リーズ・ナブルのちょっとした失態
どうもアゲインストでございます。
投稿が遅れて申し訳ありません。
今回は内容もちょっと短いです。
重ねて申し訳ありません。
ヘレンたち従者に後を任せた俺たちは、周りにいる冒険者たちの探るような視線に晒されながらも地図を売っているだろうギルドの施設を目指して砦内を進んでいた。
ダンジョンの出現は確かに一大事だが、だからといって前例のない事態ということではない。
過去の経験から、こういったことにはギルドが率先して陣頭指揮をとることになっている。多くの戦力を抱えていることも理由に一つだが、市街を統治する領主の兵士などよりも自由に動けるスピードと範囲の広さがもっともな理由だろう。
職業の多用さ、危険に挑んでいく勇敢さ。
まさしく先見隊として出動させるのに相応しい人材と言えるだろう。
そしてそんな命しらずの荒くれ者共がこぞって集まる場所。
ダンジョンに挑むついでに商人などからの依頼を受けれるようにと設営された、ギルドのダンジョン出張所である。
素材等の持ち込みが多いために開けた土地に構えられた建物の周りには、そこかしこに査定待ちの冒険者たちがたむろしている。
「……多い、ですね。街では見たことのない人たちで一杯です」
「直接ここにきた連中だろうな。よほど腕に自信があるんだろう」
「補給もここでできるみたいだし、無理に街によることもないのね」
外にいるこいつらは今一稼ぎして戻ってきた連中だろう。装備にもそれなりの損傷が見てとれる。
「まあ今は関係ない、中に入るぞ」
「あ、はい!」
命の危険のあるところから帰ってきた人間は気が立ってることも多い。無駄に接触して顰蹙を買うこともないだろう。
外で呼び掛けをしているギルド員と冒険者たちのやりとりを横目に見つつ、施設の扉を引いて中へと入っていく。
外装から分かっていたのだが、この短期間の内に建設されたとは思えないほどにしっかりとした作りは内部にまで及び、簡素ではあるものの機能的には十分なほど。
今もダンジョンへ挑戦するための申請をするため、窓口に何人もの冒険者が押し掛けている。
無断でダンジョンに侵入し、問題が発生することがないようにということで始まった登録制である。これをしておかないと不法侵入として盗賊扱いされてしまうから要注意だ。
「……忘れてたけど」
「? どうしたんですか?」
「いや、何でもねぇよ」
全くもってこれのことを忘れていたのをぽつりとこぼしてしまった。それをライドに拾われてしまったがよく聞こえていなかったようで誤魔化すのは簡単だった。
そうだよ、そういやこれがあんじゃん。
俺の脳裏には経験不足を理由に登録を断られるかもしれないという予想が浮かんで来ている。
俺もそうだが、ライドたちも冒険者としての経験は浅い。ダンジョンという平時よりも危険の多い場所から無事に戻ってこれるかを問題視されて登録を断られるかもしれない。
「リーズさん?」
「っいやすまん。何でもない、地図以外にも何かやってないかと見てただけだ」
「そうですか。急に立ち止まったので何かあったのかと」
「ははは……いや、すまんすまん」
ええい、ここまできてやっぱりできません、ではあまりにも無様! 何としてでも登録を完了するしかあるまい。
何でもないかのような顔の裏ではかなりの焦りがあったのだが、それを悟らせないように先に進んでいく。
そうして窓口へと並んだのだが、
「―――あん? なんだこいつら、ガキじゃねぇか」
どうにも、簡単にはいかないようで。
隣の列から投げ掛けられた声の方を向けば、そこには同じような人数ではあるものもこちらよりも平均年齢が高そうな集団がおり。
その中で、一人の男が睨みを利かせてきていたのだった。
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