2人でご飯
私たち2人は村の中へ入っていった。
「さて。じゃあとりあえず何か食べられるところに入りますか~」
「ところで、君はお金は持っているの?」
「え、ええ。少しは」
「じゃあ、ごちそうになっちゃおうかな」
ノアはなんだか楽しそうだ。
私たちは食堂へ向かった。
しかし、こんな辺境の村に食堂なんて立派なものがあるのだろうか。
「ねぇ…、どこに行けばいいか分かる?」
「…」
ノアからの返答がない。
「ねぇってば。ノア?」
見回すとそこには、村人に話しかけているノアの姿があった。
「ちょ…ちょっとノア、何やってんの!?」
少し目を離した瞬間のことだった。
「あ、セリス。こっちにあるって、食堂」
ノアはバイバイとその村人に手を振ると、こちらに走ってきた。
「ちょっと、勝手なことしない方が…」
「なにビビってんのさ。この国はまだ僕たちのこと知らないみたいだよ?」
「だからってあんまりにも無警戒すぎない?私たちはお尋ね者に変わりないのよ?」
「はいはい。そんなことよりこっちだよ」
おいてくよー、とノア。私は煮え切らないままついていくのだった。
「ここかぁ~」
そこには小さな食堂があった。
この村唯一の食堂なんだろう。小さいながらもやってはいるようだ。
「ほらほら、入るよ」
ノアが先導する。
私たちは席に着いた。
「さぁ~て、何にする?ボクはねぇ~…」
終始楽しそうなノア。この子はどうしてこんなにものんきなんだろう。
私はずっとそう思っている。
でも、そののんきさに救われている自分がいる。そう感じる。
私も食べたいものを決め、店員に注文する。
待つこと数分、店員が料理を運んできた。
「ステーキをご注文のお客様」
「は~い、ボクでぇ~す!」
ノアは元気よく手をあげる。
「では、ハンバーグでございます。」
テーブルに料理を置くと、ごゆっくりと言って店員は厨房に戻っていった。
「しかし、セリスはハンバーグか~。意外とかわいいね」
「あなたこそ、結構ワイルドね」
ハンバーグは果たしてかわいいのか、と思いつつ私も言い返した。
かなりぶりの食事だ。私は黙々と食べ進める。
「あらあらセリスちゃ~ん。そんなにがっついちゃって。それじゃあモテませんよ~?」
私は今食べているハンバーグを吹き出しそうになった。
一体どこ目線の発言なんだ。
「余計なお世話です」
私はそう返した。
「冷静に返したつもりだろうけど、吹き出したのバレてるからね?ハンバーグ」
「ふ、吹き出してませんよ」
露骨に慌ててしまった。
ノアはペロリと出されたステーキを食べてしまった。
その後しばらくして私も完食した。
あなどっていたけど、なかなか美味しかった。単にお腹が空いていたからだろうか、とにかく満足だ。
「ありがとうございましたー」
と、店員。
私たちは店を後にした。




