深き碧き星
“・・せ、か、い、を、え・・・”
さて、宇宙の中で次の住むべき星を決めようとするカミーユは、言葉を唱え続けています。この途方もなく限りない数の中から呼び寄せるなんて、自分の意識の力にあると言われても考えられません。全くあてにする事もなく、取り敢えず言われるままにやっているだけでした。
“・・ま、す、る、う、う・・・”
すると暫くして、手の平にポトリと何かが落ちた感触が伝わってきたのです。目を開けて見ると、丸い小さな玉です。それは清らかで瑞々しく、美しい宝石の様な姿をしています。
「ほう、お前さんが引き寄せたのはその星か。」
「とっても綺麗だね、これは何処の星なの。」
「小ぶりの銀河、ファルカンにある恒星ソルムの3番目の衛星じゃ。これも偶然なのか、幼くして身体を失った場合には、再び同じ星を引き寄せると言われているが、必然なのかのお、主も気まぐれなもんだ。」
「それじゃあわかんないよ。」
「人間の居る星、云わゆるテラだ、以前に過ごしていた惑星じゃ。」
「ええっ、本当に?、やった、また母さん達に会えるんだ。ゲームもやり放題だね。」
「馬鹿言うでない、さっきも言っただろう。もう以前の身体は無いから、別の物に宿るんじゃよ、ムフフ、魚かもしれんぞ、いや鳥、虫かな。」
「いやだあ。」
「まあ、総てはお前さん自身、そのアレスがどの程度に成長しているかにかかっとるのかな。」
「それで、それで地球にはどうやって行くの。」
「そう慌てんでも良い、簡単じゃ、天上におられる主に星が決まったことを示せば良いんじゃよ。上に挙げて、かかげるんじゃな。」
「かかげる?」
「持ったまま、頭上に手を上げるんじゃよ。」
「そうか、やってみるよ。」
カミーユは、星の球を持った両手を頭上に掲げ、手を広げます。すると、その球が天井に引き寄せられるように浮き上がりだしたのです。そして更に次第に膨らみ始めました。
すると生き生きとした透明感のある美しい姿が、次第に、優美にそして悠然とそれ自体で回転し始めました。大きくなっていくにつれ、確かに地球なのです。
「へえ、良くできてるね。どうやって造ったの。」
「何を言うとる、これは本物じゃ。今まで作り物だと思ってたのか。全くお前もだが、人間とは、自分の住んでる処の姿もよう分かっておらんくせに、さも星の支配者の様に振る舞っている。数万年前から見ておるのだが実に滑稽じゃな。どんどん、自ら自分達が住み難い星に変えている。お前さんは、またそこで過ごしていくんじゃよ。」




