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異世界転移に巻き込まれた坊ちゃま好きたちによる坊ちゃまを最強に育てる異世界開拓  作者: 揚惇命
第5章 ライン諸島連合

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第五話 ローザからの提案

【ラルク視点】


 ちょうど良い洞窟を見つけたので、浮上してホプキンスたちに店を開かせる。


「急に転移させられて、今度は戻ったのかと思いましたが、ここが何処かは坊っちゃんにも分からないんですね。分かりました、店に来る客からこちらも情報を収集しますよ」


「こんなところに誰か来てくれるかも分からないけど、宜しくねホプキンス」


「お任せください」


 さて、一旦整理しよう。

 ビスマルク王国を建国して数日、プロイセン王国のゲオルク王とフランク王国の王クローヴィス王の勧めもあって、その中間にある洞窟に居を構えたまでは良かった。

 愛美の助けを求める声を聞き、突如光に包まれたら、ここに来ていた。

 ここから推測できるのは、愛美の持つギフトが転移系だろうということだ。


「坊っちゃま、少し宜しいでしょうか?」


 ん?

 あの声はローザか。

 何かあったかな。


「良いよ」


「失礼します。愛美様のことで少し」


「愛美さんのこと?」


 愛美のこと?

 ちょっと待て…ローザのギフトは鑑定…僕の正体を偶然知ってしまったなんてこと…。


「はい。単刀直入にお伺いします。愛美様は、坊っちゃまの妻だった人ですね?」


 いや本当にど直球で来た!?


「ハハハ。ローザも冗談を言うんだね。僕はまだ12歳だよ。結婚できる年齢…」


「言い方が悪かったようです。前世の妻ですね?」


 !?

 これは、鑑定というギフトはそういうことも分かってしまうということだ。

 それなら、僕を見た時に…わかりそうなものだけど…今ということは…僕の前世は隠されていたのかな?

 なのに、愛美の方で僕の前世をバラされた…その意図は?

 うーん、いまいち女神様の意図が分からない。

 鑑定というプライバシーまで晒されるギフトもあれば、ダンジョンのようにまるで魔族が持つようなギフトまである。

 これが等しく異世界から召喚された転移者に与えられている。


「沈黙ですか坊っちゃま」


「いつ、分かったの?」


「愛美様を鑑定した時です」


「僕のにはそういうことは書かれていない?」


「いえ、今は見えています」


 今は?

 ということは鑑定のようなギフトは使えば使うほど効果が強くなり、相手の弱点や弱み…例えば知られたくない事まで知られるという事かな。


「なら、隠すのは無駄だね。これだけは信じて欲しいんだけど、別に隠していたわけではないんだ。僕には前世の記憶が介在している。レスキュー隊として、火災や災害現場で働いていた倉間勇輝としての記憶が。両親に頼んで、星小学校を留学先に選んだのも一眼だけでも妻や子を見たいと思ったから…まぁ会う事すらなかったんだけどね」


「成程。それで、トリアージという言葉も知っていたんですね」


「うん。それで、ローザがそれを僕に直接言いに来たのは、嘘だらけの僕にはもう仕えられないって事かな?」


「そういう意味ではございません。ビスマルク家の使用人の多くが坊っちゃまの優しさに心を救われています。メアリーだけでなくホプキンスやこの私も。変わらず坊っちゃまに忠節を尽くします。その上で提案があったのです」


 僕に心を救われた…か。

 なら、僕が転生した意味もあるのかもしれない。


「それで提案って?」


「はい。愛美様をコアルームへと呼び、この地の話を聞くついでに己のことを明かされてはどうでしょうか?」


 それはとんでもない提案だね。


「護衛も無しに?」


「メアリーに雑務を頼み、その間の護衛は私が務めます」


 成程、全てを知るローザが側でサポートするって事ね。


「成程。鑑定というギフトで知り得た事実として、後押しするってこと?」


「はい。積もる話も…」


「ローザ…その提案だけど丁重にお断りするよ。僕は愛美に正体を明かすつもりはないからね。それに今更どのツラ下げて、君の旦那の記憶が僕に存在しているんです…なんて言える?どんな理由があろうとも僕は家族よりも他人の命を優先し、勝手に死んで家族に辛い思いをさせたクソ野郎だ」


 そう、夫としても親としても失格の僕が今更妻に君の旦那だと名乗ることも息子に君の父親なんだと名乗ることも許されるはずがない。


「ですが!」


「この話はこれで終わり…ローザもこのことを広めないように」


 ローザが他にこのことを漏らすとは思わないけど一応、この話を聞いたらローザから漏れたって判断すらからねという圧力はかけておく。


「坊っちゃま!本当にそれで良いのですか?」


「あぁ。僕に倉間勇輝の記憶が介在していることを彼女が知る必要はない。僕はこうして見守ることができるだけで十分幸せなのだから」


 そう…逢いたいとどれだけ思っても会えなかった。

 この異世界でこうして再会できて、愛美が大切に育ててきた息子共々見守ることができる。

 それだけで十分だ。


「わかりました…坊っちゃまの意思を尊重致します」


 ローザならそう言ってくれると思っていたよ。


「気を遣わせたみたいでごめんねローザ。引き続き、頼むよ」


「はい」


 愛美のために託児所を作ってあげよう。

 子供たちとここに居るのが安全だと思ってくれたら良い。

 外に出られて目の届かない範囲で何かある方が困る。

 前世は他人のために使ったこの命、今世は2人を守るために使おう。

 と簡単に割り切れない。

 僕の国に住むみんなのために使おう。

 そこに愛美と智樹が居れば最高だ。

 ここまで、お読みくださりありがとうございます。

 少しでも続きが気になると思っていただけましたら評価・良いねしてくださいますと執筆活動の励みとなりますので、宜しくお願いします。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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