅行を楽しんでいる。神様、もしも本当に空の上にいらっしゃるのなら、どうか、この最高の幸せが、いつまでも、永遠に続きますように。
私は彼らの温かい気配を感じながら、心地よい夜の眠りへと落ちていった。
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