第5話 遭遇
あいつが部長とかありえねぇ。
2人の部活やから部長も副部長も関係ないっちゃないが、なんかイヤや。
…………そういえば、グリップがあかんようになっててんや。買いに行かな。
あそこで降りやなあかんのか…………帰るのめちゃくちゃ遅くなるから、通販で買いたい。
…………通販は届くに時間かかるから使えんねんけどさ。
◇ ◇ ◇ ◇
グリップ、何色にしようかな…………。
今まで白ばっかりやけど、たまには気分転換で水色か青もええな。どっちにしよ…………。
「いらっしゃいませ」
央崎は声がした入口の方を、ふと気になり振り返った。
…………げっ、蓮香やん。
「…………奇遇ね」
「…………なんか用?」
「別に何も?」
「…………あっそ」
グリップ買ったらさっさと帰ろ。
「ありがとうございましたー」
よし、ようやくあいつから離れられる。
…………って、雨降ってる!?結構大粒やし。
どうしよ。止むんかな………………20時まで、この雨量!?
こんな雨の中、走って駅まで行くには遠すぎやしどうしよ…………。
「…………はい」
「…………は?」
「傘…………貸してあげる」
「…………貸し作ろうとしとるん?」
「……っ、そんなわけないでしょ!!あんた、昔っから私より体弱いから、風邪引かれたら困るのよ!!まだ、部長も決まってないのに」
「そういう、お前こそ風邪引きやすいやろが!!」
「何よ、親切に貸してあげようとしてるのに!!」
「とにかく、俺は走っていくから」
絶対、あの反応は貸し作ろうとしてるわ。その手には乗らへんぞ。




