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第四十三話 ネズミ対策

「ただいまぁぁぁー!」


 ガチャンとお店の扉を開ける。

 二人でバーへ戻る道は至福の時間だった。

 最近は二人きりになることなんてあんまりなかったから、嬉しい(ぽっ)

 と同時に僕なんかがミランスを独り占めしたのがすごく申し訳ない。

 体中がふわふわしたり、ズキンズキンしたりして、不思議だ。


「お帰り」


 ルロは相変わらず素っ気ない。

 でも意外と優しいんだよね。

 寝る前とかに一人反省会とかやってそう。

 暴言も多分傷つかない程度に言ってると……


「なにニヤニヤしてんの? 気持ち悪い。もともと顔面偏差値20のくせにそんな顔してるとマイナスまで下がるわよ」


 前言撤回。

 ただひたすら嫌な人だった。


「……っていうか悪の組織は?」


 周りを見てもガランとしてる。

 バー店内は三人ぼっちだ。

 店員さんすらいない。

 えっ、もしかして今なら盗んでもバレないんじゃない!?

 と思ったがミランスに怒られるorルロに言葉の暴力でけちょんけちょんにされる未来しか見えないのでやめておく。


「店員と買い物に行ったわ。昨日飲みすぎて店内の商品なくなったらしいのよ」


「へぇ」


「悪の組織ってお酒好きなんだぁ」


 ミランスの言葉にルロは首を横にふる。


「お酒をたくさん飲んだのはネズミよ」


「「へ?」」


「悪の組織が飼ってた千匹のネズミが飲みほしたそうよ」


 昨日千匹もネズミいた?

 僕店内で動物見てないんだけど。

 っていうか千匹ネズミを飼ってるって大変だね。


「大丈夫なんでしょうかね?」


「なにが?」


「ネズミが出たら保健所に通報されるかもしれないじゃないですか」


「大丈夫よ」


 ミランスの不安そうな瞳をルロがなんでもないとニッと笑う。


「店内には今ネズミが入った瞬間火事を起こす機械が作動してるの」


「大丈夫じゃないじゃん! ネズミが来たら終わりじゃん」


「大丈夫よ。店の周りにもネズミをよけるために地雷を二百七十三個おいてあるの」


「大丈夫じゃない! 多いし怖い! 僕が無事ここに帰れたの奇跡なんだけど!」


「大丈夫。悪の組織がヘンに告げ口しないように、店員が悪の組織全員にガムを一個ずつ買ってあげるそうよ」


「大丈夫なわけがない。もう買収しちゃってんじゃん! ガムって……安いし。っていうか最後話がちょっと噛み合ってない!」


 あぁ、ツッコミが追い付かない。

 なぜか全部ルロどや顔で話してたし。

 ミランスも「わたしもガム欲しいなー」なんてよだれたらしてる。

 今日大丈夫?

 僕たちがヤバいのか作者が疲れてるのか(絶対後者)みんなヘン。


「あ、そうだ。タムさんの想い人いたでしょ」


「はい。顔が整っている方ですよね」


「まぁ、あたしたちのほうがずーっとかわいいけどね」


「あたし()()? もしかしてルロちゃん、わたしのことかわいいって言ってくれた!?」


「は、はぁ? ち、違うわよ! あいつよりましってこと! もう、まったく。勘違いしないでよね!」


「でもあの人、遠目で見てもけっこー美人だったよ?」


「うるさい」


 おい! そこ、イチャイチャするでない。

 百合物語が始まっちゃうから。

 僕仲間外れ感ありまくりだから。

 話がまったく進まないから。


「……ゴホン。でね、さっき会ったんだ」


「へぇー! タムさんの想い人に?」


「うん。ノッカさんって言うんだけど……」


 ふられちゃったんだよ。

 その一言がどうしても声にならない。

 なんだか罪悪感がモヤモヤする。

 言っていいことなのか。

 そもそも言っていいことがあるのか。

 ナゼ伝えようと思ったのか。

 なにも言わない僕を二人は心配そうに見る。


「あんた大丈夫? おかしいわよ。そんな辛気臭い顔しちゃって。仲間でしょ。さっさと言ってしまいなさい」


「そうですよ! 話の途中で教えてくれないなんてじれったいですよ」


 めずらしくミランスまで積極的だ。

 ミランスの瞳には寂しさと焦りが灯っているような気がした。


「……ノッカさんも……ふられ……ちゃったんだよね」


 あぁ、とうなずく二人。

 僕は言葉を続けた。


「僕はタムさんにまだチャンスはあるんじゃないかと思ったんだけど、ノッカさんは諦めてないみたいなんだ。でも……」


「レンさんはタムさんをまだ応援したいんですか?」


「うん」


 うなずいたまま顔をあげられない。

 ……申し訳ない。

 ダレに対してなのかはわかんないけど、なんだか急に心苦しくなった。


「いいんじゃない? タムを応援したいなら応援すればいいのよ」


  バゴォーンッ!


「「「!?」」」


 ルロが言い終わると同時に外から爆発音が聞こえる。


「地雷、ですかね」


「鳥かなんかにヒットしたのよ。多分」


 危ないなぁ。

 鳥肌がたった。

 しかし地雷を発生させたのが鳥ではないことがわかったのはこのあとすぐだった。

こんにちは、風音です。

雨がザーザーでずぶ濡れになっている今日この頃であります。

みなさんも自然災害には気をつけて! 地震も多いですし。

アデュー!


お読みいただきありがとうございます!

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