旅商人
翌朝
目を覚ます。
はぁ…。結局そのまま寝てしまったのか。
今の状況を全く整理できていないまま、2日がたった。
国がどこまで動いているのか、知るすべはなかった。
「ふぅ~ん。君の寝顔も結構悪くなかったよ?」
ノアだ。いきなり朝からかましてくる。
「毎回いうけど、そんなこと言ってる場合ですか?」
私はきっぱり言う。
「そんな顔真っ赤で言われても説得力がないよね」
また真っ赤になってた!?私は心の中で動揺した。
「と、ところで。これからどうするの?ずっとゆっくり旅って訳にもいかないでしょ?」
「そうかなぁ~?ボクはゆっくりいつまでも旅がしていたいけどなぁ~」
ノアはこっちを見て
「君と一緒にね」
と、付け足した。
この人たらしな感じは一体どこで習ってきたんだ?まったく。
私は疑問だった。
「とりあえず外出よう。朝食はついてるの?」
確かに。そろそろお腹が空いてきたところだ。
「そうね。おそらくついてるわ。行きましょう」
私たちは食事をとりに1階まで下りて行った。
それぞれ席に着くと、間もなく食事が机に並べられた。
「おいしそう」
と、私。
「そうだね~」
と、ノア。
「そういえば、この前もそうだけど、ドラゴンも人間のご飯っておいしそうと思うの?」
「まぁ、食べれなくはないかな~」
ま、その程度か。当然だ。
ドラゴンは人を食う。…当然だ。
朝から複雑な気分になってしまった。
にしては
「随分おいしそうに食べるわね」
そぉ~?と、ノア。
ノアなりに気をつかってくれたのだろうか。
そういうことにしときますか。
私たちは朝食を食べ進めた。
朝食をとり終えて、外に出た。
「さぁ~ていよいよ観光だ~」
と、はりきっているノア。
「…そんなにはりきって大丈夫?追っ手は来てない…?」
私は受付でもらってきた観光マップを持ってそう言う。
「だから、説得力ないよぉ~」
と、ノアは小走りで先を行く。
私は後ろから道を教えるが、ノアは全く言うことを聞かず好きな方へ行く。
「ちょっと、そっちじゃないってば!」
私たちはしばらく走っていた。
すると、ノアの少し先に何やら人がいた。
なんだろう。少し困っている素振りを見せている。
私たちは駆け寄ってみる。
「どうかしましたか~?」
声を掛ける。すると
「いやぁ~すみませんねぇ~。ちょっと荷馬車が壊れてしまいましてぇ」
20代後半くらいの男性だ。馬車を見る限り、旅商人といったところだろう。
「そうですか…」
しかしあいにく工具は持ち合わせていない。どうしたものか。
するとノアが言った。
「ここを直せばいいの?」
はい。と旅商人。
「任せといて~!」
ノアは壊れたか所に手をかざすと、光が放たれた。
「何ということだぁ」
旅商人が驚嘆する。
なんと、荷馬車が直っていくではないか!
「はい、これで大丈夫」
と、ノア。旅商人は感謝してもしきれないといったところだ。
「いやぁ~有り難い。何かお礼をさせてくださいよぉ」
「じゃあ、情報をちょうだいな?」
と、ノア。一体どんな情報を欲しているのだろう。




