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第四十五話 好きだから

 チュンチュンチュン。

 鳥の鳴き声が頭に響く。

 まだホントは閉じていたいまぶたをゆっくり開ける。


「うわっ」


 窓から光が入ってきていて、僕の目が狙撃された。

 うぅー。まぶい。

 ベッドから降りて目をこする。


「うぉっ」


 頭がぼやっとしてよたついてしまう。

 足を床につけた……ら、


「んぎゃぁぁぁぁああああっ」


 痛い痛い痛い!

 なんか踏んだ!?

 右足になにかでっぱったブロックみたいなのが刺さる。

 足にかたいものが貫通したんじゃないの!?

 ってくらい超痛い。

 朝っぱらから目を狙撃されたり、足を負傷したり、僕かわいそうすぎない?


「あぁー、もー! なにあんた! 朝からマジうるさい。ダルいんですけど」


「レーンさん! 近所迷惑ですよ!」


 バーンと部屋のドアを勢いよく開けたルロ。

 その後ろにほっぺたを膨らませてこっちを見てるミランスがいた。

 ルロって結構ギャルっぽいとこあるよね(←今更すぎる)


「ごめん。足に……なんだこれっ? 石!? 石がささったみたいで」


「ふーん」


「ルロなにその顔! キミが石をここにおいたの!?」


「は? なに言ってんの? そうにきまってるでしょ?」


「えー、なんで!?」


 やることが悪質すぎるよ。

 恐怖でしかない。

 そんな身震いしてる僕に返ってきたのはびっくりアンサーだった。


「ルロちゃんがレンさんのこと好きだからですよー」


「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」


 僕とルロの声(っていうかもはや絶叫)がハモる。

 しかしミランスは不思議な顔ひとつせず口を開く。


「だって、ねぇ? 好きな人には意地悪しちゃうっていうのがあるあるですもんね」


「いやいやいや、訂正! 意地悪とかじゃなくて、これはもはやいじめだから!」


「さらっと人聞きの悪いこと言わないでほしいわ」


「その人が嫌だって思ったらそれはもういじめなんだからね!」


「あたしだっていじめられてるわよ。あんたがあたしを()()困らせる」


 毎日、を強調されてルロをにらみつける。

 ルロはそんな視線を受け流して涼やかな瞳で僕を見た。


「あんたってほーんと、めんどくさい」


「そっくりそのままお返ししてあげたいよ」


 お互い視線をそらしあってそっぽ向く。

 ふーんだ。

 もし裁判したらルロが負けるんだし。

 正しいのは僕だと心に刻んでスルーしよう。

 うん。スルースキル大事。


「……やっぱり仲良しですね」


「どこを切り取ったらそんなこと言えるの?」


 僕が首をかしげる。

 ミランスって不思議だよね。

 そう言おうとしたとき、


  ウォンウォンウォンウォン


「なんですかっ?」


「サイレンかしら」


 聞こえてくるのは高くて大きい空気を揺らすような音。

 ギンギン響いてうるさい。


「どこからだろう」


「おーい」


 外から声が聞こえて窓から顔をだす。

 アントだ。

 大きな腕を大きく振って存在をアピールしている。


「今から悪の組織で雑草取(くさばなぶっちぎる)をしようと思うけど、お前らはどうするんだ? やるのか」


「そんなことどうでもいいわ。あんたなにかサイレンについて知ってる?」


「んー、多分だけどタイムタスク王国のサイレンだと思うぞ」


 タイムタスク王国!

 僕たちが目指してたとこだよね。

 二人と顔を見合せる。

 ミランスの顔には不安が貼り付いていた。


「サイレンの発生源ってわかりますか?」


「多分、タイムタスク王国の時計台──タイムチェンジが鳴ってるんだと思う」


「……っ!」


 もう魔王軍は来てるってこと?

 タイムチェンジを動かそうとしてるの?

