表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
40/53

Log:34 <SAIONJI>

Log:34 <SAIONJI>


(やっと、邪魔だった女をスラムに追放できる!)

こんなに心が軽くて、沸き立つ感情を抑えられないなんて久しぶりだった。


彼だけは、わたしを『西園寺』として見ている。

いまは私に抵抗や嫌悪感があっても、それは理解しあえば薄れていくわ。


鏡に映る華城が微笑みながら、何度も擦ったレコードのように話す。


「西園寺、今日も綺麗だね。さて、今日はいったい何をしたい?」


「......今日は、あなたの相手をしている暇はないの」


いつもより私が召使いに、髪の手入れとスキンケアを念入りにするように

命令していたので、華城はその様子を見ながら、嘲笑った。


「ああ~なるほど、分かった。君も懲りないね。

はい、これ君が欲しがっていたナズナちゃんの資料だよ」


華城は、ナズナの極秘資料を西園寺に手渡した。


「これ入手するの、すっごく大変だったんだよ?

僕の能力も一部使わなきゃいけなかったんだから......」


わたしは華城の言葉に苛立ちを隠せなかった。


「あなた......いま、何て言ったの?」


「ああ、我儘が発動しちゃう感じ?だって仕方ないじゃん。

いくら僕が世界的な有名人であっても

僕に好感がなければ、操作はできないって知っているよね?」


「あなたの『能力』は私のものよ!!勝手に使うなんて......

そんなことを許したつもりはないわ!!」


わたしは近くにあった手鏡を華城に向かって投げつけた。

鏡は、衝撃と共に大きな音を立てて割れ、華城の頬に小さな傷を作った。


「あ~~もう、僕の顔に傷をつけないで欲しいなぁ?」


華城は慣れたように、すぐに常駐している

治癒師を呼ぶと自分の頬の傷を治させた。


「ナズナちゃんに嫌がらせばかりしていると、桐生に嫌われるよ?

もっと上手にやったらいいのにね。普通の人のように愛の告白してみたらいいじゃん?」


「まぁ、君のプライドからしてそれはあり得ないよね。僕だけは

君の味方だから安心してね。僕は、絶対に君を裏切らないよ。本当だよ」


華城のうすら笑いを見て、ますます気分は悪くなる。

この男は、わたしが弱いと分かれば一番最初にナイフを突き立てる男だ。


「大きなお世話よ。あなたの相手はしていられないの。

報酬を受け取って、呼ばれるまで部屋で待機してなさい。」


「それと、次に私に無断で『能力』を使ったら、その顔の傷は治させないわよ」

華城は、わたしの召使いたちに不必要に愛想を振りまいて


部屋から出て行ったと思ったが、すぐに戻ってきた。


「ああ、ごめんごめん。忘れるところだったよ!

ナズナちゃんが落とされるスラム地区に

『カイゼン』っていうスラムの王がいるのは知ってる?」


「カイゼン? スラムの王?  あははは。笑っちゃう! スラムの王なんて

知的レベルが低いだけの飾りの王でしょ?」


「そうだね。君の言う通りだ。何も心配はいらないかもしれない

けど、一応言っておくけど、彼はずっとナズナちゃんの生存ログを探して

いたみたいだったからさぁ、念の為だよ」


華城は歪んだ笑みを浮かべて話した。


「確かに君の言う通りだったね。君はいつも正しい選択をするからね」


わたしは華城の話に出た『カイゼン』の情報をすぐに集めるように手配した。

華城は絶対に信用できない男だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