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異世界転移に巻き込まれた坊ちゃま好きたちによる坊ちゃまを最強に育てる異世界開拓  作者: 揚惇命
第四章 再びフランク王国へ

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第十話 フランク王国の滅亡

【フランク王(クローヴィス)視点】


 誰だこのメイド服の女は!?

 余と妻を相手に優位に立ち回っていたクロータルの召喚したバカでかいカエルの魔物の腹を貫通する正拳突きを放つだと!?

 兵士たちの槍をも倒さず、余の魔法ですら利用し、妻の魔法を涼しい風とぐらいにしか思っていないバカでかいカエルが慌てて後退…これが余や妻のように勇者の血が混じり合った物ではなく本物の勇者の血の力か…。


「嘘!?何で、あのカエルの魔物の姿が私の可愛いクロータルに!?」


「ラーニャ!取り乱すな!」


 やはり余の恐れていたことが現実に…。

 このバカでかいカエルの魔物がどうやって内部に侵入していたのか?

 どうして、息子の部屋から現れたのか?

 考えればすぐに分かることだ。

 息子こそがこのフランク王国を壊滅させた張本人であり、魔王に魂を売った元凶だ。


「貴方はどうして、そんなに冷静なのよ!私たちの息子なのよ!すぐに取り返さないと!」


「ラーニャよ!まだわからんのか!クロータルこそがあのカエルの化け物であり、我が国民を惨殺した殺戮者だ!」


「そんなの嘘よ!きっと魔王に操られて、そうでしょ?そうだと言ってよアナタ!」


「すまない。余が勇者召喚のことできつく叱りすぎたせいだ」


「なぁなぁ、見たところアンタらの息子が魔物の正体だったみたいだけどよ。悪いことした子供を叱り付けるのが親の仕事だろ?叱り付けられて拗ねて魔王に魂売るなんざアタイから言わせりゃ救いようのないクソだね」


 緑の血で全身を染め上げたメイドに振り返りながらそう言われた。


「余所者に何がわかるのよ!勝手なこと言わないでよ!子供を育てたこともない癖に!」


「アァ?子供の育て方を間違えた毒親が何言ってんだ?甘やかすのが親の仕事じゃねぇよ!子供から目を離さず見守り、悪いことをしたら叱って、良いことしたらたくさん褒めてやる。そうやって、良いことと悪いことを教えてやるのが親の仕事だろうが!そういうことは学校教育の一環だとでも思ってんのか?アァ?」


「ひぃっ!?」


 ラーニャがメイド服の女にすごまれて一瞬で小さくなった。

 だがこのメイド服の女の言う通りかもしれん。

 学校教育という言葉は意味がわからぬがそれは勇者が召喚された世界の言葉なのだろう。

 クロータルのことを甘やかせすぎたのかも知れん。

 思えば、怒るようなこともしなかった。

 だから傲慢で尊大に育ってしまったのだろう。

 馬鹿息子の癇癪に巻き込まれて命を落とした我が国民たちに合わせる顔がないな。


「チッ。起こったことを悔いてる暇があるんならよ?やることやれよアンタ皇妃なんだろうが!まだ助けを待つ国民の声が聞こえねぇのか?それとも国民はもうどうでも良いのか?子が子なら親も親か?」


「そんなこと。い、言われなくてもわかってるわよ!」


 このメイド服の勇者は凄いな。

 ラーニャを一瞬で立ち直らせ、我らのやるべきことを成せと言ってきよる。

 確かにそうだな。

 フランク王国は跡形もなく廃墟と化したが、余たちが守るべき国民全ての命が失われたわけではない。

 息子が魔物となり償えぬ以上、その息子が起こした罪を一生かけて親として償わなければなるまい。


【フランク王妃(ラーニャ)視点】


 何よこのメイド女は!

 メイドの癖に私に意見するなんて無礼よ!

 だから、言ってやったのよ。

 余所者が意見するなって…そしたら身も凍るような声で、言い返されて肝が冷えましたわ。

 しかも、子供だけが大事で国民はどうでも良いのかですって!?

 そんなわけないじゃない!

 そんなこと、メイド女に言われなくてもわかってるわよ!

 でも、このメイド女のお陰ですごく冷静になれた。

 愛する息子が魔物になってしまった事実はもう変えられない。

 愛する息子が国民を虐殺した結果ももう変えられない。

 愛する息子が私たちの手を離れてしまったことももう変えられない。

 どうしてなのクロータル…。

 私は貴方のことを愛情を持って育ててきたのに…やはり本当の母親じゃないから?

 貴方だって、国民の命を助けたくて禁止されていた勇者召喚に縋ったんじゃないの?

 それがどうして守ろうとした国民を自らの手で殺そうとするの?

 ねぇ教えて?

 貴方はどうして魔王に魂を売ってしまったの?

 私の心の声なんて届かないと分かっていても私の心にいるクロータルに尋ねずにはいられなかった。

 答えなんて返ってこないのに…。


【メアリー視点】


 チッ。

 どうやら、この2人がこの国の最重要人物で、さっき魔法陣みたいなのに飲み込まれて消えたのがこの最重要人物の子供らしい。

 子が悪の道に走るのは、決まって家庭環境が原因だとよく言われる。

 特に最近はろくに叱れない親が多すぎんだよな。

 アタイの親も相当な毒親で、家出して旅に出て、旅先で生き倒れて坊ちゃまと出会うまでは、この拳1つでムカつく奴らを黙らせてきた。

 多くのクソ野郎を殴ってきたアタイだからこそわかる。

 殴る方も痛いんだってな。

 でも、それを子供に身を持って教えてやるのが親だろ?

 それを最近はなんだ?

 子供の喧嘩を仲裁する際に手が出てしまっただけで虐待扱いの児童相談所に通報だ?

 ろくに躾されてないガキがガキ産んで、育てられるわけねぇだろ!

 スマホに夢中で、子供から目を離す?

 ふざけんな!

 子供ってのはな!

 何にでも興味津々なんだよ!

 いなくなって後悔するぐらいなら初めから目を離すな!

 仕事の電話だ?

 出るなとは言わねぇよアタイも。

 でもな、子供と手を繋ぎながら話せ!

 それだけで、子供がいなくなる確率はだいぶ減るだろ!

 当たり前のことを当たり前にやれば良いんだ!

 それが親になるって事なんだからよ!

 ここまで、お読みくださりありがとうございます。

 少しでも続きが気になると思っていただけましたら評価・良いねしてくださいますと執筆活動の励みとなりますので、宜しくお願いします。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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