No22 エリカ
商人ギルドから出た後色々しくじったことを思い出す。
まずは、オークションの下見に来て最後まで取引しようとしていた点
その上、結局商品を手放して奴隷を交換した点
考えれば明日オーダーメイドの服ができあがる点などなど
問題点がいっぱい出てきた、基本的に知力が高くても自分の考えは変わらない
じゃないかと案内人の説明不足だと憤慨した。
今一番に考える問題点は日が暮れかけているのに空間移動で大きなタマネギ亭まで戻れないことだ。
エリカがいる以上今日はこの街で宿を取るか
冒険者ギルドで運命の石という魔法品を手に入れてホルオンに戻るかだが
結局のところ奴隷買ってきたんだって言うのもこっちの世界の常識ではどうだか
わからないが日本人的には言い出しにくい・・・
もったいないが今日のところはこの王都で宿を探すとことにした。
エリカにいい宿を知らないかと尋ねたが王都について詳しく知らないとのことだった。
いつものように地図で探すとすぐに見つかった。
銀竜の牙亭1階が酒場で上が宿泊施設だろう、まさにイメージ通りのファンタジーの王道の宿屋だった。
店に入るとカウンターで髭面の親父がグラスを磨いているので、きっと店主だろうと思い話しかける。
「すいません、一泊お願いしたいのですがいくらですか?」
「あいにく今日は1部屋しか空いてないがいいかい?
泊まるんだたら1人1泊400ルフで食事は別だ、湯が必要なら追加で50ルフだ」
王都補正か一気に値上がりしたなと心の中で思いながら体を臭う
そういえばここ何日か風呂というものに入っていないので湯は丁度良いかもしれない。
エリカの方をみってみると目が合ってスグに俯いて返事はなかった。
最初にお金が無いと言ったのは失敗だったか・・・
「じゃー二人と湯をお願いします。」
そういって銀貨をカウンターに1枚置いた。
「あいよ、あんた文字は読めるかい?部屋は3階の302だ。」
鍵とお釣りを渡してくれたのでそれを受け取って3階まであがり302のドア開ける。
部屋はベット2つにテーブル1つあるトイレ付きの部屋だった。
ほとんどない荷物をベットの脇に置きベットに寝転がった。
「うはー、疲れた・・・」
エリカの方に目をやると部屋に入ってからはずっと部屋の隅で立っていたので
体勢を戻してこちらから切り出した。
「まず始めに2つお願いがあるんだ。聞いてもらえるかな?」
「はい」
小さくそう返事するとエリカは神妙な面持ちこちらを見つめた
「ごめんごめん、エリカさんにとってそんなに悪い話じゃないから
まずは椅子にでも座って欲しいな」
それを聞くとエリカはおずおずと椅子に座ったので、それを確認して話を続けた。
「まず、1つ目は冒険を一緒に冒険をして欲しい」
「はい、まだ未熟ではありますがお父様から剣の指導をして頂きましたので
少しの経験を摘めばきっとお役に立てると思います。」
エリカは表情が明るくなった。
取り立てて技術のないエリカにとって屈辱の中で生きるよりも
戦奴として戦うほうが何倍もましと感じたのだろう。
「2つ目なんだけどエリカを明日にでも奴隷から開放するので冒険者になって欲しい
その上でなんだけど俺を従者の様にして冒険に連れて行って欲しいだ」
目を見開いて何を言っているのか理解できてない様子のエリカが
首をカクカク動かしてから言葉を捻り出した。
「え?どういうことでしょうか?ご主人様」
「うーんっと、自分で冒険者として登録ちょっと問題が起こる懸念があって
今まで登録してないんだよね・・・
そこにちょうどエリカがいるのでいいかな?って思って・・・」
その言葉の後、少しの時間が流れて窓の外の喧騒が部屋の中に流れる・・・
エリカから複雑な表情をしていた・・・
「・・・・ぁ・・・わ、私が逃げるとかお考えにならないのですか?」
沈黙の後の言葉の選択はこれだった。
「逃げるのですか?」
「いえ・・・そのようなことはありません。ですが・・・・」
エリカは表情が少し曇りながら口篭った。
「嫌な言い方だけど、逃げてもエリカを助けてくれる人はいないんじゃないかな?」
彼女の視線が床に落ちた。
「ごめん、ちょっと言い過ぎたね。
そんな意味じゃないから安心して・・・もし俺のことが嫌になっても逃げても仕方ないよ
でも、俺もエリカに嫌われないように努力はするしね」
そう言って笑うとエリカと目が合い笑ってくれた。
「私もご主人様に気に入られるように頑張ります!」
エリカのけして大きくはないがしっかりとした言葉をもらった。




