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エッグキーパーズ Egg keepers 〜秋山ダイチの宇宙戦争〜  作者: GOM
第一章 小学生編その1:シリウス攻防戦

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第六話 せんとうきかい

 では、ここからは地球側及び帝国側の宇宙兵器についてみてみよう。

地球側の主力は、すでに書かれているように、人型機動兵器である。

現在、第二世代型SHI-02「ケントリオン」のバージョン3、C型が主力となっている。ダイチ達が使用している練習機は、すでに一線を退いた第一世代型SHI-01「ホプライト」を近代改修かつ出力をマイルドにしたものである。

どちらも身長約20mの機体で、動力炉はもちろんゲートエンジン。

「ホプライト」は、ランドセルを背負い、丸いバイザー付ヘルメットを被った古代ローマ帝国の重装歩兵といったイメージである。(ホプライトHopliteは重装歩兵の意味)

頭部バイザー内には、一つ目の高機能カメラ及び光学・電子系センサーを有する。レーダーは、機体装甲各所にフェイズドアレイ素子を内臓。

機体は特殊な電気粘性(ER)流体を内封するシリンダー型人工筋肉によるアクチュエーター駆動、アクチュエーターを保持する骨格は、剛性の高いフェロアロイ(鉄系特殊合金)で構成される。

骨格の周りは、炭化珪素繊維で出来た第二次装甲で保護されており、その上にある機体装甲は、電磁構造強化装甲(EMCS装甲:ElectroMagnetic Construction Strengtheing Armor)を使用している。EMCS装甲とは、あるレベルの電磁力を付与することで励起、金属の分子間結合(金属結合)をつかさどるクーロン力を増大させ、金属そのものの強度を強化する特殊金属装甲である。そうした励起状態となる際に金属の自由電子の動きを制御するため、装甲が起動すると装甲表面の金属光沢は変動して鈍く光りだす。また放射線遮蔽能力も高く、ゲートエンジンの放射線遮蔽材にも用いられている。

なお、腹部や間接部など稼動する部分には同じEMCSで作成された鎖帷子チェーンメイルで保護されている。

機体の装備だが、ホプライトの場合、基本としてフォースフィールド発生装置を持つ大型タワーシールドを片手に装備し、もう片手に手持ち武器を装備する。

本体兵装は、頭部に25mm・4砲身ガトリングCIWS(3000発/分)を左右二門、胸部に57mm速射砲(220発/毎分)を同じく左右二門、両前腕下部に巻取り可能なワイヤーガン、腹部にエンジン直結の155mmLSP量子ビームキャノン一門。

腕部手持ち武器として、パルスレーザーライフル、LSP量子ビーム砲、レールガン、高周波剣、DC魚雷などがある。LSP(Light Supersymmetric particle )とは超対象性粒子(SUSY SUperSYmmetric particle)のうち軽くて比較的寿命が長いもので、宇宙論で言うダークマター(暗黒物質)に分類される、宇宙創成時の高エネルギー条件でのみ存在が許され、宇宙創成時と同じ条件下のゲートエンジンから得られる素粒子である。

LSPはニュートラリーノなどからなり、軽いといっても陽子の30倍以上、アルゴン程度の重さがある。

LSPは機体各所に分散されて設置してある量子コンデンサーに備蓄され、推進剤やビームの原料、緊急時のバッテリーとして用いられている。、

主推進機構は、水素プラズマによる比推力可変形プラズマ推進器(VASIMER)とLSP推進器の併用型。ランドセルにホプライトなら一基、ケントリオンなら左右二基、主推進器を持つ。

後、腰部の左右に長方形型の稼動形補助推進器を持ち、これがベクターノズルの役目をする。(ホプライト、特に練習機型の補助推進器は小型)

他には、肩や肢等機体各所に姿勢制御用の1液型化学電熱併用スラスターを持つ。

これらの装備を持ち、EMCS装甲とフォースフィールドの二重の防御を持つのが人型機動兵器であるが、宇宙戦艦及び宇宙戦闘機も同じような防御機構を持つ。

しかし、宇宙戦艦は大型のゲートエンジンを必要とし、宇宙戦闘機は機体サイズの関係で出力の小さなゲートエンジンしか搭載できない。これは帝国側も同じである。

現在の主力機SHI-02「ケントリオン」(Centurion 百人隊長の意味)は、ホプライトを全体的にアップデートした機体で、ホプライトから追加された頭部センサーマストや増量されたスラスター等の意匠に羽根型の模様をしている。

