4.ミユキちゃんの結婚
ミユキちゃんがユカちゃんのお父さんと結婚するという衝撃的な知らせだが届いた。
「うそでしょ?」母が叫んだ。
「なんとうらやましい」父が思わずもらした。
「お父さん!」母は聞き逃さなかった。
「すまん」
「ロリコンだったのか」
「失礼なこと言わないでよー」ユカちゃんが怒った。
「いや、でも」
「ミユキちゃんはね、大人の女にされちゃったんだよー」
「どういうこと?」
「悪い奴らにさんざんいやらしい男の相手させられたせいで、その…」
「なるほど。身体が性の快楽に目覚めてしまったのか」
「お父さん!」母の口調が鋭い。
「それだけじゃなくて、いろんなことされて痛めつけられるのもなんか気持ちよくなっちゃったんだって」
「だからもう普通の女の子じゃないなんて言ったのね」母がため息をついた。
「それは脳がそう処理しないと耐えられなかったからじゃないのか」
「アタシといっしょに1週間暮らして、普通の身体に戻れるかもって期待したけど、だめだった。それでこの前お父さんにお願いですから痛めつけてくださいって頼んだんだって」
「それをお父さんは引き受けたの?」
「ロリコンの上に変態だったか」
「失礼なこと言わないでよー」またユカちゃんが怒った。「かわいそうに思って、願いを聞いてあげたんだよー。やさしいんだよー」
「わかったわかった」
「じゃあミユキちゃんがお母さんになるの?」アキちゃんが話題を変えた。
「そうなのー。でもね、今までどおりミユキちゃんって呼んでいいって」
「じゃあ学校は?」
「卒業するまでは今のままで行くー」
「ミユキちゃんはもうお父さんといっしょに寝てるの?」
「まさかー。ミユキちゃんがお父さんと寝るのはー、ミユキちゃんががまんできなくなった時だけー」
「そ、そうなの」アキちゃんの顔が赤くなった。「わたしは毎日…」
「なんかー、身体をむちゃくちゃにされるから毎日はムリなんだってー」
「く、くわしく言わなくていいよ」
「だからその時はアタシまたここへ泊りに来ていいかなー」
「料理を忘れないでね」母が言った。
「お酒もな」父が付け足した。
真夜中にユカちゃんから連絡が入った。
「今から行くから待っててー」
「なんなの、あの子は」母は不機嫌だ。
しばらくしてユカちゃんとミユキちゃんが車で到着した。驚いたことに料理もお酒も持参していた。この夜中にスタッフに作らせたのか? なんてわがままなやつだ。でも母の機嫌は少しよくなった。父は酒さえあれば上機嫌だ。
ミユキちゃんはうつ向いたまま両手を膝の上で握りしめている。
「で、いったいどうしたの?」アキちゃんが聞いた。
「ミユキちゃんに禁断症状が出たんだよ。でもお父さんは出張中で」
ミユキちゃんがゆっくり視線を上げて僕の方を見た。顔がほんのり赤くなって、目つきがおかしい。
「んふ…ねえ…」いつものミユキちゃんの声じゃない。
なんだこれ。甘えたかすれ声に僕の性器が自然に膨らむ。抵抗できない。オスの本能を直接刺激しているのか。これに比べたらユカちゃんの誘惑なんて子供のおねだりだ。
「う…うん…好きにして…」僕に向かってくる。
「だめー。コレはわたしのだよー」アキちゃんが両手を広げてさえぎった。
「いいじゃん。ミユキちゃんにもわけてあげたらー? アタシみたいにー」ユカちゃんがおもしろがって言う。
「わけてないでしょー」
「そう思いたいだけでしょー」
気が付いたらミユキちゃんは酔った父に抱きついている。
「んん…ああ…ぐちゃぐちゃにして…」くねくねと身をよじる。
母がミユキちゃんの襟をつかんで引きはがした。そのままズルズル引きずって行く。
「ああ…もっと乱暴にして…もっと…」
ミユキちゃんは奥の部屋まで引きずり込まれて、その直後、パァン!と平手打ちの音がした。
「ひいい…でもいい…もっと痛くして…ああ…いやっ…何するの…やめて…ああん…」
声を聞いてるだけでイキそうになる。魔性の声だ。父は放心状態だ。
母が出て来た。
「お父さん! なにおとなしく抱きつかれてるのよ! 殺されたいの?」
「す、すまん」
「ミユキちゃんは?」アキちゃんが恐る恐る聞く。
「ひっぱたいて薬を大量にぶち込んでやったわ」母はこわい。
「だがあれは生まれつきか? それとも男たちに仕込まれてああなったのか?」
「知りません。それよりどうするの? ユカちゃんのお父さんはいつ帰ってくるわけ?」