 冷や汗がスーっと背中を流れる。


「……行かないと」


 ミランスが走りだす。

 やる気に満ち溢れたような表情だ。だけど怖がってるようにも見えた。


「待ちなさいミランス。魔王軍かなんてわからないわよ。落ち着きなさい」


「絶対魔王です。やっつけなきゃいけないんです! 急がなきゃ。速く行かなきゃ」


 ミランスはおぼつかない足取りでその場で足踏み。


「あたしたちも、ついていくんだから」


「じゃぁ、急いでください」


 ミランスにしては珍しいちょっと冷たい態度だ。


***********************************************************


  ガタゴト


 ケルベロス車が揺れる。

 もう一時間はたっただろうか?

 ミランスいわく数時間で着くとか。

 あそこから数時間かかるとこからよくサイレンの音聞こえたなぁ。

 まぁ、でも国家機密の危機だもんね。たくさんの人に知らせないと困るか。

 そう思って景色を眺める。

 景色って言ってもそんな楽しいものはなく、木とか草とかそんなものしかない。それ以外は土の道しかない。

 かと言っておしゃべりできるような雰囲気でもない。

 まともにルロと軽口も叩けやしない。

 ないないばっかりで嫌だな。

 重たい沈黙がケルベロス車に重圧する。

 いつも明るいミランスがそうじゃないんだ。

 黙ってうつむいている。

 魔王が怖いのだろうか。不安なのだろうか。心配なのだろうか。

 ずっと思案顔で浮かない顔している。

 ルロもつられて斜め下に視線をやっている。

 ただただ暗い。


「あんたさぁ」


 ルロがキレ気味に口を開く。

 ミランスは少し驚いたようにルロを見た。


「面白いことしなさい」


「は?」


 真顔で僕を一直線に見つめる。

 お、お、お、面白いこと?

 むちゃぶりがすぎませんか?

 うーむ。

 腕を組んで考えるポーズ。

 えぇーっとー、面白い、こと? だよね。


「ふ、布団がふっとんだー」


 渾身の王道(スタンダード)なギャグ。

 シーン。

 想像通りの反応。

 うん。気まずっ。

 ミランスもルロもしらーっとした目で僕を見る。


「もっといいこといいなさいよ」


「ムリだよ! そんな頭の回転速くないんだから!」


「好きな女子くらい笑顔にしたいとか思わないわけ?」


「えっ」


 それは……、

 ルロの一言が胸にとどまる。

 ミランスの笑顔が脳裏に浮かんだ。

 好きだよ。あの笑顔が見たい。

 ミランスの笑顔が見られればこっちも嬉しくなる。

 確かに、その通りだ。

 僕はミランスを笑顔にしたい。それは譲れない想いだ。


「言われてから気づくようじゃまだまだね」


「でも……っ」


「……レンさんは、ルロちゃんのことが好きなんですか?」


「えっ」


 ミランスが興味しんしんに聞いてくる。

 なんか勘違いされてるぅぅぅぅぅ?

 ちょ、その誤解だけはホントにやめてほしいんだけどー!


「違うよ。僕が好きなのは、」


 言いかけたそのとき。


「言わないでください」


 ミランスの冷たい声。顔も辛そう。


「ミランス?」


 びっくりして顔を覗き込む。

 今にも泣いてしまいそうな表情だ。

 えぇー、どうした?

 ルロの情緒不安定が移ったの?

 チラッとルロを見ると、僕の思考がバレたのかにらまれてしまった。


「あ、タイムタスク王国が見えました」


 ミランスの顔にいつもの笑顔が戻る。

 視線の先にはお城があり、その隣にはでっかいレンガの塔のようなものが建っていた。

 なんかオシャンティーな人がいそう。

 ケルベロスも嬉しそうにガウガウ吠える。


「魔王を絶対……」


 ミランスのひたむきな眼差しと声色。

 本気なんだろうな。

 それが一瞬にしてわかる。

 その助けができたらいいな、なんて横顔を見ながら思った。

 相変わらずケルベロス車は揺れていた。

すみません! いやー、テストで投稿できませんでした。

テストまだ返されてないんですよ。

なろうに来なかった分、高得点叩きだそうと思っておりまする。

みなさん! 風音は今テストが不安で倒れそうです!


応援よろしくお願いします!


お読みいただきありがとうございました!

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