頭部カメラは二個の双眼レンズをホプライト同様バイザー内に装備し、レンズ間に補助光学機器を有する。

盾は手持ちではなく、ヒーターシールド形のものを左右肩のサブアームによって保持している。このため、守備力を落とすことなく両手で武器運用が可能となっている。本体兵装は、ホプライトとほぼ同じだが左右前腕上部に格納式高周波ナイフを装備して、接近戦闘時の攻撃パターンを多くしている。

さらに機体の装甲の一部、攻撃を受けやすい肩や胸部装甲を増加、代わりに比較的攻撃を受けにくい上腕部や太腿を普通のEMCS装甲からEMCSチェーンメイルにし、機体の装甲配置の効率化及び軽量化を行っている。

なお、サブアーム稼動はAI制御である。(人体に無い器官なので思考制御ではコントロールが難しいため)

AIは、人類方の機体すべて思考形態複写方式量子型演算装置で稼動している。

パイロットが機体に搭乗している間、思考データをサンプリングし、絶えず制御データをアップデートすることで、パイロットの思考をより機体に反映させやすくしている。このため、パイロットとAIは一対一で運用することが望ましく、できるだけ機体をパイロット固定運用する必要がある。

もちろんコクピット及びAIユニットは一対運用できるようモジュール化されており、機体に不具合がある場合、モジュールユニットを別機体へ接続しなおす事で、早期に運用可能となる。(後期形ホプライトのユニットをケントリオンに使用する事も可能。もちろん機体ごとのクセがあるので、制御データを一部補正する必要があるが)

 この思考コピーの方式を拡大して、人格部分までコピーしたのが帝国側無人機体の制御ユニット。しかし、あくまで量子コピーしただけなので、人が持つ「ひらめき」や「カン」というものは再現できないらしく、定まった行動を行うには問題は無いが、突飛な状況になるとパニックになりやすいのが弱点で、ここが地球側が付け入るスキでもある。

大抵、同じ部隊の機体は同一人物の思考コピーで形成されており、有人型がある場合は、そのコピー元が運用していると思われている。

 帝国側主力は、「腕」を持つ大型宇宙戦闘機である。

ゲートエンジンのパワー不足を補うべく、機体の大型化(全長50m超)及び近接戦闘用に、格闘戦可能な稼動肢を複数持つ。

地球でいうところのカブトガニに似ており、そこにザリガニ等の腕部を持つ感じである。(コードネーム:トリデンタウス tridentaus カブトガニの種名)

機体上面には複数の小型ミサイルランチャー、前面には左右二門の大型機関砲、前面中央に粒子ビーム砲、ハサミ状腕部に近距離用のプラズマトーチ兼プラズマ砲、機体下部には大型ミサイルを搭載可能。機体装甲は、地球のと同様にEMCS装甲である。

有人型では無人型よりも更に大型化して、地球側の宇宙駆逐艦(120m級)ほどもあり、更に大型レールガンなど武装強化されていると共に、情報収集及び通信能力も強化されている。(コードネーム:リムリダエ Limulidae カブトエビ科の意味)

帝国軍の機体運用であるが、たいていの場合有人機一機につき無人機が12機で一部隊をなし、戦場より少しはなれたところにいる有人機が後方より支援・指示をして、その命令に従う猟犬たる無人機が確実に獲物を追い込み、撃破する。

帝国側の機体推進機構は、LSP推進及び宇宙拡張をなすダークエネルギーによる斥力場生成機によるものと推定されている。

 次に「宇宙戦艦」航宙艦艇だが、現在主流が砲撃戦より搭載機戦に移行しており、空母的な運用が地球、帝国双方で行われている。

地球側は、大型戦艦(1km以上)から駆逐艦(120m級)まで数種類あり、駆逐艦はDC宇宙魚雷による雷撃戦を主力として、大型戦闘機的な役割をしている。

中型(500m級)以上の巡洋艦・戦艦は、レールガン、大口径LSPビーム砲やレーザー、プラズマ砲による砲撃戦及び艦載機による攻撃を行う。もちろん機動兵器運用に特化した航宙母艦、空(宙)母も存在する。

