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リーズ・ナブルは此れにて御免 ~元軍人付与士は冒険者として成り上がる~  作者: アゲインスト
ダボンナ王国独立編 ~リーズ・ナブルの???~
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新米小隊、閃光の蹂躙

どうもアゲインストでございます。

ここ数日所用で忙しく投稿が遅れましたこと、まことに申し訳ありませんでした。

今回は関門に挑むリーズの秘策をご覧あれ。

それではどうぞ。

 ―――広い空間の中央で、彼らはただそこにいた。

 

 迷宮によって産み出された彼ら―――ゴブリンたち―――はそもそも自我というものが野生のそれより薄い。

 ここ以外で生きた経験のない彼らには、この場に存在しないものについての知識もなく腹も空かないので行動を起こそうという気力も存在しない。

 ただそこにいて、時々やってくる奴らを殺すことだけが彼らの娯楽であった。

 

 しかし、迷宮に産み出されたとはいえ、本能がないわけではない。

 ある程度制限されているが、それだけに解放されている本能には忠実である。

 

 ―――すなわち、犯し殺すこと。

 

 ホブゴブリンとなった個体は弱い冒険者を殺すことのできた個体であり、同時に次の世代を産み出すに至った個体である。

 強者からは隠れ、弱者を見極める能力を得た彼らは時間が掛けられた分だけ存在そのものが強くなったといっていいだろう。

 だからこそ、停滞の中にあっても必ずやってくるだろう娯楽の来訪を今か今かと待ち望んでいた。

 

 

 ―――だからそれが目の前に落ちてきたときも、特に何も思わなかった。

 筒のようなもの、そう認識したとき―――

 

 

 ―――視界が真っ白になって、何も聞こえなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 まず、それぞれ門の脇にいるように指示を出し、しっかりと目と耳をを塞ぐようにしてみんなを待機させていた。

 秘密兵器の説明に懐疑的だったこいつらを宥めすかし、対策として先ほどの暗幕を使うことで納得してもらった。

 そして俺は全員が体勢をとれたことを確認し、手の中にあるそれに魔力を流し目標の中心へと投げ込んだ。

 その瞬間に入り口全体に暗幕を張り、俺も発動に備える。

 

 ―――ドゥッウウウ……ン……!!

 

 投擲から数秒後、中から爆発するような音が響き体に軽い衝撃が走る。どうやら無事に発動したようだな。

 暗幕では防ぎきれない衝撃がどこまで広がるかと思ったが、これなら問題ない。場所が広いのも条件としてよかったのだろう。

 

「よし、いくぞお前ら」

「……本当に大丈夫なんですよね?」

「作動したのなら何の問題ない、はっきり言って自信作だ」

「正直これで行けるのかまだ疑問なんですけど……そこまで凄いんですか、その秘密兵器って?」

 

 

「―――そりゃ凄いさ、何たって生物に限定すれば殆どの奴を無効化できるって具合のやつなんだからな」

 

 

 

 

 

 

 

 俺が先導する後ろから、そろりそろりと中へと入っていくライドたち。唯一俺の隣にはシェルフィーがいて中の惨状を興味深そうに見ている。

 

「結構なもんだろ、理論はできてたんだが丁度いい素材とかがなくてな。やりたくてもできなかったんだが、これはいいねぇ便利なもんだ」

「ここまでの規模の相手、普通に戦えば傷を負わないわけにはいきませんでしたわ。それがこうも簡単に……どうなったか聞かせていただいても?」

「いいぜ、別に難しいことじゃねぇしな」

 

 俺が何をしたのか、それは普通の魔法使いなら片手間にできてしまうようなことだ。

 何ならやり方を教えるだけでこの子にもできるだろう。それくらいに簡単なことである。

 

「俺が投げ込んだのは、普段俺が使ってる魔物の素材を粉末状にしたものを数種類混ぜて押し固めたものだ。筒状に固められたものの中心には爆発を助長させるものを棒状にして起爆剤に。後は魔力を流し込み、複雑に混ざりあった素材の持つそれぞれの魔力を意図的に暴走させることによって拒絶反応を引き起こす。

 それは極光を撒き散らし、爆音をもって空間を制圧する」

 

 とどのつまりは―――

 


「―――魔導型音響閃光弾。魔法使いが光を発生させて目眩ましをするのを俺なりに再現したものさ。

 まあ、手間掛けた分だけ強力にはなっているし、光が発生して咄嗟に目を庇えば音への対処ができなくなる。そして外部を包み込む素材には内部の魔力反応を分かりづらくする効果がある。

 ゴブリンごときに発動を防ぐのはほぼ不可能、暗闇でさらに効果は倍増ってところか」

 

 ―――まあ、効果覿面っていうのにゃ効きすぎな惨状だがな。

 

 そういう俺たちの周りには、正に死屍累々といった様子のゴブリンたちが転がっている。

 その殆どは何が起こったか理解できていないだろうが、何気にすることはない。

 

「もうこいつらに抵抗なんてできないし、戦いこともできないような奴ら相手にするまでねぇ。全部スルー、対処は後ろの奴にお任せいたしましょ」

「無理矢理過ぎる……」

 

 この俺の力業とも言えるような攻略の仕方に軽く引いているライドたち。それとは別に意味深な笑みを浮かべるシェルフィー。

 そんな彼らを引き連れて、床に這いつくばゴブリンたちに目をやることもなく出口へと向かっていく。

 こうして最初の難関と言われている場所をほぼ何もすることなく潜り抜け、俺たちは次の階層へと進んでいくのであった。

読了ありがとうございました。

感想など大募集しておりますのでよろしくお願いいたします。

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