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とりとめのないこと 抜粋  作者: 汪海妹
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ドラマ感想:冬のなんかさ、春のなんかね そのに

めちゃめちゃ苦労しながら、最後までなんとか見ました。浮気する人とか微妙に思ってしまう私は固い、或いは堅い人間なので、そういう私から見たらあやのちゃん(当ドラマ主人公)って鬼門に立ってるよ。


そして、結論から先に言ってみると、このドラマは最後まで見ないと言いたいことがわからないです。だから、最後までなんとか見てよかった。


このドラマを簡単に言うと、いろんな男が次々出てきてその男と一緒にいるあやのと 彼氏のユキオ君と一緒にいるあやのとを、視聴者は交互に見させられるわけです。その中でゆきおくんは、あやのにめちゃめちゃ優しいというか尽くしているというか、


……この人、怒る時あるんだろうか?


と思ってしまうくらい 「いい彼氏」なんですよー。皆、このドラマを見ながらソファーに足を抱えて座りクッションとかをギュッと抱きながら(なんかあやのちゃんってこういう子供っぽい仕草が可愛い小動物みたいな女子、真似しないでいいのに真似しながら見る)、


知らぬは ユキオ ばかりなりー


とテレビ画面の前で、恨めしやの幽霊にでもなった気分で、ゲンナリしながら見てたに違いない。こんだけゲンナリしてたのによく最後まで見たな、自分。


これが終盤に差し掛かると、ユキオもいつの間にか二股をかけていて、それで、見ないようにしていた現実(あやのちゃんはユキオを愛してなんかいない)を見る勇気をそのさやちゃん(浮気相手)からもらい、なんとか飛び立ちました。


よかったね、ユキオ


自分的にはまだ寒い青い綺麗な空に、白鳥となったゆきおが飛び立って行ったのを見たような清々しい朝でした。いや、ドラマ見てたのは夜なんだけどさ。


しかし、飛び立つユキオを眺める母のような気持ちの自分。白鳥のユキオが小さくなってからぼそっと呟く。


多分、さやちゃんと付き合っても、あやのちゃんと付き合っていた時と同じぐらいドキドキしないと思うぞ。


呪いの言葉を忘れないところが、自分らしい。


それでこっから、ドラマの主筋を語ることはやめて、ユキオ君タイプの男性が女性を振る時の注意点というかポイントについて語りたいと思う。結論から言うと、ユキオの今回の振り方は100点満点でした。よくやったユキオ。


よくはやった。ただし、相手が悪かった。それでも、あやのちゃんは 魔女のような人ですし、一生忘れられない女となるであろう。


チーン


呪いは残ったよ。どんだけあやのちゃんのこと嫌いなんだよ、自分、という話ですが、嫌いというよりは羨ましい部分もあるんだと思うんだけどね、ただ、100%羨ましいわけではなく、お前、そんな生き方してっと将来どうなるかな?ふふんと、おばさんらしく見栄をきってるだけだ。


あやののことは良い。あやのは魔女であるからして、下手に手を出すと、返り討ちにされるかもしれない。向こうのほうが若くて体力もあるし。


だから、全国の可哀想なユキオ君のような男性の方々へ向けて、母のような気持ちで 魔女の振り方 について語りたい。


このドラマの中で、君、脇役か?と思われてもいいくらい、存在感の薄かったゆきおですが、それは、表を見れば 完璧ないい彼氏 で、しかもそれが、安定の完璧ないい彼氏、なので、あやのも この人わたしのこと大好きだから、この人に裏切られることはないだろうと安心し、結果、毎日の生活の中で、ユキオについて考えることをやめて、他の複数の男について考えることにばかり時間を費やすことになりました。


だから、私たち視聴者もユキオのことをあまり注視していなかった。この人のことを見ていないと、ユキオのこの安定の完璧が変わってしまうかもしれない、というある種の緊張が視聴者である我々からも欠如してしまったのである。


終盤にかけて二人は温泉に行くのだが、そこでもユキオはめちゃめちゃ優しい。あやのちゃんにとってそれは、つまらない優しさだったのだけど……。いつも変わらない当たり前のようにそこにある予測できる優しさはあやのちゃんにとってはつまらない。


(ちょっとお断りしておくと、あやのちゃんは一度もドラマの中でユキオの優しさをつまらないとは評しておりません。私が見ていて思ったことです)


あやのちゃんは、ユキオのような予測できる人には本来惹かれない人ですよ。独特な考え方でもって、何か話しかけると、自分が思ってもみないような違う答えが返ってくるような人に惹かれてる。だから、山田さんに惹かれてる。


そして、


男、女関係なくどちらにも言えることですが、私はそれが道徳的にいいことか悪いことかは置いておいて、人間の理想の状態というのは、つまらないけれど安心できる裏切らない自分を大好きな相手を確保した上で、それとは別の自分の好奇心を満足できる相手と時々会うことだと思ってます。(念のため注記、理想の状態と書きましたが、私がこんなことをしたことはないです!)


