Log:DRONE-03《ナズナ邸風呂場修繕任務》
Log:DRONE-03《ナズナ邸風呂場修繕任務》
時を遡る。これは少し前の話だ。
BD-01《アント》は無言で作業を続ける。
差し入れのオイル(5%甘味増量中)を家主から頂き
彼らは働く。
複数機は連携し、見事に補修工事を行い
無駄がない。
職人気質の荒っぽい言葉で明確な指示が飛び
その声が風呂場に響く。
<ビビビビー>
<ブルルルー>
<バババババー>
桐生が、その間に足を踏み入れた。
「お、すげぇなこれ」
一機が止まる。
すべてのBD-01が、同時に動きを止めた。
風呂場の作業音が、消える。
BD-01《アント》の頭に巻いてある
白の布が赤に変わる。
ビービービービーッ
「え? なになに!?」
桐生は慌てて、周囲を見回す。
すると背後にBD-01G《G-アント》
彼らより2倍大きいビルダーアンドロイドが、立っていた。
<作業動線侵入を確認>
<《ナズナ邸風呂場修繕任務》最重要案件>
<オイル(5%甘味増量中)作業効率上昇>
G-アントが、低い電子音で続けた。
<作業妨害行為:重大>
<対象:桐生>
<評価:要注意人物>
BD-01《アント》が、
工具を持ったまま桐生を睨むようにセンサーを光らせる。
<見学は許可されていない>
<オイル提供者=家主のみ>
<家主:ナズナ博士>
G-アントが、さらに一歩前へ。
床がわずかに揺れた。
<退避を推奨>
<作業効率:低下中>
<オイルの甘味が飛ぶ>
「手伝おうと思っただけなのに!」
桐生は、自慢する予定だった筋肉を引っ込めた。




