第34話 文化祭3
「ちょうど良かった。ストックなくなったから、季楽坂さん作って」
「分かった。珀多くん、ちょっと待っててね」
「おう、ケガしないようにな」
珀多くん、喜んでくれるかな…………。
◇ ◇ ◇ ◇
「熱いうちに食べてね」
「おう」
…………美味しそうやな。やっぱり、佳苗は料理うまいな。ゼリーもそうやけど、相手のことを考えられるやさしい人や。
「珀多、お待たせ。たこ焼き買ったの?」
「ちょうどお腹空いてたから」
「そうなんだ。私も買ってこようかな」
「じゃ、じゃあ半分分けするか?ちょっと多いし」
「え、お腹空いてるんじゃないの?それに悪いよ」
「いやいや、良いよ」
もし、今買いに行ったら、佳苗と鉢合わせる…………蓮香は仲が悪くないって言ってたけど、万が一本当に仲が悪かったらやばいことになる…………。
「私もお腹空いてるし、新しいの買ってくる」
「1つくだ……さい……」
「やま…………200円です」
◇ ◇ ◇ ◇
文化祭が終わり、央崎は帰ろうとしていた。
終わった…………やっぱりあの2人、仲悪かったんやな…………。
「ねぇ、珀多…………」
「ああ、蓮香か」
「近洛大会頑張ろうね」
「おう、絶対全国に行く」
「じゃあ、またね…………」
近洛大会…………未知数やが、それに対応できるように練習してきたから大丈夫や、自分!!
「珀多くん…………」
「佳苗…………」
「一緒に帰らない?暗いし…………」
「…………ええぞ」
「…………たこ焼き、美味しかった?」
「美味しかった。やっぱり、佳苗は料理がうまいな」
「そうでもないよ…………」
「ゼリーもそうやけど、本当に優しいよな。相手のことも考えて作ってくれて」
「(だって、珀多くんだもん…………)」
「なんて?」
「何もない…………ねぇ、近洛大会も応援しに行っていい?」
「もちろん。なんならうれしい」
「良かった…………珀多くんが大会で勝って喜んでると、私まで喜んじゃうから…………」
「…………全国まで俺は行く、応援してくれる皆の為にも。佳苗が喜んでくれる限りはテニスを辞めないし、テニスに本気でいる」
2人の近所の田舎道に、央崎の声が響いた。
――ガバッ
「…………お姫様抱っこ」
「…………しゃあないな」
「やった」
懐かしい…………とある混合ペアの選手たちがしてるところを見て、し始めたっけ。