あやのちゃん、今、両手にソフトクリームみたいな状態ね。


ところで、山田さんがやっぱり大人だし、そんなあやのちゃんの状態をよくわかっていて、あやのちゃんとはやらないわけです。


つまりは、あやのちゃんがユキオとの関係を清算して、山田さんととうとうやってしまったとしたら、一対一で山田さんと向き合ってきちんとつき合っていくかといえば、そんなことは全くなく、またユキオでもなく、山田でもない男を探しに旅に出るだろう。


それって、山田さんからみて、本当に好きって言えるかしら?だから、大人である山田さんは あやのちゃんは自分のことが好きなんだな って思いながら、そばにいたのではないと思うよ。


え、ユキオ君に話を戻しますと、ユキオ君がつまらない男を脱出するためには、もう少し自分の言いたいことというか、わがままを相手に言うべきだったと思うんですね。ただ、言うべきだったと言いつつ矛盾するようですが、好きな相手だからこそ 言いたいことを言えない、わがまま言えない気持ちはよくわかる。


ユキオ君は つくす型の男で、相手につくすことで喜びを感じる人です。このタイプの人が気をつけなければならないのは、つくし過ぎてしまうこと。つくす人は、つくせば相手から愛が返ってくると思ってる。それなのに、つくしても返ってこないと、


ああ、つくし方が足りなかったなと思う。それで、もっとつくしてしまう。名付けて、つくし負のスパイラル。植物のつくしではないぞ。でも、足りないのではない。その時恋愛がうまくいかないのは別の理由で、相手にとって簡単で予測可能でつまらないゾーンに入ってしまってるからなのよ。


だから、そういうことするのが苦手だってのはわかるんだけど、せっかく色々やってあげたのにそっけなくありがとうと言われたり、当たり前だと思われるようになったら、相手に苦情を言うべきだ。


いつもニコニコして、怒ってたり疑ってたりしてもそれは表面に出さずに、なんでも受け止めていたら、いつか本人には限界が来るし、相手はどこまでもびろろんとわがまま風呂敷を妖怪のように広げ続けるのだよ。びろろん。


あやのちゃんもユキオには全然本音を話してなかったけど、結局、ユキオくんも全然本音を話してなかったわけだ。それで、その本音をさえちゃんが聞いて彼を横から掻っ攫ってゆく。


ところで、競馬の予想ではないけれど、私はさえちゃんとユキオ君はうまくいかないと思います。その理由は、さえちゃんは「もし、あやのさんと別れられなければわたしはそれでいい。好きな人には幸せでいてほしいから」と言ってましてね、つまりは、さえちゃんもつくし型の人なんですよ。


方程式のようなもので、つくしとつくしは一緒にいてもうまくいかない。なぜならば、つくされることよりつくしたいから、つくされと一緒にいないと喜びを感じられないんですよね。


さえちゃんがいい女ではないのではなくて、合わないんですよ。


であるからして、あやのちゃんは、ユキオ君のタイプだったと思います。ただ、あやのちゃんの相手を大切にしない度合いが度を越し過ぎていて、手に負えなかっただけ。或いは、ユキオくんがつくしスパイラルの罠に気付けてなかったってことかな?


ユキオ君は今回の失恋を糧にと言ってはなんですが、次はもう少し度を越し過ぎていない、可愛いわがままな人と素敵な恋愛ができるようになったんじゃないかしら?


ちゃんと前を見て目を見て向き合いながら話していたら良かったのかも


そう言ってたじゃないですか。ユキオ。


ところで、ユキオ君はこれは、あやのちゃんとではない別の女の人と恋愛する時の反省として話していた。目の前に別れ話をしている相手のあやのちゃんはいるんだけど、白鳥になったユキオ君はこれから空を飛んでいって、その先にいる新しい女の子のことを妄想の中で見ながら、ボソボソと話してるわけで、あやののことはもう見てないんです。


ところが、あやのちゃんは、自分との反省として話していると勘違いをして、この人もまだ未練というか感じてるじゃんと思いました。それで、


じゃあさよならと店を出て、その後、ユキオくんがやっと一人になって、悲しくて泣こうとした時に、帰って来るんですよ。あやのちゃんが。


ガラガラガラガラ

ちわー、ところで、ワンチャン、ありませんかね?


