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第五十四話 ルロ先輩

「レンさん! レンさん!」


 ……ん?

 そっとまぶたを開ける。

 まず見えたのは青空を背景とした能天気な勇者──ミランス。

 次に見えたのは見慣れない大きな大きな扉だ。


「おはよーございます!」


「ちっともお早くないわよ。日が暮れちゃうわ」


 ルロが現れる。

 相変わらずの嫌みたっぷり口調だ。

 ……この感じだと僕は眠ってたのかな?

 改めて自分を見ると、だらしなく伸びた足がケルベロス車からはみ出し、頭には枕代わりにかリュックが置いてあった。

 寝てたんだ……。

 僕はなんの夢を見てたんだっけ。

 高校入学の……だったような。あれ、わかんない。

 ついさっきまで当たり前のように覚えてたのに……。

 考えても考えても記憶の蓋がなかなか開かない。


「なにボケーッとしてんのよ。早く行くわよ」


「行くってどこに」


「マリオネットワールドに着いたんです! さぁさぁ早速行きましょう」


 あぁ、そうだった。

 僕たちマリオネットワールドに向かってたんだ。

 色々思い出して疲れた。


「ちなみにだけど、どれくらい僕寝てた?」


「そうですねぇ。一応タイムタスクからここまで三日程かかったので、多分レンさん二日ほどぶっ通しで寝てたと思います」


 わーお。

 寝たねぇ。そんなに疲れてる印象はなかったけど。

 っていうかずっとケルベロス車で寝てたならすんごくミランスたちのジャマになってたよね。

 申し訳ない……。

 頭を下げる。


「頭を下げるくらいなら早く歩きなさいよ! あんた、ほんっとーにバカね。呆れるわ」


 ……うぜー。

 しかし、そんなこと言ったところで雰囲気は悪くなるだけ。

 思うところはたくさんあるが、足をマリオネットワールドへ運んだ。


「わーっ! これがマリオネットワールドですかー。あひゃーすごいですねぇ」


 マリオネットワールドに入るなりミランスは大興奮。

 なんて言ったって、この国はそこらじゅうぬいぐるみで溢れかえっている。足の踏み場すらない。

 大きいものもあれば小さいもの、キツネもいればネコもいて、ホントに様々だ。

 この国の人々は家を持っていないのだろうか。

 家らしきものはひとつも見当たらない。

 っていうかそもそも人がいない。


「レンさーん、かわいいですよ! ひとつ持って帰りましょうよ」


「ダーメ。もともとせまいケルベロス車がもっとせまくなるよ」


「よく言うわね。ケルベロス車で二日間怠惰な格好で眠ってたあんたが……」


「すみませんすみません! ミランス! ぜひひとつ持ち帰るんだ」


「いいんですか? ありがとうございます」


 ミランスは「どれにしよーかなー」とキラキラした瞳でぬいぐるみをあさる。

 その横でルロも微笑みながらぬいぐるみを選んでいた。

 ルロもちゃっかりしてるなぁ。

 ……えっ? 僕はぬいぐるみいらないのって? いやいやさすがにいいよ。荷物になるだけだし。

 ミランスはやっと手のひらサイズのピンクウサギを手にした。


「このこの名前はー、えぇーっと……ウサギとラビットで……うさっと! うさっとちゃんです。よろしくね、うさっと」


 うさっとと名付けられたぬいぐるみに笑顔を向けるミランス。

 平和だなぁ。ミランスを見ていると苦しみや悲しみから遠ざけられる。


「ルロはぬいぐるみいらないの?」


 手ぶらでミランスを眺めているルロに尋ねた。

 ルロは少しほっぺたを赤くして膨らませた。


「ば、バカ! あたしがこんな子供っぽいものに惹かれるわけないでしょ!」


「へー? さっきぬいぐるみを微笑んで見てなかった?」


 ニヤニヤ。

 いつもさんざん言われているお返しだ。

 ルロは高速で頭を横に振る。振った振動でツインテールが思いっきり振り回され、僕の顔にわさわさと直撃する。


「違うったら違うのよ。あたしは大人でクールなの。そんなぬいぐるみなんかで遊ぶ年じゃないのよ」


「一応言っとくけど、ミランスは二十歳だよ。……っていうか、ルロって何歳?」


「は? レディーに躊躇なく年齢を聞くとかどーゆー神経してんの? だからデリカシーがないって言われるのよ」


 それはごもっともですけどー。

 ルロの言葉に僕はため息をつく。

 ガチめにルロって何歳なんだろう。

 ミランスより背は高いんだよね。

 でもなんか見栄はって背伸びして暮らしてるかもしれない(それはない)。

 うーん。多分僕より一個下くらいだと思うけど……。


「まぁ、でもそんなに知りたいなら仕方がないわ。聞いて驚きなさい──十九歳よ」


 はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

 まさかの僕より二個上だったぁぁぁぁっ。

 えっ。なに? この中だと僕が一番下ってこと?

 ショック。

 あっ。でもでも! 精神年齢は僕が一番上だから。うん。


「ほへー、ルロちゃんは十九歳かぁ。もう少しでお酒飲めるね。今度トーキョーに行ったら一緒にお酒飲もうよ!」


「……飲んであげるわ」


 きゃっきゃと盛り上がる女子の横で、僕は一人悲しくぬいぐるみを抱き締める。

 ……あの二人がお酒飲んでる隣でジュース飲んでるとか寂しすぎるでしょ。蚊帳の外感ハンパないんだけどっ!


「あっ。そーいえばレンさんお酒飲めないのかっ。じゃぁ、みんなでワイン飲みましょう!」


「「いや、ワインもお酒だわ!」」


 僕とルロのツッコミがぬいぐるみしかいない世界に響いたのでした。

あはっ投稿遅れました((

待って!ヘラヘラしてるけど待って!

理由があるんです。

夏って作文コンクールあるじゃないですか?

それ書いていたんです!

内容は抽えらの第二章を参考にしております。

あとですねー、私受験勉強をしたいなーなんて思っていましてですね。

投稿頻度が落ちる?かもしれません。

まぁ、エタるなんてことはしないのでご安心を!


お読みいただきありがとうございます

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