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怪しげな2人


 そして陽が暮れるともう外は相当冷え込んで、岩場の小動物達も姿を見せなくなってきました。短い夏の終わりが近付いています。そして此処で生きる物総ては、冬の到来に備えるのです。

「じゃあ、母さんは葉っぱ集めに行ってくるからね。」

 ナキウサギも、冬の生活のためこの時期から沢山の食べ物を岩の窪みに貯めるのです。

“う~、う~、外は寒いよ。”

 子兎は、夏にはあんなに外に出ていたのに、またすっかり巣に篭るようになりました。もう、大人の大きさに成長してしまっては、狭い専用の部屋も窮屈です。

「仕方ないね、今年までは母さんだけで集めるから、此処でいい子にしているんだよ。今は、恐いキツネやイタチも餌を求めて動き回っているから、独りで外に出ちゃ駄目だからね。」

 残念ながら、子兎はまた甘えん坊に戻ってしまったようです。今日は、山からの風がひと際冷たいようです。ヒュウヒュウと吹きすさぶ中、母兎はせっせと葉っぱを契って口にくわえては、岩の窪みに集めていました。その周りでは、カサカサと相変わらず山からの風に木立が至るところで音を立てます。

 冬の訪れが近いよとざわめいている・・・そんな時でした。

「う~結構冷えるな・・・良男、本当に大丈夫なのかよ。」

「まあまあ、俺に任せろ。捜すのにこの時期が一番分かりやすいからな。」

「いや、そんなことじゃないんだよ。だって絶滅危惧種だろ。」

「ああ、そういうこと。今、保護団体が記念物申請しているな。」

「わかってるんだよな、だからやばいって言っているんじゃない。」

「だったら、買いたい奴にそう言えよ。俺達は、ただのペット屋の孫請けだからな。注文が出たら商品を捕獲して、そして下請けに納品する。それで報酬を受ける。普通に稼ぐための労働にすぎない。食うために仕事して、仕事してるから食える勤労者さ。それよりちゃんと辺りを見張っていろよ。パトロールや観光客に見られないようにしないとな。まあ、平日のこんな時間に来る奴なんかほとんど居ないと思うけどね。だから、こんなムサイ格好のオッサンが2人、こんな所に散策に来ているのも不自然だからな、気を付けないとな。」

「ああ、今のところ人どころか、キツネや熊も見当たらない。」

「熊は当たり前だ。おおっと、あった、あった、これだ。」

 そう言って男は、岩場の一か所を指さしました。

「この葉っぱの集まりがそうなんだ?」

「ああ、奴等の貯食場だよ。未だ日が経ってないようだな。」

 男は、集められた葉の一枚を摘み取り状態を確かめています。

「これだけあるから活きが良いぞ。それじゃあ、気付かれないように辺りを見回って、巣穴を探すとするか。」

 この男達は、動物の捕獲を目的とする業者なのです。


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