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合同テニス部の距離は近くなりすぎた  作者: 綿ダッコ
第3章〜日常、だった〜

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第40話 大々的ニュース

 「新聞に載ってたよ〜」


 近洛大会から2日後、大豆山高校では全国大会の話題で持ちきりであった。 


「すごいね。全国進出なんて」


「琴乃、ありがとうな。わざわざ応援に来てくれて」


「友達なんだから、来て当然じゃん」


「にしても、蓮香のことを『良きライバル』って表現したのはしびれたなぁ~」


 使われんと思ってたけど、使われたんか…………。


「…………そこ切り抜かれてたのか」


「そうだよ。デジタル版なんて、珀多と蓮香が向き合ってる写真が使われてるよ」


 ええ…………別に、蓮香だけが支えてくれたとは言ってないんやけどな…………。


「…………マジやん」


「地方ではちょっとした有名人になったんじゃない?」


「かもな」


「地方でこれだけ報道されるなら、全国で優勝したらすごいんじゃない?」


「硬式ならそうかもしれんけど、軟式やからなぁ。報道はされるかもしれんけど、ここまで大々的にはされんのちゃう?」


「はいはい、授業始めるぞー」


 それから、順調に授業は進み、昼休みになっていた。


「(珀多くん、非常階段に来てくれない?)」


「(佳苗、ええけど…………)」


◇ ◇ ◇ ◇


「どうしたんや?」


――チュ


「え…………」


 央崎の頬に、柔らかい感触がそっと触れた。


「何、照れてるの。幼馴染とのキスの1つや2つなんか普通のことじゃん」


 季楽坂は、少し笑った。


「そ、そうなのか…………?」


 でも、佳苗のことを抱っこすることはあっても…………キスは…………。


「しかも、約束しちゃったしね」


「…………もしかして、県大会の時のか?」


「そうだよ」


「…………本気やったんやな」


「私が珀多くんに嘘つくわけないじゃん」


「昔から冗談言ってるやんか」


「そうだっけ(笑)この後予定ある?」


「無いで」


「じゃあさ、ここで一緒にお昼ご飯食べない?」


「まぁ、ええけど。教室に居ても囲み取材されるだけやし」


「…………学校で2人きりって本当に久しぶりだね」


「確かにな。中々、2人で会う機会もなかったし」


「そういえば、全国大会ってどこでするの?」


志府町(しふちょう)ってところらしい。秋も比較的暖かいから、らしい」


「そうなんだ…………そんな遠いところまで連れてってくれるんだね」


「…………こんな進めるとは俺も思わんかったわ」


「ねぇ、珀多くん。新聞で見たよ。支えてくれた人って、山志那さんのことだったんだね…………」


「うん?ああ、あれは正確に言えば違うぞ」


「え?」


「確かに、記者の人に聞かれたから、蓮香は良きライバルって答えたけど、支えてくれたのは琴乃とか行、もちろん佳苗も入ってるぞ?」


「なんで、私も入ってるの?」


「なんでって…………小さい時から応援してたやんか」


「でも、アドバイスなんかしたことないよ?しかも、私のために遊んで、テニスをしてくれて…………私が、珀多くんにあげたものなんかないじゃん…………」


「…………それだけで充分や」


「え…………?」


「それだけで、テニスを挫けずに続けられてるし、俺からしたら充分支えられてるよ。それに…………当日も手紙とゼリー、応援もすごい支えになった」


「良かった…………」


 …………ちゃんと、支えあげられてたんだ。

側では支えあげられてないけど、関心は山志那さんの方に移ってなかったんだ…………。

今は…………それだけでも充分。

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