第八話 魔王軍襲来
【ラルク視点】
ローザに愛美のギフトを聞かなかった俺も悪いけど、バレちまったなら仕方ない。
智樹に殴られるのも無理はない。
「はい。思い出タイム終了!はい。智樹も離れて、私は勇輝さんともう一度会えただけで満足だから、責任について考えてるなら気にしないで」
「そうか。そうだよな。代議士の駒沢の子供を預かってるんだもんな。そういうことだよな」
「嘘、勇輝さん知ってたの?ハァ。隠し通せてるつもりだったのになぁ」
やっぱり愛美は代議士の駒沢と…隠し通せてるつもりだった?
まさか、愛美は代議士の駒沢ともっと前から関係が?
「あ!違う違う!男女の関係とかじゃ無いから!私とお母さんを捨てたクソ野郎で実の父親とそんな関係なわけないでしょ!安心して、私は昔も今も勇輝さんしか知らないから」
そういえば、愛美から初めてと言われた時に僕も初めてで、どうやったら痛くならないようにできるかめちゃくちゃ頑張った覚えがある。
腰を浮かせると少し楽とか何かで見て、枕を差し込んだり、あまり動かさずに、お互いの反応を見て、ゆっくりとか。
ダメダメ、何を言わせるんだ!
いつもこうやって愛美は僕の調子を崩す。
って…代議士の駒沢が愛美の実の父!?
そっちの方が驚いた…だって愛美の旧姓は神崎だったはずだし?
「本当に勇輝さんは分かりやすいな。顔を真っ赤にしちゃっても私に子供と寝る趣味はありませーん。それに、アイツの苗字を名乗るのが嫌だったから母の方の苗字を使ってただけだよ」
「ということは、30歳以上も歳の離れた弟!?」
「そうなんだよね。ジジイのくせにまだ現役とかだいぶ痛いでしょ。で、この子も昔の私と同じように1人で寂しそうだったから面倒見てるのよ」
「はっ?そんなこと頼んでねぇし!それに龍牙とつくしを使って虐めてるの間違いだろ」
「お前が愛美先生を困らせるからだろ?自分のことを棚に上げて、もの言うんじゃねぇよ」
「そうよそうよ!愛美先生を1番困らせてるアンタが1番悪いんだから!」
成程、僕からしてもこんなのが歳の離れた義弟になるのか。
「はいはい。愛美の腰巾着どもがうるせえうるせえ。それに、俺の心が泣いてた?誰が助けてくれなんて頼んだ?もうここは異世界なんだから俺に構うんじゃねぇよ。あばよ」
俺たちを振り切ってエレベータに乗り込み上を目指す駒沢代議士の息子。
僕はそれを見てダンジョン内線でホプキンスにかける。
「ホプキンス、聞こえる?」
「ぼ、坊ちゃん!?ダンジョン内線なんて珍しいですね」
「もう時間がないから要件だけ伝えるね。そっちに子供が行くと思うから外に行く前に捕まえて」
「子供が?何でまた?あーもう。何か問題があったんすね?分かりました!こっちで保護しておきます」
「宜しく」
僕たちもエレベーターに乗って、上へと向かう。
「勇輝さん、ごめんなさい悠人が迷惑をかけて」
「愛美のせいじゃないよ。それにしても駒沢は何がしたいんだろうね。その悠人って子もどうせ愛人の子でしょ?」
「アイツは女を孕ませて自分の子を産ませたいだけのクズだから。女が産んだ後はどうでも良いのよ」
噂通りのクズみたいだ。
「まぁ、金払いは良いから生きていくのに苦労はしないけどね。だからうちの母みたいにお金に困って、子供を産むだけの愛人契約を結ぶ女もいる。後から捨てられるのにね」
セフレと何処が違うのかよく分からないなぁ。
「テメェ、何もんだ!」
僕たちが上に着くとホプキンスの怒号が聞こえた。
「人に尋ねるときは先ず自分から名乗るものだと思いますが…まぁ良いでしょう。このようなところにダンジョンがあったものですからついお邪魔してしまいましたよ。魔王軍の次世代幹部候補、紳士のラパストリーとは私の事です。どうぞお見知りおきを。それにしても魔王様はもうこんなところにダンジョンをお作りになられているとは、冒険者にしては似つかわしくない格好ですが、立ち塞がるというのならそこに転がってる子供のようにその首、刈ってあげましょう」
「へぇ魔王軍の紳士ってのは、子供にも容赦なく殺すのか?紳士ってのは、女性や子供には優しいと思ってたぜ」
「黙りなさい!私が紳士だと言ったら紳士なのです!それに、敵対する人間に優しさを見せる紳士など何処にいるのです?魔王様のダンジョンに足を踏み入れた愚か者どもに!」
「ホプキンス、頭を下げろ!今のアタイはめちゃくちゃ機嫌が悪いぞ」
「うおっ!?って、メアリーかよ!」
「次から次へですか。まぁ良いでしょう。人間の小娘が真正面から加勢した程度、私には何の問題もありません。向かってくるのでしたらその首を一刀両断してあげましょう」
「できるもんならやってみな雑魚!」
「雑魚?私が雑魚だと!?舐めるな小娘!私は次世代の幹部候補、紳士のラパストリーだぞ!」
メアリーの放った蹴りがラパストリーの首斬り鎌を弾き飛ばした。
「な!?私が小娘に力負けしただと!?」
「おいおい、魔王軍の幹部ってのはその程度なのか?別に恨みはねぇけど子供に手を出したんだその命で償え!爆裂拳!」
「馬鹿な!?次世代の幹部候補の私が…こんなところで。ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
メアリーの目にも止まらぬ速さの連撃を叩き込まれた魔王軍の次世代幹部候補を名乗る紳士のラパストリーは、爆発四散した。
「汚ねぇ花火だ」
その言葉はダメじゃないかな?
あ!
僕は、そっちの線からクレームが来ても知らないからね。
悪いのはメアリーだから。
「か、カッコいい!弟子にしてください!姉御!」
えっ?
さっきまで胴体と首、分かれてたよな君?
死んでたよね?
もしかして、そういうギフトもあるのか?
身体をバラバラにできる赤っ鼻の人みたいな…ダメだダメだ。
これも別の線から何か言われそうな気がする。
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それでは、次回もお楽しみに〜