地球艦艇の形状は、空母型以外は鋭角にとがった細長い三角錐をなしており、前面にフォースフィールド発生ユニットを装備、強固な「盾」を形成できるようになっている。

艦砲のうち主砲および宇宙魚雷発射管は前面に集中するよう配置されており、左右両舷には、レーザーや機関砲タイプのCIWSやRAWを多く装備、敵機から艦を守る。

人型機動兵器搭載型空母は、やや平べったい形をしていて前面のフォースフィールド発生ユニットは他艦と同じだが、上部はCIWS、RAWを多数、中口径LSP砲を少数配置、

下部は、開放型ハッチとなっていて、人型機動機体を肩部でロックして下に吊り下げている。通常時は、ロック解除後両舷下方に吊り下げられている電磁カタパルトに移動、そこから発進となるが、緊急時には一気に全機体解放・発進することが可能となる。なお、電磁カタパルトは開放型レールガンとしても運用可能である。

また特殊任務艦として、戦域警戒監視、ECM・ECCMなどの電子戦闘及び艦隊指令所として運用される電子戦艦も存在し、戦場すべてを見回り、敵の目をつぶし、的確に敵を叩く。

 帝国側だが、地球近隣には遠征艦隊のみが現れており、それ以外の帝国本国の艦隊は惑星連合経由のおおまかな情報しかない。

帝国艦船は、地球側よりも大型(最低でも500m級)で、どちらかというとジンベイザメっぽい形状をしている。腹部にコバンザメのように艦載機が多数搭載されており、一隻の戦力及び防御力は地球艦隊を上回る。

艦種については、あまり多くないようで、殆どはサイズが大きいか小さいかだけ。有人型旗艦タイプは、より大型(1km以上)で戦闘よりも通信能力に特化されている。

前述のように、無人艦が多いため、そこが付け入るところで、初戦のカイパーベルト会戦にて有人旗艦を撃破した後、指揮系統を麻痺させている間に各個撃破が可能となった。

この戦法を取られると不利なのは分かっているのだろうが、帝国側は無人艦と有人艦を同じデザイン・サイズとし、すぐに分からないようにすることは今までに無い。

帝国は、大量の物量と火力によるごり押し作戦で今まで勝ってきたために、いまさら戦術の変更を考える事すらないのかも知れない。

「頭つぶし」みたいな戦術を考えるのは地球人類くらいで、実際地球人類ほど同種で殺しあって戦略・戦術を鍛え上げた人類種は宇宙では多くないのかもしれない。通常こういった戦争バカの種は自滅するだろうから。

ということで、いまのところ、地球人類が有する帝国艦隊の情報は以上である。

なお、惑星連合の軍事力については、地球側では実は殆ど把握できていない。

実際、援軍を地球に送ってきたことが今までないのである。

超高速通信と無人輸送艦が惑星連合の連絡手段で、遺跡由来のオーバーテクノロジー解明の手がかりとはなっているが、帝国との矢面に立たされている地球側としては不満も残る。

どうやら、彼らは地球人類ほど好戦的ではなく、軍事技術が地球人類ほど進歩しておらず、帝国から逃げることで生き延びているらしい。惑星連合の大半は、銀河系ペルセウス腕にあり、オリオン腕の地球が戦っている間は時間稼ぎが出来ているようで、オリオン腕が対帝国の代理戦争の戦場と化している。

このような状況なので、このまま時間をかけていては、地球のピンチは増すばかり。人類の現行最新鋭の「剣」たるケントリオンC型は、OS周り及び補助推進器の高性能化により、ホプライトから15%、ケントリオンA型よりも5%以上速度・機動性向上が見られる。しかし、これだけではとても帝国軍には優位には立てない。

地球を守るため、恒星間攻撃兵器が設置されているであろうシリウス星系の奪還作戦に向けて、第三世代型人型機動兵器及び各種新兵器の開発、新たなパイロットの育成が急務となっているのだ。


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