「知らない」
「だったらすぐ連絡しなさい! ウチには置いておけないわよ」
「怒ってるの?」
「怒ってます!」
「やだ、こわーい」
「ユカちゃん、今は母さんを刺激しないでくれ」
ユカちゃんのお父さんはまだあと1日かかるということだったので、とりあえず僕たちは車で近くにあるユカちゃんの別荘のひとつに向かった。いったい別荘をいくつ持ってるんだ。だが週末だったのでちょうどよかった。ミユキちゃんはとても学校に行ける状態ではない。発情期の猫みたいだ。あの妖しげな声を連発して管理人のおじいさんや警備員やスタッフを戸惑わせている。母から薬は預かって来たが、乱用すると危険らしいから慎重に使わないといけない。
「もう、カレにやってもらったらいいじゃん」ユカちゃんは楽しそうだ。
「ぜったい、やだー」アキちゃんはすぐムキになる。
「ここの男性スタッフでもいいんじゃないのか」僕が提案した。
「それはうちのお父さんが許さないよー。妻だよー」
「じゃあなんでカレはいいのよー」とアキちゃん。
「あ、そうか」
「何考えてんのよー」
ミユキちゃんの妖艶な目つきがこわい。顔つきもいつもは童顔なのになんか異様に大人びて見える。メスのフェロモンが出っぱなしだ。別荘の男性スタッフもユカちゃんのお父さんが怖いから手を出せないだけで、誘惑されまくっている。ユカちゃんが提案して、今はアキちゃんと3人でプールで遊んでいる。もちろん僕は参加しない。とにかくミユキちゃんの身体を動かして疲れさそうという作戦らしい。
昼食後、来客の知らせがあった。道に迷って車が故障したという。僕たちは玄関ホールへ出て行った。3人の男が立っていた。大学生か? 管理人のおじいさんと警備員が立ち会う。
「すみません。少し休憩させてもらえるだけでもいいんですが」
「いいよー」ユカちゃんは気軽に答える。
そこでミユキちゃんが思わぬ行動に出た。ふらふら前に出て先頭の男に抱きついた。
「んんん…わたしを人質にして…いじめて…好きにして」
「ミユキちゃん、何を言い出すんだ」
「んん…わたし…3人いっしょでもいいよ…相手できるよ…」
「なんだこりゃ」抱きつかれた男もびっくりしている。「でもまあそういうことなら」
男はナイフを取り出してミユキちゃんの首に当てた。どういうこと? もともと強盗目的だったのか?
「いいご身分だな、ええ、おい」僕に向かって言う。「どこの金持ちのボンボンか知らねえが、まだガキのくせに女3人もはべらせやがって、いい気なもんだ。気に食わねえな」
「はやく…はやく…」ミユキちゃんはもだえている。
「わかったわかった。すぐだからな。いったいどういう調教したんだ? おまえどう見てもまだ中学生だろうがよ。お前みたいな奴はろくな大人にならねえ。自分のカネでもないのに贅沢しやがって、女も思い通りにし放題かよ。そこの美人もカネで釣ったのかよ。いいオッパイしてるじゃねえか。おい、おまえもこっちへ来い」
「やだ」ユカちゃんが答える。
「おっと、いいのか?」ミユキちゃんの首にナイフが食い込む。血がにじむ。
「ああ…いい…」ミユキちゃんがもだえる。
「待って、待って」ユカちゃんがしかたなく前に進んだ。二番目の男が抱きかかえた。
「やめてよー」ユカちゃんが叫ぶ。
「そこのチビは…まあ、いいか」
怒ったアキちゃんが一瞬で3人を蹴り倒した。失礼なことを言うからだ。
管理人のおじいさんと警備員があっけにとられた。が、すぐに3人を拘束して、警察に連絡した。ユカちゃんのお父さんにも知らせている。
「いや…いや…いじめてくれなきゃ…」ミユキちゃんが半狂乱になった。仕方なく薬を使おうとしたら、アキちゃんが蹴って気絶させた。その手があったのか。
ユカちゃんのお父さんは予定をすべてキャンセルして駆け付けた。
「私が悪かった。妻を第一に考えるべきだった」
以前と違って僕とアキちゃんは同じ部屋だ。新婚だから当然だ。夜、ユカちゃんがやって来た。
「ねえねえ、行こう?」
「どこへ?」
「お父さんの部屋」
「えー?」
「悪趣味だろ」
「行くー」
行くのか。アキちゃんが僕の手を引く。
「僕も?」
「わたしから離れないで」
「いやそんな」
仕方なくついて行く。
お父さんの部屋からすごい悲鳴が聞こえる。
「ああー、ひいいい、いやあああ」ミユキちゃんの声だ。
部屋の中で何が行われているのかわからない。
「すごいね」
