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三十七話 ミランスのタイプ

 ミランスはケルベロス車をとめた。

 僕たちの目の前にあったのは、二階建ての小さな木の小屋。

 洋風ファンタジックな木の小屋、と言えば想像しやすいと思う。


「ここどこなの?」


「ホテルだよ。さすがに休みをとんないとレンさんが疲れちゃう」


「いいじゃない。あいつが疲れるくらい。っていうかあいつを一生疲れさせて、のたうち回る姿が見たいわ」


 クックック、と笑うルロ。

 趣味悪ッ!

 思わず鳥肌がたちまくった。


「う、ウソよ。ウソだから早くその表情をやめなさい! 醜い顔がいつもにまして醜いわ。ねぇ!」


「ウソにしては笑いかたがリアルだったけど……」


「ふん! あたしを信じられないって言うの?」


 笑顔でコクンとうなずく。

 隣を見るとミランスもうなずいてた。……しかも何度も。


「ツンデレ地帯のジョーク。略してツンデレジョークよ! ……我ながらネーミングセンス神ね!」


「僕の世界では、もうアメリカンジョークというものが存在してるけど?」


「……ちょっと黙りなさい。締めるわよ」


「怖い怖い怖い怖いっ!」


 さらっと殺害予告されて、ルロから物理的にも心理的にも距離をとる。

 ミランスは僕らのやりとりを見て呆れ顔。


「二人とも、仲良しなのは結構です」


「「仲良しじゃなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」」


「ほら、ぴったり」


 ……なんにも言えない。

 悔しくなってうつむく。


「ルロちゃんがなにか言いたそうだけど、スルーするね」


 ミランスはそう言って小屋の扉を開けた。

 扉の向こうにはたくさんの人がいる。

 ──けっこうヤバめの。

 そいつら全員僕たちを珍しそうに見てる。


「こーわッ」


「……」


 ルロのコメントに フォローできないくらい唖然としているミランス。

 僕も……ちょっとフリーズしちゃう。

 だってそこにいる人たち怖いんだもん。

 ある人は上半身裸だし。 ある人は目つき悪いし。でも全員に共通することは『ツノのついた帽子』と『筋肉質』ってことだ。

 ……まぁ、僕にとってのここにいる一番の脅威は、つり目の高圧的なルロっていうやつなんだけどね。


「おメェらダレだ?」


 ガラの悪い集団の奥から、 ガラの一番悪いやつが出てきた。

 団長かな?


「ああああ、ああ、ぁ、あんたダレよ!」


 自分より偉そうなのが気に食わないのか、ルロが威勢よく言い返す。

 ……が、ルロの足も震えている。

 ムリもない。だって団長(?)はめちゃくちゃでかい。

 でかい上に筋肉質ときたら恐怖でしかないだろう。


「あ?」


「ダレって聞いてるでしょーがー! このビッグ!」


「ビッグ? ……じゃあおメェらはスモールだな」


 ガハガハと笑う団長(?)

 それに続き他のやつらも笑いだす。


「な、なによ! 小さいほうがかわいいじゃない」


 ……見苦しい。

 ミランスもそう思ったのだろう。頑張るルロの前に出た。


「……いいよ、ルロちゃん」


「ミランス……」


「こんにちは。わたしはドルーゴーリマ王国から来ました。勇者のミランスです!」


「勇者、だァ?」


 団長(?)は鼻で笑う。


「はいそうです。魔王討伐の旅をしています」


「……ふん。まぁいい。我々も名を名乗ろうじゃないか! その名も……『悪の組織』だ!」


 A・KU・NO・SO・SHI・KI?

 は?

 どや顔きめられてるみたいだけど、こっちとしては懐疑の念しか抱いてないんですけど。

 っていうか悪の組織って自分で言っちゃうんだ。


「……で、悪の組織のリーダー、アントだ。よろしく」


 アントと名乗る男に手を差し出され握手をかわすミランス。

 悪の組織のクセに好印象だな。


「我々はここのホテルの管理人をやっつけて、このホテルを乗っ取ったのだ!」


 やってることはちゃんと悪だ。


「管理人さん、かわいそう。人としてどうかと思います」


「同感! サイッテーよね」


 女子二人から罵倒される悪の組織。

 まぁ、僕も二人と同じく意見だけどね。

 女子二人からの冷たい視線を浴びた悪の組織はみんなそろってキョトン。


「……え? 女子ってこういうちょい悪男子が好きなんじゃないの?」


「「まったく(キッパリ)!」」


「そ、そうなの!?」


「「もちろん(キッパリ)!」」


 っていうか、管理人さんをやっつけるって、ちょい悪じゃすまない話じゃない?


「わたしのタイプは優しくて静かな人です! まさにレンさんみたいな。人に暴力ふるうような人は嫌いです!」


「ちょい悪おやじって言葉は死語なのよ! あんたたちどう見てもアラサーじゃない!」


 悪の組織は美少女からどんどんズタズタにされていく。

 御愁傷様です。

 ……ん? まって、しれーっとミランスのタイプは僕みたいな人って言った!?

 え、ちょ、それってどういう???

 顔が真っ赤になっていくのが自分でもわかる。

 えっ。ミランスって僕のこと……、いやいや! 違うよねっ! タイプって言っただけでそういうんじゃないよねっ!

 ミランスは位が高いんだ。わざわざ僕なんかを選ぶわけがない。

 そう自分に言いきかせる。

 ミランスは高嶺の花。実感すればするほど……なんかすごく寂しい? っていうのかな? 切ない? って言うのかなぁ。

 自分に言いきかせれば言いきかせるほど胸が冷えて、なんだかとても泣きたくなる。


「その言葉どうりに喜べばいいじゃない。深読みしても楽しくないわよ」


「え?」


「大切なことは一回しか言わない主義なの」


 僕を見ないルロ。

 ミランスには聞こえてないらしい。哀れみをふくんだ視線を悪の組織に向けている。

 ……なんか最近ルロが名言ばっかり言ってる気がするけど、なんで? 作者がルロ好きだからかな?(いやいや! キャラクターは敵キャラもふくめ全員平等に愛していますから! ホントだよ! by風音)

 もうルロがわかんないや。

お久し振りです! いやー、旅行楽しかったです。

それでですね。超びっくりしたことがあったんですよ。

なんと、旅行から帰ったらレビューが書かれていたんです!

わー! 嬉しいー!

なんでこんな底辺作家に? なんて思ったりしたんですが応援してくれる人がいるって嬉しいですね。

今話はミランスが匂わせ行動してました。無意識っていうのが怖い(笑)

そんなミランスとレンくんの関係も注目していただけたら嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] ミランスのタイプがレンみたいな人… レンに脈アリか!?w
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