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第七十六話 寒すぎるってマジで

  がこがこがこがこ


 揺れるケルベロス車に乗ること一日。

 ツンデレ地帯が見えてきた。

 ちなみにケルベロス車をドルーゴーリマで受け取ったとき、ひどい目にあった。

 まぁ、なんというか、ケルベロスの三つの頭に暴力をふられたっていうのかな?

 一番右の頭には髪の毛を引っ張られ、真ん中の頭には制服をズタズタにされ、一番左の頭には筋肉野郎通訳で「キミって意外と特徴ないね」などの言葉の暴力を受けた。

 あまりにもケルベロスがひどいので、おやつなしにするぞ! とおどしたらみんなつぶらな瞳で僕を見てくるもんだから、うん。おかしあげちゃった☆

 地獄の番犬と言われつつ、お菓子代好きだからね。

 そのギャップはかわいい気がする。

 そして余談だけど、ケルベロスの飼い主はミランスらしい。

 ……衝撃だよ。

 あの温厚で優美なミランスがどんな風に飼ったら、あんなケルベロスが育つんだろうね。

 ペットは飼い主に似るなんて言葉、信用しないほうがいいね。うん。


「着いたぁ。ってかさんっむ」


 ツンデレ地帯に足を踏み入れた瞬間、酷寒が襲ってくる。

 吹く風もぴゅ~どころじゃなく、ぴゅぅぅぅぅぅぅぅぅだからね!?

 めっちゃくちゃ寒いよ。

 でも前回ほどは寒くない。

 いや、寒いけど。

 そういえばミランスがツンデレ地帯の平均気温はマイナス三十度とかって言ってた気がする。

 そりゃ寒いな。

 鼻はむずむずするし、空気を吸ったら肺のなかが冷えた感じがして気持ち悪い。

 あ、待って。

 ヤバいかもしんない。

 まともに立てなくなってきた

 焦点があわなくなりフラフラする。

 踏ん張ろうとして手を握ってみるが、寒くて力が入んない。

 ダメだ。制服だけじゃ寒すぎるに決まってる。

 もう、ぅあ……。


「ミラン、ス……」


 意識がどんどん遠のいていく。

 自分がどんな体制でいるのかもわかんない。

 もしかしたら倒れてるかも。

 でもそんなこと考えてらんない。

 ヤバい、あ、もう、ダ……メ……。


  がふっ


「まったく。屋外で昼寝とかどういう神経してんのよ」


「お姉ちゃん! そんな嫌み言っちゃだめだぞ。死んじゃうぞ! 助けないとだぞ」


「助ける? あたしにとってはいなくなってくれた方がましだわ。どうせどいつもこいつも天気神の能力がわかったらあたしをつるし上げるんだから」


「……へぇ。じゃあ、どうしてそいつをおんぶしているのだぞ?」


「貸しをつくってるだけよ。それ意外あるわけないでしょ」


「ふぅんだぞ」


「そのニタニタするの、やめなさい!」


***********************************************************


「……ん?」


 目を開けたら床で寝てた。

 毛布と枕に触れて。

 あぁっ。あったかー。

 床で寝させる割にはなんか優しいな。

 ダレの家かはしらないけど、挨拶にいかないと。

 そう思い、毛布を払ってたったら。


「……っ!」


 ヤバい、これ。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!」


 なんか、冒険者の服を着てるんですけどぉぉぉ!?

 嬉しくて倒れそうだ。


「ちょっと、うるさいぞ!」


 ダンッと勢いよくドアを開けたのは……なにこれ。

 人間じゃない。

 薄黄色のショートカットてっぺんに茶色の丸い耳がついている。

 突っ込みたいのが頬の近くにも人間と同じ耳があるので、実質耳は四つることになる。

 至極色の瞳はくりっとしていてあどけなさを感じる。

 全体的に童顔だ。

 そしてなによりも、胸元に青いリボンがついた白のワンピースからは、茶色の尻尾らしきものが出てる。

 え、なにこいつ。

 どういう生き物?

 まず性別は女っぽいけど……。

 いや、そうじゃなくて、尻尾と耳がめちゃくちゃ気になるんだけど。


「あ、どうも……」


「どうもじゃないぞ! まずはうるさくしてごめんなさいってあやまるんだぞ! そんなこともわからないのか? だぞ」


「あ、すみません……」


「それでいいんだぞ!」


 なんかめっちゃ高圧的だな。

 あの人ほどではないけど。


「あの……。あなたダレですか?」


「ララだぞ」


 よく見ると彼女は出っ歯だ。

 いや、そんなことどうでもいいな。


「僕はレン。キミ何者?」


「ルロお姉ちゃんの妹だぞ」


 いや、そういうことを聞いているんじゃなくてって、


「うえぇぇぇぇぇ!?」


 ルロ?


「ルロってあのツンデレの?」


「そうだぞ」


「ルロってあの強がりな?」


「そうだぞ」


「え、じゃあ意外とマヨラーな、あのルロ?」


「そうだぞ。っていうかお前よくお姉ちゃんを知ってるんだぞね」


 マヨラーのルロなんて、あのルロしかいない(思い込みです)。

 え、待って。

 ってことはここにいるララは前回フルーフに殺害された……っ!

 あれ……?


「キミりすじゃないの?」


 前回僕がララを見たときは完全なるリスだった。

 でも今はなんかよくわかんない、人間とケモノのハーフみたいになってる。


「んーっと、ララの普段の姿はこっちなんだけど、疲れたり移動したり、なんか理由があったらリスになるんだぞ」


 へぇ~なるほどね。


「にしてもアホな顔で寝てたぞ」


 ララはクスクス笑う。

 ……この感じルロに似てる。

 やっぱりペットは飼い主に似るんだね。うん。

 まぁ、ララはペットじゃないけど。

 そのとき、


「いつまでボサッと立ってるわけ?」


 あの人が現れた。

ツンデレ♪ ツンデレ♪

風音の好物はツンデレです。


お読みいただきありがとうございます!

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