時々、使いたくなる言葉
あまり、役に立つ記事でもなく、そして、あまり、褒められた記事でもない、かといって、悪意に満ちたものでもないことをここに断っておく
それで、私の時々使いたくなる言葉、だ。
恥を知れ、恥を!
お前、いっぺん、死んで来い!
ブルータス、お前もか!
上の二つは、ちょっと語気が強すぎるので現実では使いにくく、最後の一個は、そういうシチュエーションになかなか出会わないので使えない。
ちなみに
野郎ども
を普段使いしたいのだが、これも、現実で普段使いしている人はごくごく稀であろう。
こんなことを言っている私は、さぞかし現実世界でもワイルドな人なのだろうと想像された読者の皆様、そんなこたあ、これっぽっちもない。
ここで、人間の願望というものについて語ろう。ここは、ネット上の世界で、そして、ここでは、私は本名を晒さず、顔も晒していない、匿名で守られた世界だ。
こんな匿名な世界で
てめえら
なんてほざいている私は、現実世界では虫も殺せない人っすよ。くすん。(なぜ泣く?私よ)
私の書いたものに騙されてはいけない。さぞ、ワイルドで、ぶっ飛ばした、面白い人がいるんだろうと期待して、わざわざ深圳の、どうやって調べたかわからないが、私の会社などに来てはいけない。
「海妹さんいますかー?海妹さーん」
「あの、ここに……」
「えっ!」
つまらない普通の中年女性がいるだけだ。がびん。来ないでくださいね、皆様。
現実では弱い人ほど、匿名の妄想の世界では
てめえら
だの
野郎ども
だの、ほざいているものだ。私がそうだ。礼儀正しく育ったためにはめも外せず、そうですか?おほほ、なんて愛想笑いの上手い常識人であるがために、
時々使いたくなるのだー!
恥を知れ!恥を!
(ストレス溜まってるな、この人。はい、溜まってます)
大体、恥を知れ、は、語気が強いから使えないだけではなく、世間の人は基本的に恥を知ってるので、使わなければならない状況に出くわさない。それでも使いたいから、いっつもゲームばっかりやって勉強しない息子に
「てめえ、親が塾にいくら払ってると思ってるんだ。(ちなみに払ってるのは主人で私ではない)恥を知れ!恥を!」
ばたん!(空手の技で反撃されては怖いのでさっさと閉める)
なんて、使ってやって、やった!使った!などと楽しんではいけません!
子供はね、脳が柔らかいんです。だから、恥を知れの使用範囲を親から覚えます。つまり、国語辞書的な正しい使い方からは自由な人たちなので、
親から覚えて普段使いします。
学校で
先生「あ、プリント忘れてきちゃった」
息子「なにい!恥を知れ!恥を!」
おー、まい、がっ!
育児にはこんな落とし穴がある。子供を相手に普段のうさを払うために王様の耳はロバの耳的な会話をしてはならない。また、やってみたいアウトロウな言葉遣いで育ててはならない。子は親のコピーロボットだ。親の言葉遣いをそのまま学校で披露してまう。
ビロロン!
つまらない。本当につまらないことだ。なんてコツコツ書いていたら、もう一つ思い浮かべました。
控えおろう。この紋所が目に入らぬか。
嫌な客とか、非人道的上司とかに、突きつけたいよねぇ、印籠。でも、私が徳川の御紋を使えるわけはなく、我が家に家紋があったかよく知らんが、それで整えて見せても、だからどうした?だし。大体ここ中国で、中国人には、
「什么?」(シェンマ、なんだ?)
で終わります。それでね、しみじみ思ったわけです。そういう使いたくなるけど使えない言葉を使うためには、私は役者になるべきだったんだなと。若い頃には役者といえば超美人で八頭身の人がなるのだと思い込んでましたし、見向きもしませんでしたが、テレビ大好きでみまくっていると、役者には名脇役の方々がいらっしゃるじゃないですか。
あれ、あれ、目指すんだった。クー!(痛恨の叫び)
演技に味があり、また、幅もある。そして何より、役者生命が長い!いろんな現場に出ていらっしゃる名脇役の方々。ドラマや映画は、こう言っちゃ失礼ですが、全員が超美人、超イケメンでも、画面がチカチカして、しかも、特徴のない綺麗な顔では見分けがつかなくなってくるわけで、別に私レベルの顔が脇役として入ってきたって、よかとですよ!
そしたら、モノホンの自分はつまらない常識人で、一生絶対口にしないようなヤバいセリフを口にできたのにぃ!クー!ブルータス、お前もかぁあああ!(確かこのセリフは男性のものだったと思うので、役者になっても私が口にすることはないが)
この、モラリー(モラルのある人、汪海妹造語)な自分に、大人になってもいい子ちゃんな自分に、一方で疲れてる自分よ。闇は深いぞよ。それでみなさん、どうなったと思います?私が、諦めたと?
ふ、ふふふふ。最後の手段がありました。
小説の中で、自分が言いたかったセリフや、やりたかったことを、キャラにやらせる。
チーン……
空想、あるいは妄想の泉の根源なんて、こんなところにあるのかもしれません。現実の自分ではできないことをやってみたいという渇望があるわけですね。
ふ、ふふふふ。
だから、もうそろそろ私の小説の中で、キャラは、空を飛び、印籠を取り出し、翼の生えた体で空から道をゆく人々に
「この紋所が目に入らぬかー」
「見えませーん」(高度が高すぎるので、視力の限界で見えない)
なんてことをやり始めると思いますよ。もうそろそろね。なんか、バットマンみたく翼の生えた、速成のキャラが、空中に浮かんだまま風も強くなってきたし、この先どうすんだよ、海妹と、印籠を片手に持ったままチラチラアイコンタクトをしてきますが、
さぁ、どうなるんでしょう?
それでは、謎なキャラを空中に浮かせたままで、本日は終わりにさせていただこうかと思います。皆様方、お帰りは足元にお気をつけくださいませ。場内暗くなっております。そう、そちら、そちらですよ。
汪海妹
2026.04.24




