第二話 ダンジョンのお客様は王様
【ラルク視点】
ふわぁぁぁぁぁぁ〜。
子供の身で徹夜は疲れるよ〜。
「お疲れ様でした坊ちゃま」
「あぁ、気持ち良い」
「ふふっ。やはり、坊ちゃまがダンジョンと同化している間は、下半身に疲労が蓄積されるようですね。特にこことか」
「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」
ローザがいきなり僕の脹脛を揉むから変な声が出ちゃったじゃ無いか!
「こことか」
「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」
太腿はもっとダメだってば!
「ここもですね」
「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」
足の裏まで、もうやめてぇぇぇぇぇ。
「しっかりケアしておきませんと」
ローザの微笑みスマイル。
あれは心底楽しい時に出す笑みだ。
僕が痛がるのを見て喜ぶ変態執事め!
「あり得ないのです…。あり得ないのです…。人を殺すよりも料理と宿を提供する方が10倍も魔力を稼いでるなんて…。」
なんか相変わらず恐ろしいことを呟いている僕の分身ことキャロットは無視しよう…そうしよう。
フッフッフッ。
今や小さな部屋と数匹のモンスターを作るだけでカツカツだった頃が懐かしいよ。
向こうの世界では共同だった使用人部屋も一人一人に用意したし、黛先生と棚瀬先生の部屋も用意したし、なんか黛先生のことを姫と慕うリザードマンたちの待機所まで作ったもんね〜。
畑もだいぶ拡張したし、新たにうちのパティシエのミネルヴァのために果樹園を作る計画も進行中。
そうそう、牧場も建設したんだよね。
えっ?
牛はどうしたのかって?
それも、僕が作った可愛いモンスターの出番なのだ。
可愛い牛さんを描いて、普通は四つなんだけど効率のために倍の八つにして…。
何がって?
子供の僕がそんな卑猥なこと言えるわけないでしょ想像してよね!
鳥杉ユウジ先生みたいに愛嬌たっぷりで描いたら完成。
勿論、牝牛さんたちが妊娠してないと牛乳が出ないから牡牛も描いたんだけど、ミノタウロスみたいになっちゃったんだよね。
だって、大事な牛乳資源を守る存在だよ強くカッコよく描かないとダメでしょ?
で、このミノタウロスが…なんと。
「おぉ我が主よ。命を下さったこと感謝致しますぞ。牝牛どもの妊娠と警護の任務ですな。承った!」
このように何故か知性化しちゃって、会話できちゃうんだよね。
しかも、女性陣からあっちの音が五月蝿いって、防音室作らされちゃった。
まぁ、当然だよね子供を作るわけだから、そのそういうことするわけだし、これは前もってそういう部屋を受かっておかなかった僕のミス。
反省して即座に作って、ついでに牛乳を加工する施設も作っちゃったら。
これがミネルヴァに大好評で、チーズケーキができたんだよね。
これをお土産屋で売り出したら止まっていた冒険者さんたちにテイクアウトでバカ売れ。
元手0でこっちのお金まで潤っちゃったんだよね。
そしたら帰る時にカリバーさんが今度は王様を連れてくるなんていうものだから。
こうして、ローザが僕の体のケアをして、メアリーが王様に会うのに恥ずかしく無い服装を選んでくれてるんだけど。
「結局着てきた服が1番まともですね。堅物眼鏡もそう思うでしょ?」
「悶絶メイドは、もう私のことを大っぴらに堅物眼鏡と呼ぶようですね。まぁ、良いでしょう。残念ながら貴方と同意見と言わざるを得ませんので」
2人とも僕の大事な専属メイドと専属執事でこうやって喧嘩するぐらいに仲が良い。
「いっそのこと坊ちゃまの洗脳で王様を虜にするとか?」
「そのようなこと坊ちゃまが1番望まないことすらわからなくなりましたか悶絶メイド」
「そうですか。そうですか。なら、堅物眼鏡には大層良い案があるんですよね?」
「えぇ。冒険者と同じように王様もおもてなしで心を掴めば良いだけです」
「要はローザも僕と同じで、ホプキンスの腕任せって事だね」
「プククク。堅物眼鏡が言われてやんの〜」
「私が坊ちゃまと気持ちが同じで嫉妬しましたか悶絶メイド?」
「まぁ、まぁ、坊ちゃんの前でやめとけお前らも。いやぁ。坊ちゃんにそう言ってもらえるのは俺も料理人として嬉しいんですがね〜。流石に王様を満足させられるような料理ができるかは分かりませんぜ」
ローザとメアリーの仲の良い掛け合いを一瞬で止めてしまうホプキンス。
まぁ、あのままだと話が続かないもんね。
「うん。でもホプキンスたちの腕を僕は信じてるから」
「ハァ。坊ちゃんは、そうやって俺たちをやる気にさせるんだから。まぁ、やれるだけやってみますよ。それよりもお前ら、この世界の人間にとってダンジョンは危険なものだと認知されてるって、俺がフランク王国で知った事を伝えたよなぁ?それなのに坊ちゃんを危険な前線にまた立たせようとしてんのか?んなもん、分身の口を借りて説明すりゃ良いだろうが馬鹿が!」
ホプキンスに言われて、ハッとする2人。
うん、僕もそれは1番に考えたよ。
でも2人が僕を表に立たせようとしてたから。
まぁ、相手が王様なら失礼かと僕もそっち寄りになっていたんだよね。
でも、確かに危ないよね。
という事で、僕は兎のキャロットとして、受付で王様を迎える事にした。
「いらっしゃいませ」
結構な筋肉質で、僕が召喚された国のぶくぶくと肥えた王様と違って、戦う王様って感じの人が来た。
ここまで、お読みくださりありがとうございます。
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それでは、次回もお楽しみに〜




