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第六十一話 迷子

 これが洞窟か。

 僕の身長の二倍くらいありそう。

 洞窟の周りは草が生い茂っていて、もうその先は進めなくなっている。

 まぁ、そんなことはどうでもいい。

 洞窟の入り口には重厚な鉄の棒が組合わさっている扉がある。それにオーライバーさんからもらった鍵を入れようとして、とってに手をかけたら


「あっ」


 フツーに扉が開いた。

 なんか肩透かし。

 鍵を閉め忘れていたのかな?

 まぁ、いっか。なんかよくわかんないけど。

 とりあえずすたこら洞窟の中に入る。

 もちろん真っ暗だ。

 灯りなんてあるわけがない。

 どうしよう。暗いなぁ。

 バックをあさってみる。

 そういえば教科書も入ってたっけ?

 ただの荷物にしかならないし捨てよう。

 教科書をそこら辺にボンと置く。

 うーん。それにしても明るくなるものないなぁ。

 スマホはあるけど電池の残量が一桁なんだよね。

 緊急時に使えるように電源はきってあるけど。

 そういえばこんなのももらったっけ。

 リュックから出てきたガチャガチャのカプセルのようなものが出てきた。

 これはドルーゴーリマの王様からもらったやつだけど、なんだっけ? これを使うと僕の故郷に帰れるんだっけ。

 これは大切だし、使い時は今じゃない。そう確信してリュックに戻した。

 火をおこせるものないかな。

 またリュックをあさる。

 ……しかし、ない!

 まぁ、いいや。

 軽くなったリュックを背負い辺りを見回す。

 右と左と正面と、三つの道があった。

 なんとなく右が好きなので、右に歩いてみる。

 細い道なのか廊下なのかが続いている。

 カサカサカサと音がするのは蜘蛛が動いているからだろうか。

 周りがわからないと五感がやけに敏感になり、緊張感が離れない。

 そんなことを考えながら歩いていると、


「ふぁぇ!?」


 足場が、ない!?

 踏み込んだ右足が浮遊し、バランスを崩す。

 どどどどどどど、どうしよう!

 とりあえず全体重を後ろに向け、後傾の姿勢をとった。


  バゴンッ


 不幸中の幸い僕は頭を床に打ち付け、一命を取り留めた。

 もちろん僕の頭の上でヒヨコがピヨピヨしてるのは言うまでもない。


「ふぅ」


 立ち上がり前を見ると、ゾッとした。

 だってもうこの先、道が崩れてなくなっているんだもん。

 ここの下はどうなってるんだろう。

 ……考えたくもない。

 僕は回れ右をして、最初にいた部屋に戻った。


「えーっと」


 次は正面の通路を歩いてみる。

 今度は足元に注意をして進んだ。

 進んで進んで進んで進んだ。

 ……しかし行き止まりだ。

 今回は普通に壁が立っていて進めなくなっている。

 えっ。そんな。

 どうすればいいんだろう。

 っていうか真面目にどうしよう。

 とりあえずもとの部屋に戻って考える。

 え、でも。もうこれ必然的にやることひとつになるよね。

 左の通路を歩いてみる。

 その先には小さな部屋があった。

 その部屋になにがあるかと言われてもなにもなく、強いて言うなら看板と、入り口にあったのと同じような扉があった。

 ……なにこの看板。

 薄暗くて読みづらいが、眉間にシワを寄せてがんばって解読する。

 えーっと、なになに?


『この洞窟の扉は内側からは開かない』


 ……ゑ。

 ウソ! ウソでしょ。

 僕はこのままここで最期を向かえる……?

 やだやだやだ!

 そんなのごめんだよ。

 怖くて焦りがこみ上がってきて、呼吸が荒くなる。

 そんなわけないと思いたくて、この部屋の扉を開けようと試みる。

 ……が。


  ガゴガゴガゴ


 ダメだ! 開かない。イヤだ。どうしよう。

 そうだ、もしかしたら僕が初めに入った扉なら開くかもしれない!

 そんな甘い考えがよぎり、最初の部屋へと急ぐ。

 それなのに。


  ガゴンガゴンガゴンガゴン


 ぜんっぜん開かない。

 ……そうだ、このオーライバーにもらった鍵を使えば開くかもしれない。

 一縷の望みをかけて鍵を取り出した。

 しかし鍵穴にさして回そうとしても、引っ掛かって回転しない。

 ……そんな。

 もう僕ここで終わんなくちゃいけないの?

 心臓が凍りつき、鼓動するたびに汗がじわじわと垂れてくる。


「……最悪だ」


 こんなことになるんだったら、ミランスにちゃんと想いを伝えるべきだった。

 僕の「好き」は友愛じゃなくて恋愛だよって教えたかった。伝えたかった。知っておいてほしかった。

 なのに、どうしてあんな曖昧な感じで終わっちゃったんだろう。

 後悔しかない。

 ミランスを失望させて終わらせるなんて──。

 伝えたい。わかってほしい。

 なんで、僕たちの最後があれなの?

 ……どうしてミランスはわかってくれないの?

 僕の気持ちも、僕の気遣いも、全部どうしてわかってくれないの?

 はたから見たら立派な八つ当たりに思える。

 でも違う。ミランスがわかってくれないからこんなに後悔しているんじゃないか。

 僕は善意でただ頑張ってやってただけだよ。

 ミランスのことを思ってやったのに。

 あぁぁぁ。ここで死にたくないよ。

 どうしてここで終わんなくちゃいけないの?


「最悪だよ、まったく」


 ポツリと嘆いてみた。

 特に意味があったわけじゃない。

 大逆転を期待したわけじゃない。

 だけど……。


「最悪って言っているうちはまだ最悪じゃない、どこかのダレかさんが言ってたわよ」


 救世主が現れた。

あーあー!

最後は私の大好きなあのこがー!

これ以上言うとネタバレになろそうなんで、お口チャックします。


お読みいただきありがとうございます!

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