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メブカリエウス

「まあ、そんなことは考えてなくても良い、お前さんが何処から始まったかずっと永遠にたどるようなもんだ。それよりこれからじゃ、これからどう過ごしていくかが問題じゃ。ゲームばっかりしてても、幸せは見つからんぞ。」

「えっ、そんなこと知ってるの?」

「私は創造主の使いじゃぞ、知ってて当たり前じゃ。母親からあれだけ怒られているのに、どうしてやめんのかのお。」

「えへへへ。」

「まあ、良い。それじゃあこれからお持ちかねのクジ引きをするぞ。」

「本当?、ドキドキしちゃうよ。やり方はあみだくじ?、それとも抽選機とかあるの?」

「どうもお前さんは、真剣みに欠けるようじゃの。そんなオモチャで、自分の行く末を決められるのは嫌じゃないのか?」

「ん~でも、父さんがよく言っていたけど、“人の一生は長い、その重みを噛み締めろ”、なんて僕知らないもん。だめだったら、また此処に来ることになるんでしょ?、ゲームオーバーならまたやり直しでしょ、だったら簡単に決められても構わないよ。」

「う~ん、いさぎよいというか、まあ仕方ないか、まだこれからという時に身体を失ったんじゃからな。だが、楽観的になってると、お前さんがさっき会った爺さんみたいになるぞ。」

「そうかぁ、じゃあ、明哲の茶室に向かう無極回廊を選んで進む時のように、真剣にやるよ。」

「なんじゃそりゃ?、またゲームのことか、とにかく始めるからな。」

 フクロウみたいなものは、大きな丸い目を閉じて、今までたたんでいた翼を広げ始めました。その表側は真っ白で絹の様に艶々していますが、内側は枯れ木のように茶色と白の斑模様です。

# フワワワワワ・・・

 長く大きな翼が広がると身体が何倍も大きくなっているようで、今にも襲いかかる様です。

『こ、怖いよお。』

 カミーユは、それに怯える小動物のように身震いしてしまいました。そして怪しいものは、深く厳粛な声で唱えます。

“メブカリエウス ルルクワンダシュウム ガクワール、ダクワール・・・”

『なんの呪文かな?、ケリウス回廊の昇龍門を開ける時の合言葉みたいだな。』

 フクロウみたいなものは、実はこう唱えています。

~無限に広がり続ける大宇宙。しかし、主が掌握されている次元の一つに過ぎない。我々にとっては、未知なる領域。そして其処に存在の機会を与えてくださいました。ここに宿っていた身体を失ったアレスがおります。今から次なる世界への選択をさせていただきたく、宇宙を開示願いまする。~

 すると闇を包んでいた煙が、まるで周りの空間に溶け込んでいくようにスルスルと消えていきます。

『うわ~、これはな、なんなんだ!』

 カミーユは信じられないものを目の当たりにしています。


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