Log:DRONE-02《桐生保護任務》
Log:DRONE-02《桐生保護任務》
桐生は先ほどの戦闘で負傷し、
医療自動診断アームの治療を受けていた。
「SG-02《ゴリラ》。
あなたには今から、この男の監視および保護任務を与える。」
ゴリラはナズナの命令に即座に反応する。
「ビー」
桐生はウンザリした目でゴリラを睨む。
「おい相棒、俺よりもナズナの命令を聞くのかよ。
それって酷い差別じゃね?」
ゴリラの目が赤く点滅
ガシャン!
ゴリラは迷いなく、ガトリングを桐生へ向けた。
「ビー! ビー!」
「わかった!わかった! そんなにキレるなよ」
桐生はSG-02《ゴリラ》に両手をあげて降参の合図を送った。
「桐生。SG-02《ゴリラ》は、常時公平性判断アルゴリズムで稼働している。
挑発行為は非推奨だ。それは彼を侮辱するのと同じだ。」
ゴリラはわたしの言葉に喜びフワフワと、左右に動いた。
「ビビビ! ビビビー」
「……情けねぇ。お前までナズナに懐柔されてんのかよ!」
SG-02《ゴリラ》は桐生の顔を無言で見つめる。
光学センサーがわずかに細くなり、明滅した。
まるで「お前にだけは言われたくない」と言いたそうな顔だ。
わたしは自動診断アームから表示される桐生の健康情報をパッドで確認する。
「桐生。きみは進化能力のエネルギー暴走が確認されている。現在、それを投薬で
抑えているが、かなり危険な数値だ」
「……無敵というわけにもいかないからな。仕方ないさ」
桐生の青い目が、ほんの少しだけ弱々しく見えた。
「それでは困る。無敵でなくてもいい。だが怪我はするな。
最近の私は、君の死亡フラグを消すのが日常業務になっているぞ」
桐生がわたしの髪を軽く引く。
気づけば、お互いの顔がとても近かった。
「今回の件は、完全に俺のせいだ。西園寺は異常すぎる」
「……確かに彼女は目的のためなら手段や危険を恐れないらしい」
「ところで桐生。顔がとても近いのだが……これは、なんの意図だ?」
先ほどまで弱々しかったはずの桐生の目は、悪戯な目に変わっていた。
「ナズナ。そこは…雰囲気ってものがあるでしょ」
「……雰囲気」
桐生は、青い瞳でこちらを眺め、わたしの髪を指に絡めて遊んでいる。
その時、SG-02《ゴリラ》はピンク色のライトを放射状に輝かせ
ムーディーなBGMを流し始めた。
SG-02《ゴリラ》の光学センサーの横にある
RECボタンが赤く点灯している
送信先:ナズナ研究端末。
「……桐生、これはどういう了見だろうか」
「すまない。これは俺も正しい回答が知りたい」




