謎の少女
「情報ですかぃ?一体なにが知りたいんです?」
と、旅商人。いきなり聞かれて少し戸惑い気味だ。
「そうだなぁ~…。とりあえず国の中心まで行けるいい道を教えてよ」
ノアは飽くまで国の中心に行きたいみたいだ。
行ってどうするんだろう?こんな状況で…。
「分かりました。お安い御用です」
そう言うと旅商人は色々と教えてくれたのだった。
危険な場所やらおすすめの観光地まで色々と。
「ところで、こんな所に来て一体お二方は何をしてらっしゃったんでぇ?」
ここは町外れの人通りの少ない道。
観光に行くといっていたノアになぜか連れてこられた。
「た、確かに。ノア、一体どうしてこんなところへ?」
私が聞く。
「なんとなくだよ~ん」
テキトーだった。
しかし、もしかしたら旅商人が困っていることを予知していた?
情報を聞くためにわざわざ手助けをして…。
だとしたらよっぽど勘がいいのでは?
まさかな、と思いつつ。その可能性を頭から消しきれなかった。
私たちはその後、旅商人と別れた。
「さぁ~てぇ。じゃあ、観光の続きだ!」
と、はりきるノア。
「ここの名物は噴水だよ。噴水と逆方向を見てコインを投げ入れるんだ」
へぇ~、一体何の意味が…?ま、観光名所なんてそんなもんか。
と、ノアにコインを渡す。
エイッといってノアがコインを投げた。
しかしコインは思いのほか距離を伸ばし、向こう側の通行人のフードにホールインワンした。
「あぁ…僕のコインが歩いてゆく…」
私は吹き出してしまう。
可愛いところもあるノアだった。
「よぉ~し!観光地も満喫したし、次行きますかぁ~」
あれでよかったのか?とも思ったが、いいならいいんだろう。
私たちは次の目的地を目指し出発する。
ノアは相変わらず私の先を歩く。
しばらくして
「あれ?ノア?そっちは行っちゃいけないってさっきの商人に言われなかった?」
「そうだっけぇ~?」
まさか、そんなに記憶力の危うい子じゃないはず。
だったらどうして?
ノアはどんどん進んで行く。まったく迷いがない。
また何かを予期しているのか?
ノアの迷いのなさとは裏腹に、私はどんどん不安になっていった。
ちょ、ちょっとノア。本当に大丈夫なの…?と、言いかけたその時
「た、助けてください…誰かぁっ…!!」
前から叫び声が聞こえた。
叫びの主は少女だった。走ってくるではないか。
「ど、どうしたの一体!?」
私はその少女に急いで駆け寄る。
「た、助けてください…。町が…私の、家族が…!」
息も絶え絶えにそう訴えてくる。
「ノ、ノア。これは一体…!?」
「さぁね。とりあえず行ってみようか~」
いつもよりも真剣な態度のノア。
一体この先に何があるのか…