ってこの、一旦外に出て、仕切り直しと言ってもう一度入ってくる、これが二人の初めての日にもあって、あの時の突然の感じとか、破天荒さとか、全てが可愛かった。ユキオ君は出会ったばかりの人と付き合うなんてタイプの男子では全然ないのだけれど、出会いから強引なあやのちゃんに引っ張り回されるシーンでした。ところが、同じようなことが起こっても、この最後の日の破天荒さやずれ方は、無神経でしかない。


自分のことしか考えず相手の見えていない勝手な女


としてくっきり輪郭を表した。この場面を見ていた時に確信したのですが、


ああ、ユキオ君はこの最後の日にあやのちゃんのこと、嫌いになったなぁと。魔法が解けるみたいに、あやのちゃんはユキオ君のことちっとも大切に思ってなかったというか、自分のことばっか考えてた人だったんだなぁと確信したというか。


というか、これは確信ではなくて、結論ですね。見ていた自分は、二人の出会いのシーンを思い出して、「結局この二人、最初っから合わなかったんだよな」と結論づけてしまった。この時、まるでオセロで最後に盤面が白っぽかったのに、とおりゃあとめっちゃひっくり返して逆転勝ちするようなことが起こる。この人のどこが好きだったんだろう?と一気に嫌いになっちゃって、そして、恋愛の始まりから、本当は合わなかったんだよな、なんて思っちゃう。


これが結論だ。もうちょっというと、別にこれ、真実ではないと思う。別れて元気に生きていくためには、便利な結論を自分でつけたほうがいい。だから、脳が自分で自分を騙すために作り上げる事実です。


ドラマの画面では描かれてなかったけど、ユキオ君、地獄のように辛い日々を過ごしてたと思うんですよね。


仕事場では後々仕事をしている時に別れた時のことを思い出してしまうから、別れ話をしたくないと言っても、あやのは最後に髪を切ってと言って結局仕事場に入り込む。それから、終わってから、突然、恋愛がよくわからないとか言って泣きそうになり、それをユキオは聞きたくないと思っているという空気は読めず、そしてやっと出てって、一人になれたと思った瞬間にもう一回帰ってくる、


あなたとはもう無理なんだ


って、今日一日で何回言った?さっさと帰れって話ですよ。


負の感情をはっきり表さないタイプの人は、仄めかすのですが、まぁ、ささやか過ぎて伝わらないことも多々ある。しかし、簡単にやだと言わない人がとうとう言ってしまったヤダは、もう本当に嫌で無理なので、ワンチャンとかないわけです。


もっとも、この別れ方は悪くはなかったよなって自分としては思う。好きなまま別れないほうがいいよ、大好きだった人とは。嫌いになってから別れたほうが、後がどんだけ楽か。


こんなに尽くしたのに、それに対して相手は全然自分のことを思ってくれなかったと実感して、すごい傷ついたとは思うけど、だからこそつくすだけじゃダメなんだって学んだんじゃないかなぁ。ユキオね、ユキオ。


一方、あやのちゃんの恋愛ですが、恋愛というよりも、生き方なんじゃないかな?結婚という約束のある生き方をしたいのかどうか、約束のない自由な生き方をするのなら、そういう相手とすればいいわけで、自分は自由に生きているんですということだけは、相手に教えてあげたほうがいいのではと思う。約束のある生き方をしたい人を巻き込むのは、ルール違反じゃないでしょうか。


でも、ま、ルールやマナーが守られる分野でもないですよね。恋愛は。


私は冒頭でも書いた通り、固いそして堅い人間ですが、ただ、恋愛的なジャッジを下す時は一つのガイドラインのようなものがあるんです。


その人が魅力的な人かどうかですね。


このドラマ見ていて、かなりゲンナリしましたが、ただ、あやのちゃんは正しいかどうかは別にして、やっぱり可愛いんですよ。あたしがどんなにあやのちゃんは魔女だと彼女の悪口を言いふらしたとしても、あやのちゃんを好きになってしまう男は後をたたないと思う。


恋愛というのは当事者同士の問題ですし、そうそう、いい言葉があるぞ。借り物だが、


恋愛というのは、弾き飛ばされたものが悪者なのよ


これは、ちょっと古いが 柴門ふみさんの 東京ラブストーリーで さとみが言ったセリフです。あやのちゃんが可愛くて、それで、あやのちゃんと男を取り合って勝てなかった時、どんなにあやのちゃんが悪い女だと喚き立てたとしても、弾き飛ばされた自分の方が悪者なんだって意味ですね。


法律とか、ルールとかマナーとか、恋愛というのはそういうのとちょっと違う部分がある。我が中編のタイトルを持ってくると、あちらでは風は逆に吹いている そう思うことができたら、ちょっと楽ですよ。


人を好きになれば、時々、びっくりするくらいひどい目に遭うこともあるけれど、なんで? とか 間違ってる! とか思う時もあるけれど、理屈じゃないんですよ。そう思えたらちょっとだけ楽なはずです。


ちなみに最後に一言、あやのちゃんにはゲンナリしましたが、杉咲花さんにはゲンナリしておりません。役を演じられていたってのはもちろんわかってますし。また、このあやのちゃんに共感できるかできないかの差についてなんですが、これは自身のモラル度と兼ね合いがあるかなと思う。他人に合わせてばかりで生きていたら、鬼門にあるのはあやのかなと。私はモラルにがんじがらめですし、いつも相手に合わせることが役割になっていることが多いので、見ているだけでゲンナリしてしまったんだと思います。つまり、個人的な好みの問題ですね。私もあやのにゲンナリしましたという方がいましたら、私と同じような性格かもしれません。^^蛇足でした!


まとまりのないままに

2026.03.28

汪海妹

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