第45話 不安
とうとう、明後日か…………。
次の日、央崎はいつもより大きめのバックとラケットを、机の横に置いた。
なんか、ウソみたいや。まさか、ほぼ一発で全国に行くなんて…………。
「(珀多くん、ちょっと来て)」
「(分かった)」
央崎と季楽坂は、空き教室へと移動した。
「とうとう、明後日だね」
「そうやな。まぁ、泊まりのことも含めたら今日からやけど」
「頑張ってね。これ…………」
季楽坂は、近洛大会の時よりも少し大きめの袋を手渡した。
「ゼリーか?」
「中身は、現地で確認して…………その、試合始まる前に会える時間ある?」
「スケジュール的に無理そうかな。近洛大会までは余裕があってんけど…………」
「そうなんだ…………」
じゃあ、試合前に珀多くんを鼓舞させられない…………。
何より、私が…………寂しい。
――ギュ
季楽坂は、いつもより強めにハグをした。
「珀多くん、絶対に勝って…………」
「…………」
「…………それで、ずっと側に居てくれたら、うれしい…………」
季楽坂の涙が、央崎の腕をつたっていた。
佳苗…………表には出してなかったけど、不安だったんだろうな。
俺がテニスを辞めたら、遠くに行ってしまうと思って…………。
「…………絶対に日本一になる。それで、佳苗を不安にはさせない」




