第35話 惹かれるもの
「ほらよ、ここからは自分で行けるやろ」
「家までもうちょっとじゃん。この距離ぐらいしてよ」
「結構したったやんか」
「えー、ケチ」
季楽坂は、頬を膨らませた。
「はぁ、今日だけやぞ」
「やった!!」
その後、季楽坂の家の手前まで来ていた。
「…………星、綺麗だね」
「そうやな。何気に、佳苗と星見るの初めてじゃないか?」
「確かに。いつも日が暮れる前に帰れって言われてたから…………ちょっとの間だけでいいから、座って見ない?」
「ええぞ」
家の時のように、砂利の道に腰を下ろした。
「授業でも星について習うけど、いざとなったら分からないね(笑)」
「そうやな(笑)多すぎて分からんくなる」
「星ってさ、自分で輝いてるんだよね?」
「確か、そうやったはず。恒星が見えてるって習った」
「人間って自然に、光輝くものに惹かれるのかな」
「そうかもな。こうやって、見てるわけやし」
「…………そろそろ行こっか」
「お姫様抱っこせんでええのか?」
「うん。すぐそこだもん」
央崎たちは、季楽坂の家へたどり着いた。
「ありがとう。送ってくれて」
「こんな田舎道じゃ、1人で帰らせられんよ」
「お母さんみたいなこと言ってる」
季楽坂は、小さく笑った。
「近洛大会頑張ってね」
「おう。絶対勝ってみせる」
「(私も、本気だから)」