「何をやってるんだろう」
「ふううう、ぎゃあああ」
「ああ、見たいな」ユカちゃんは興味津々だ。
「うん」アキちゃんも息を飲んでいる。「何か方法ないの?」
「監視カメラも取り外されてた」
「そりゃそうだろ」僕が言う。
「ぐええ、もうやめてええ」
「もう、がまんできない」
ユカちゃんが駆け出した。
「どこ行くのー?」
「合鍵取ってくるー」
「そんなものがあるのか?」
「隠し場所知ってるー」なんてやつだ。
「ひゃあああ、おおおう」
ユカちゃんが合鍵を持って戻って来た。
「開けるよー」
僕たちは息を飲んだ。カチャ。ユカちゃんが思いっきりドアを開けた。
大きな衝立が立てられていた。
「何よ、これー」ユカちゃんが手こずりながら衝立をなんとかどけた。
ユカちゃんのお父さんが立っていた。あわててガウンを着たのだろう。肩で息をしている。
「何だ」僕たちをにらみつけた。
部屋の中は拷問器具のようなものでいっぱいだ。ベッドに掛布がかけられているが、その下にミユキちゃんの身体があるのだろう。これもあわててかけたに違いない。掛布が小刻みにふるえている。痙攣しているのか。
「ううう…ああ…」ミユキちゃんの声もふるえている。
「出ていけ」お父さんが静かに言った。
「はーい」ユカちゃんは引き下がった。
「惜しかったねー」とアキちゃん。
「どんなことやってたんだろう」
「ミユキちゃんに聞いてみる?」
「答えてくれるかなー」
「夫婦の秘め事だしねー」
「そうだ、アキちゃんのお母さんに聞き出してもらおう」
「えー?」
「そんなことはあなたたちが知らなくていいです」母が言った。
「えー?」
「もっと大人になったらわかります」
「えー?」
「でも、連れてきていいわよ」
「えー?」
「聞くだけ聞いてあげる」
「そうなの?」
「料理お願いね」
「お酒もね」父が横から言った。
ユカちゃんが料理とお酒とミユキちゃんを連れてやって来た。ミユキちゃんはキャリーケースを転がしている。
「で、ユカちゃんのお父さんとどんなことやってるの?」母が単刀直入に聞く。
「そんなこと…言えません」
「いいのよ。使っている道具は持ってきてくれた?」
「はい」ミユキちゃんはキャリーケースを差し出した。
「それでいいわ」
「え?」
「今夜はわたしが相手よ」
「え?」
「わたしがメチャクチャにしてあげる」
「いいんですか?」
その夜、ミユキちゃんの悲鳴が夜通し続いた。
翌朝。母は疲れ切っていた。ミユキちゃんはポーッと宙を見上げている。
「すてきな夜でした…」
「そんなに?」父がつぶやく。
「あなたには想像もつかないわよ」と母。
「そうなのか? すごく気になる」
「あなたは気にしなくて結構」母がキッパリ言った。
「アタシのお父さんと同じことされたの?」ユカちゃんが聞く。
「はじめてのことも…あった」ミユキちゃんはうっとりした顔で答える。
「そうなの? お父さんもまだまだってことね」
「ねえねえ、どんなことされたの?」アキちゃんは気になってしかたないようだ。
「とても…言えない」
「ユカちゃんとちがってわたしは人妻だよ。何でも言ってくれていいんだよ」
「何よそれー」ユカちゃんがふくれた。
結局ミユキちゃんからも母からも情報は得られなかった。ユカちゃんのお父さんは今後出張する時はミユキちゃんも同伴させることにした。正直ミユキちゃんの禁断症状があれほどスゴイとは誰も思っていなかった。アキちゃんとユカちゃんは好奇心が満たされず、ずっとモヤモヤしている。二人でミユキちゃんの例の声を真似ようとするが、二人とも下手すぎて、僕は思わず笑ってしまう。
「でも今まで禁断症状が出たらどうしてたの? たとえば学校とかで」
「ばかねえ、最初っからあんな状態になるわけないでしょ。あれは何もしないで放置してたからだよ。夜まではなんとかがまんできるんだって」
「夜の力ってすごいんだ」
「アキちゃんもそうじゃないのー?」
「えー、やだー、はずかしいー」
「ミユキちゃんがされたこと、カレにやってもらったらー?」
「えー、でも何されたかわかんないしー」
「そうだよねー」
「でもわかったとしてー、クセになったらどうするー?」
「あんな声が出せるようになるかなー」
「いいねー」
「いいよねー、アタシもやってもらいた-い」
「早くカレシ作りなー」
「早くカレと別れなー」
「なんでそうなるのよー」




