No23 オハナシ
「ありがとう!でも、ご主人様はな…なんか近寄りがたいし、ハルキでいいよ?」
「うぅ…よろしいのですか?」
そう言って少し戸惑った
「さっきも言ったじゃん、従者的にってさ」
「はい、それではハルキ…様、ハルキ様じゃダメですか?」
「まあ2人の時はどちらでもいいよ、もし馴れたらハルキでもいいし!」
「かしこまりました。」
「そうそう、もし嫌じゃなかったらエリカのこと知りたいんだけど教えてもらってもいいかな?」
「はい、えっと、歳はご存知だと思いますが今年で16になりました。幼い頃はおてんばで…」
エリカは話始めてくれた。
家族は父親と2つ上のお兄さんそしてエリカの三人家族で母親はエリカが幼い頃に病気でなくなったらしい。
エリカの家は騎士の家系で公爵より領主を任されていたらしいが家はそんなに裕福ではなかった。しかしながらも父親は良い領主だったららしく領民にも愛されていた。
しかし一昨年父親が税を納めに行く途中に突然行方不明となってしまった。
その為にお兄さんが代理として領地を治め税を納めたりしていたが、父親が行方不明になった時の税の穴埋めの為に商人からお金を借りていたが支払いが上手くいかず、お兄さんはその分を取り戻す為に魔境に入ったが帰ってこなかった。
そこからエリカに借金が回ってきてしまったが家財全て売り払って返すことができないことになりエリカ奴隷となり売られてしまった。
話を聞きながらエリカの能力を改めて確認した。
運命の輪 幸運と試練と運命の輪を持つものを引き寄せる。
エリカの持つ特殊能力だ…トラブルメーカー能力だな…
それにしてもこの能力は今までのシステム的な能力とは少し違うな…
その他の高い才能はエリカのお父さんから受け継いでいるのかもしれない。
お父さんもお兄さんも剣の腕前ではグランディック王国でも有数の剣の使い手だと言っていた。
「お父様が生きていればいいのですが…」
最後にエリカが寂しそうに呟いた
「もしかしたら、探せるかもしれないから探してみようか?お父さんのフルネームを教えて」
「わ、わかるのですか?グレン・グレーフェです」
それを聞くとグレン・グレーフェの場所を考えると、世界の理が世界地図を出した。
地図の示した場所は隣の大陸の近海のクレクス島付近の海上で点滅させていた。
今までの移動距離と比べると2,3ヶ月遅かったら半年は掛かる距離だろう…
「クレックス島の近くの海の上にいるね」
「クレックス…島?……でも、お父様は生きてらっしゃるのですね…お父様はお元気なのですか?」
2年も行方不明だから死んでいてもおかしくないと思っていたんだろうな…
エリカのいわれるままグレンの状態を確認しようと念じるが反応はない能力を見るのは近くにいる人限定なのだろうか?
「ごめん、それはわからないんだ…」
「…それでも生きていることがわかって良かった…」
エリカは椅子に座ったまま俯いて涙を落とした。
気持ちが落ち着いてたのだろうか?少して笑顔を作って今度はこちらのことを聞いてきた。
「先ほどは何か調べる魔法を使っているようにも見えたのですがご主人様は魔法使いなんでしょうか?」
そう空中に浮かぶウインドーを操るのは他から見たら怪しいよね?
ただこれは魔法じゃないし、どう答えていいか迷いながら首を縦に振った。
「なるほど…神殿ではそのような魔法は聞いたこともございませんでした。
しかし、そのような魔法があると知っていれば兄も無茶をしなかったのですが…」
落ち着きを取り戻しかけた顔が曇りそうだったのでこちらから1つ提案をする。
「俺、今は目的がないのから冒険者しながらお父さん迎えにでもいく?」
「よ…よろしいのですか?そう言って頂けると本当に嬉しいです。」
今までになく目は輝いていた。
そうするとドアの方からコンコンっとノックされ宿屋の親父は「湯持ってきたから開けてくれ」
それを聞いてエリカは扉を開けてると宿屋の親父が入ってきて机の上に湯の桶と布を「使い終わったら部屋の隅にでも置いておいてくれ」と言い残してすぐに降りていった。
「あーっとどうしようかな?」
そう言って服を臭うと芳しき香りを漂わせていた。
元々ボロな服な上に他に着替えもないのだから仕方がない…
「私は前日に体を拭っておりますので…」
そういうと少し恥ずかしそうに俯いた。色々な想像しているのだろうか?
「じゃーそっち向いてて…」
そう言って上着を脱いでお湯をつけた布で体を拭き始めた。もちろん最後は大事なところまで…
エリカは上着を脱いだ瞬間、はっとなりすぐにくるりと背を向けた。
それから2人は一緒に1階の酒場に降りて夕食を取ってから、また部屋に戻り先ほどと同じ位置関係でエリカの子供の頃の話などを聞きいた。
「まだお母様が………で、それから神殿の奥様の………だったんですよ?」
心を開いてくれた証なのだろうか割と話は長かった…
一時間くらい話を聞いたところで切り出した。
「そろそろ寝ない?俺こっちで、エリカそっちね」
「はい」エリカはそういうと顔を赤らめて隣のベットに座った。
今日は色々あって疲れたのかベットに入るすぐに寝れた。
朝起きるとエリカも合わせたように起きた。
「おはよう」と声をかけると眠そうな顔で「おはようございます」と返してくれた。
身支度を整えてから2人で朝食を一緒に取るとエリカの奴隷を解除する為に奴隷商の商館を目指した。




