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第八話 救世主

 廊下に響き渡る大きな声。

 その声の主は、

 小柄な体で大きな度胸をしていて……………。

 バカなくせに堂々としていて………………。

 うるさいのにすごく安心感があって………………。

 勇者のくせに天然な…………………、

 

「レンさーん! まさかですけど、ネコさんの仲間になろうとか思ってませんでしたかー?」


 僕が1番会いたかった彼女──ミランスは微笑んだ。

 

「そんなわけないでしょ」


 僕は腕を押さえながら笑った。

 全身が痛いけど、嬉しくてたまらなかったのだ。

 あぁ、会いたかった。会いたかったよ。

 きっと僕は、ミランスが来てくれるって心の奥深くで思っていたのかもしれない。 

 ……………いや、来てほしいって思っていたのかもしれない。

 どっちだっていい。

 今あるこの気持ちは「嬉しい」だってことは確かだから。


「レンさん! ボロボロですよ? 大丈夫ですか?」


 ミランスが僕に駆け寄って覗き込んできた。


「まぁ…………ね」


 僕が曖昧に返事するとミランスはブツブツなにかを唱え始めた。

 すると、彼女の手からボワンと黄緑色の直径10cmくらいの光の玉が出てきた。


「!?」


 な、なに!?


「大丈夫です。治癒魔法ですから」


 怖がる僕を隣にミランスは落ち着いて対応してくれる。

 黄緑の光の玉は僕に触れた。

 それはすごくあったかかった。

 なんか、すごく楽になるっていうか気持ちがいい。

 ほら、あのお風呂に入っているときとか布団に入っているときとかのぶわぁ~っと内側からあったかいものが出ていく感じ。

 体を見ると、さっきの傷はウソのようになくなっていた。

 

「す、スゴい」


 もう驚きを隠せない。

 僕、産まれて初めて魔法を見たよ。


「レンさん!」


 ミランスはニコッと笑った。

 はぁ。この人に散々言っておいてだけど、めっちゃ良い人だね。


「ありがと」


「いえいえー! わたしもレンさんのお役にたてて光栄です!」


「ところでだけどさ」


 僕はここで少しミランスをじっと見つめた。

 彼女はどうしました? と言わんばかりのハテナ顔。


「どこに行ってたの?」


「あー、図書室です」


 ゑ。


「と、図書室?」


「はい。……………どうかしました?」


「いや、なんで?」


 どうして図書室に?

 ナゾ。


「なんでって言われましても…………、論破の仕方を学んでいただけですが」


「なぜっ?」


 僕が傷つけられているときに、この人はのうのうと読書してたってこと……………?

 ワーオ! なんてこったい。

 ま、まぁ助けてもらったし許してあげよう。


「っていうか、ネコを退治しなきゃだよ」


「あぁ、そんなやつもいましたね」


 ネコは口をあんぐり開けて呆けた顔をしている。


「き、貴様…………。アイツを治しやがったにゃ! こいつ…………」


「ネコさーん。短気は損気って知ってますか? 実はこの言葉は科学的に証明されていて、怒ると寿命が縮む………………」


「うるせーにゃ!」


「怒っちゃダメですよー、寿命が縮みます」


 ネコは敵だから寿命が縮んでくれた方が嬉しいんだけどなぁ。


「殺すにゃ!」


 うわっ。また物騒なこと言ってるよ。

 でも「〇ね!」とか「ぶっ〇ろす」とかが口癖の人いるよねー。


「ダメですよ殺人は死刑、5年または、無期懲役になります」


 真顔で答えるミランス。

 …………真面目だ。


「ネコはそんにゃルールに引っかからないにゃ」


「わたしが裁きます」

 

 堂々と言い放つ。

 いつもと違う凛々しい横顔に思わずドキッとする。


「あぁぁ!イライラするにゃ。」


「短気は損気ですよ」


「あああああああ! 黙るにゃ! このボケナスにゃ!」


 ネコパーンチ!

 ミランスのほっぺたにネコの手があたる。

 …………はずが、その瞬間ネコを叩き落とした。


「戦いですか~? あまりオススメしませんよ?」


「望むとこにゃ」


「お願いしまーす!」


 ミランスの言っていることと、声のトーンが合わないんですけど。


「必殺! 炸裂肉球、にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃーっ!」


 ネコがしかけてきた。

 ネコの手は残像だらけで100本くらい手があるように見える。


「ガード」


 ミランスの前に緑色の魔方陣みたいなものが出てきた。

 魔方陣がネコの手を弾き返す。

 わーお。

 ミランス強い。


「レンさん、ボケーってしてないで手伝ってくださいよ!」 


「は、はい!」


 ………と言ったのはいいけど、なにすればいいんだろう。

 とりあえず


「やああああああああ!」


 必殺! 生徒手帳なげ!

 おもいっきり生徒手帳をネコに投げつける。


「…………………………はにゃ?」


 効果なし。


「隙ありっ」


  ゴツンッ


 ミランスはネコに頭突き。

 なんか、かわいそうに見えるけど………、仕方ないよね☆

 

「あっ」


 ミランスがどうしようって顔をする。

 彼女の視線の先にはカチューシャについていたマリーゴールドがあった。

 さっきの頭突きした反動でとれちゃったんだ。


「へっへっへぇにゃ」


 すかさずネコはマリーゴールドを取る。

 うわぁ、やっぱりヤなやつ。


「返してください」


「やーにゃこった」


 ベーっと舌をだして煽るネコ。

 ミランスは悲しそうな表情をした。

 目のまわりは赤くなって、もう泣いちゃいそうな感じ。


「それ、おばあちゃんの形見なの」


 彼女の奥歯を噛みしめながら話す声は初めて聞いた。

 ミランス~! ナイスタイミング!

 でしたねー!

 ネコはひたすらかわいそう。敵なんだけどねw

 

 ~余談~

 実はわたしの好きなアーティストがLIVEをするんですよ。

 もう、嬉しくて嬉しくて!

 いやぁー、推し事が楽しいです。

 生まれてきて良かったなって話でした。

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