完全ショタ化
「お腹すいたわね…」
そういえばさっきから何も食べていない。こんな状況でも腹は減るものだ。
しかし私は食料係ではなかったため、一切食料を持っていない。
どうしたものか。ノアも食料を持っている気配はない。
「そっかぁ~。どうしようか。ボクなんかは多少空腹が続いても死なないけどね~」
ノアは変わらずのんきに言う。
「1日待ってくれない?明日になったら街に行こう」
「え?だって私たちは指名手配されてるのよ?街になんて言ったら捕まってしまうわ」
「大丈夫だよ。辺境の街なんだからまだ情報は来てないって。そこで食料を調達だ」
なるほど、と思いつつもやはり不安はぬぐえない。
「本当に大丈夫なの?」
「大丈夫じゃない?もしもダメならボク1人で行ってくるから」
「…って、いやいや。あなたこそダメでしょ!何を言ってるの!?」
当然だ。だってこの子は魔物、ドラゴンだ。確かに、角、尻尾、翼以外は人間の姿だが、完全にドラゴンの要素がむき出しだ。
「だから、大丈夫だって。ボク、姿変えられるし」
そう言うとノアはなんとドラゴン要素をキレイに消し去った。
なんとも表現しにくいが、徐々に見えなくなっていった感じだ。
「ほらね?」
すごい…。こう見ると本当にただの子供だ。
「さすがに、ドラゴンだって聞いてて顔までは意識しないでしょ」
しかし、奇跡的にカワイイ。ドラゴンのまがまがしい部分が消え去って、一層そう感じる。
「さて、今日はもう寝たら?明日に備えて」
「え、ええ。そうね…」
しかし、まったく眠れる気がしない。空腹のせいだろうか。
いや、違うかもしれない。これは…隣に美少年がいるからだ…!
ドキドキ
う、うわぁ…。完全に意識してしまって眠れない。ていうかこの気温で寝たら死ぬ?大丈夫?
でも今は寒いどろろではない。そんなことよりショタが隣に…
「隣に来てもいいかなぁ?」
「…え?」
「よいしょ」
ノアが隣に寝そべった。
「え?ちょ…!何を!?」
「だって寒いでしょ~?死んじゃうよ?ドラゴンは体温が高いから、少しはましでしょ?」
「な、何でここまでしてくれるの…?」
「何でかなぁ~?分からないけど、少し嬉しかったからかな。ボクを保護したいなんて言ったの、君が初めてだ、セリス」
キャー!惚れてまうやろ!てか、もうすでに惚れてるのか?会ったばっかで!?
会ったばっかも何も、一目惚れしていたのかもしれない。あの瞬間に。
しばらくドキドキしていた後、気付けば眠りに落ちていた。
翌日
「…ん、もう朝…?」
気温は夜よりは少し落ち着いていた。
「あ、起きた?」
そこにはノアの姿があった。やはり、昨日のことは夢ではなかった…。
「さて、じゃあ街に降りようか」
「ええ」
こうして私たちは辺境の街に降りることにした。
ノアがまたしても飛んで連れて行ってくれた。
街の近くに降り立つと、1枚の紙切れを見つける。
「君の国はよっぽどせっかちなようだね」
その紙を拾ったノアが言う。
それは、私とノアの指名手配書だった。
「OK。じゃあ言ったとおりボクが食料をとってくるよ。君はそこらへんに隠れてて。見つからないようにね」
「分かったわ」
こうして、ノアの帰りを待つことにした。




