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第三十八話 垢抜けよう

「実はウソなんだ」


 苦々しそうな表情で語りだしたアント。

 その少し深刻な雰囲気に思わず身が引き締まる。


「そんなシリアスなもの言いだと、モテないわよ」


「……はっ!」


 アントが我に返る。

 ルロは腕を組んで厳しい言葉を投げるので、悪の組織のリーダーはルロと勘違いされてしまいそうだ。


「前言撤回! 仕切り直す! ……ゴホンッ。さっきの話は、う、う、ウソピョーン! ウソウソ!」


「「「……え」」」


 なんでそうなった?

 見ているこっちも恥ずかしい。


「ホントは我々、管理人にお金を払ってこの家をもらったんだー! 安心してねっ! てへぺろ☆」


「うわー、ドン引きなんですけど」


 てへぺろ☆ を茶目っ気満載でキメる悪の組織を発言通りルロは本気で引いてる。

 ミランスも青い顔をしていた。

 ……かわいそう。

 でも言っている内容はまともなこと。

 うん、きっと変人なんだ(今さらすぎる)。


「悪の組織たちは大丈夫ですか?」


「あんた、こいつらを見てよくそんなことが言えるわね! どう考えても大丈夫じゃないに決まってるでしょう!」


 ひどい。


「頭の話をしたいんじゃありません」


 ひどい。


「悪の組織は盗みとか働いていませんか? 正直に教えてください」


「……言いずらいんだがなぁ」


「盗んだんですか!?」


 コクンとうなずくアント。

 ちゃんと悪っぽいことしてるじゃないか。

 少し安心。

 いや、悪を推奨したいわけじゃないけど……ね! ほらやっぱり『悪の組織』って名乗るならそれだけのことをしてほしいじゃん!?


「盗んだんだ。女の子たちの──」


「下着?」


「違う」


 正解を狙って言ってみたが、間違いだったらしい。

 もちろん、女子二人から失望されたような目をされたのは言うまでもない。


(ハート)だ」


 大真面目にアントは語るが、僕たち三人も大真面目な顔でお互いに見合せる。


「それはない」(ルロ)


「勘違いだと思う」(僕)


「悪の組織に惚れる要素ありますか?」(ミランス)


 辛辣な一言を簡明直截な表情で言いはなつ。

 そして地味にミランスが一番ひどくない?

 超真顔だし。

 メンタルをズタボロにされた悪の組織はため息をつく。


「そんな……」


「なによあんた。さっきの威勢はどうしちゃったの?」


「だって……」


 悪の組織の気持ちもわからないことはないけど、臆病風に吹かれていて、もう別物だ。

 目がおぼつかないし、体が縮こまっちゃっていて、頼りないったらありゃしない。


「悪の組織さんは、いったいなにをされているんですか?」


 あぁ、それは僕も気になった。

 同意するようにうなずく。

 悪の組織はそれぞれ視線をかわす。

 言うべきか? と。

 しかしアントは少しも恥じらうことなく口を開いた。


「悪の組織は別名──垢抜け隊なのだ」


「「「え?」」」


 胸を張るアントと僕たち(こっち)の空気に温度差ができすぎる。

 いやだって意味フメーすぎるでしょ。

 垢抜けるってあれだよね? ちょっとオシャレになったり、洗練させる……みたいな。

 

「悪の組織は女子にモテたい男が集まり、モテそうなことを研究するのだ! はーはっはっはっはー」


 笑い方だけは悪の組織っぽいんだよなぁ。


「具体的に言うと?」


「肌断食したり……、ダイエットしたり……、ちょい悪になってみたり……。と、まぁ、あげたらキリがない」


「垢抜け隊を正式名称にしたほうがいいんじゃない?」


 ルロの的確なツッコミを華麗にスルーして悪の組織は一つ咳払い。


「実は! 悪の組織の一員であるタムが三日後重大なことをするのだ!」


「「「重大なこと?」」」


 僕たちの声がぴったり重なる。


「……またどうせ嫌らしいことなんでしょう?」


「嫌らしいってひどい。っていうかお前さっきから態度が失礼だぞ! ……ん? いや、待て。もしかしてツンデレ!? ホントは好きだけどツンツンしちゃう……的な!?」


「は? あんたに惚れるとかゴキブリに恋するくらいあり得ないから」


 半分正解で半分不正解ってやつだな。


「で? 重大なことってなんなのよ」


 急かすような口調。

 しかしアントは美女に興味をもたれて嬉しかったのだろう。ニマニマしてルロを見た。


「なんとなんと、告白だ」


「告白?」


「そう、告白だ!」


「想いを寄せてる相手に好意を伝えるっていうやつですよね?」


「その通り」


 誇らしそうに何度もうなずくアント。自分のことのように嬉しそうだ。


「そのタムが意中の相手に告るんだ」


「えぇーっ。タムってやつ、大丈夫なの? ヘンなやつじゃないでしょうね?」


「安心しろ! タムは副リーダーのディートと並ぶくらいモテるんだ」


「……ディートさん?」


 ミランスが意味あり気につぶやく。


「ディートさんってどこにいらっしゃるんですか?」


「さぁ?」


 ミランスの問いに秒で首をかしげるアント。

 っていうかディートってダレ?

 ……ミランスが『さん』ずけするなら、ちょっと立場が上なのかな?

 お兄さんとか?

 ……いや、お姉さんしかいないらしいしなぁ。

 う~む。

 考えても全く答えがでてこない。


「タムは少し行ったところの、『ポロゼ』という小さい町で告白するんだ」


 考えてるときにアントが話しだす。

 ポロゼ、ね。


「ねぇねぇっ! レンさんっ! 見に行きましょうよ! 面白そうです!」


「人の告白を見せ物みたいにしちゃっていいのかなぁ?」


「あたしはミランスに賛成」


 一番こういう話しに興味なさそうなルロが、ニヤリと笑みを浮かべてミランスを見る。


「人前で告白とか度胸があるやつしかできないわ。タムってやつの男気を見てみたいのよ」


「男気なら悪の組織で徹底的に鍛え上げてるぜ!」


「楽しみだわ」


 ふふっと笑みをかわす二人。

 楽しんでるところ悪いんですが、えっとー、僕告白見に行くって言ってないんだけど。

 これ、もう決定?

 なんかこのメンバーってなると嫌な予感しかしないんですけど……。

 タイムタスクの件はどうなったんだろう?

 反論は山ほどでてくるだろうけど、水を差すのもよくないだろう。

 僕は黙ってうなずいた。

こんにちは、風音です。

遅れてすみませんm(。≧Д≦。)m

そして、なんとまたレビューを書いてくださった方がいまして。もう感謝!

ブックマークが増えました。

レビュー書いてくださった方もブックマーク登録してくれた方も読んでくださった方も、みなさんありがとうございます。

こんな風音ですけど、応援されるとすごく頑張れます。

これからもよろしくお願いしますねっ!


最後に、コラボ作品が完結しました。

桜馬と頑張ったんです!

そちらもぜひぜひ、よろしくお願いします。

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