第八十五話 はちゃめちゃドカンッ!
ケルベロスを走らせ、ドルーゴーリマに無事到着。
ドルーゴーリマは相変わらずのどかで美しい。
奥には、高級感溢れながらも派手さを感じさせないドルーゴーリマを象徴するお城も見える。
そのとたん、心臓がうずいた。
……あの時を思い出してしまった。
そう、ぎょっとしたようなコバルトの瞳に、眉間にシワを寄せるキレイな額に、僕のことを「わからない」と言う真っ赤な唇に……っ!
そんな彼女の態度にぽっかり穴があいた。
ひどく傷心した。
もうこんなに悲しむくらいなら、絶交すればいのに。
理屈ではわかってる。
それなのに僕はまだ彼女に会いたいと思ってしまっている。
……好きだな。
「ルロ、ララ、いい? これからドルーゴーリマの人と大事な話し合いがあるんだ」
「大事な話し合い?」
ルロは純粋になのか、計算なのか、かわいく首をかしげた。
「そう。大事なこと。僕が旅に出られるか出られないかの問題だ」
「死活問題じゃないの!」
「別にあいつが死んだくらいでどうでもいいんだぞ」
「いじめアンケートに書きたいような言葉が聞こえたのは気のせいだよね!?」
ララはフンッとそっぽを向いた。
……あぁ、まったく。口が悪いなぁ。
でもルロもこんな感じだったからなぁ。
姉妹だからなんだろうね。知らんけど(←これ、流行語らしいですよ。知らんけど)。
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ドキドキ。
もう心臓が止まりそうなくらい激しく拍動する。
お城の中に入った瞬間こんな感じだ。
そんな僕を見て、ララに「さすがだぞ。お前は小物っぽい人間代表だもんなーだぞ」と皮肉を言われた。
ルロはお城をぐるーっと見回す。
キレイなものが好きなルロからしたら城は楽園だろう。
そんなことはさておき、やはり先日僕が大暴れ(?)をしたせいなのか城内の兵士たちに白い目で見られている。
……あのときは感情のままに語ってしまったので、引かれていても僕はなんにも言い返せない。
そんなことを考えているうちに玉座の間の扉の前に立っていた。
ゴクリとつばを飲み込む。
「ララ。キミはリスの姿でいてくれないかな?」
「どうしたなのだぞ?」
……どうしてなのだぞって日本語おかしくないか?
「んーっとね、今からミランスっていう勇者とお話するんだけど、あいつマジでキャラが強いの」
「……こいつ勇者のことをあいつ呼ばわりしてるぞ」
「そんなことはともかく、ルロもキャラ強いでしょ?」
「あたし?」
ルロは人差し指で自分を指差し、不思議そうな顔をする。
……自覚無しか。
「で、そのキャラが強いところにまたキャラの強いララが入ると、もう、はちゃめちゃドカンッ! 話がなかなか進まなくて作者が萎えるからさ。風音さん、テスト後で結構疲れてるし」
「「……作者? 風音さん?」」
ルロ&ララがポカンとしているが、そんなこと知ったこっちゃない。
「それに、ララが僕の評価を下げるようなことを言ったら、ホントに僕の人生が終わるから」
「レンの命が終わる!?」
ルロは僕の比喩表現を真摯に受け止めて絶句する。
……意外と純粋だな。
「レンが死ぬってことはあたしが死ぬようなものよ。ララ、リスになりなさい」
「僕の命って他人の命も背負ってたんだ!?」
「……お姉ちゃんが言うなら、仕方ないぞ」
ララは不服そうにリスになった。
ふぅ、これでひと安心。
作者の負担が減るね!!(レンくん、そういうことは口にだしちゃいけないよー by風音)
「よし」
真っ正面を向き、そらさない。
ルロはニヤリと笑って僕を見た。
「あたしにはこれからやることが全然わかんないけど、大丈夫よ」
そして彼女は僕の背中をバシンと叩いた。
「いでっ」
「あたしがついてるわ、大船に乗ったつもりで行きなさい」
ニカッと笑うルロは嬉しそうだった。
つられて思わず広角が上がる。
……うん、大丈夫だ。
僕ならいける。
ミランスとまた、絆を結び直してみせる。
僕は扉に手をかけた。
みなさんお久し振りです!
テスト終わりました(*^^*)




