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合同テニス部の距離は近くなりすぎた  作者: 綿ダッコ
第2章〜大合戦〜

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第30話 県大会の行く末

 「じゃあ、今日の日程はここまでね。宿に戻りましょうか」


 県大会の会場から遠い大豆山高校は、大会会場に近い宿を取っていた。


 他のトーナメントで棄権とかがあったとはいえ、なんとかベスト16にまで上がってこれた。

近洛大会に進めるのは、1位だけ…………絶対に勝ってやる!!



 次の日、央崎は準々決勝、準決勝とコマを進め、決勝のために待機していた。


 やばい。緊張してきた…………ここで負ければ、近洛大会どころか、全国大会までの道のりは無くなる…………。

応援してくれてる全員を、全国まで連れて行く!!


「セブンゲームマッチ。プレイボール」


――バコン


 とりあえずは返せた。…………あぶっな。


 央崎の返したボールは鋭かったが、相手は難なく返してきた。


 体勢は崩れたけど、このぐらいなら立て直せる。

とりあえず、ラリーしながら相手の弱点を探ってみるか。


「いっけーいけいけいけいけ、珀多、おっせーおせおせおせおせ、珀多、いーけ、おーせ、大豆山、珀多!!」


「「「「「頑張れーーー!!」」」」」


 蓮香が応援をしたのを皮切りに、観客席からも応援が聞こえてきた。


 相手、ずっと回り込んどるな。バックが苦手なのか…………?じゃあ…………。


 央崎は、相手のバック方向へ打った。


 よし、来た。ここで決める!!


 そして、相手から弱く打たれたボールを前に出て、相手の到底届かないところへボールを着地させた。


「イン。ゼロ、ワン」


「しゃあ!!」


「「「「「「「ナイス、珀多ー!!」」」」」」


 これだけ応援してくれてるんや。絶対、相手にゲームは取らせない。


 その後も、央崎は数ラリーをした後に、相手のバックを狙い、ストレート勝ちで近洛大会へ駒を進めた。


「ありがとうございました」「ありがとうございました…………」


 よっしゃーーーー!!近洛大会へ行ける!!


 相手が同じコート内にいる中で声に出して喜ぶのは失礼だと考えた央崎は、必死に喜びを抑えていた。


「頑張ったわね!!」


「すごかったよ、珀多!!」


「ありがとう!!」


「とりあえず、コートを出ましょうか」


◇ ◇ ◇ ◇


「バックを狙う前に数ラリー挟むのは賢明だったわね」


「性格は悪いかなって思っちゃいましたけどね(笑)」


「そんなこと無いわよ(笑)現役時代は私も良くやってたもの」


「「「「お疲れ様!!」」」」


「いつも、珀多がお世話になっております。六夜先生」


「お疲れ様でした。珀多くんのお母様、お父様、お祖父様」


「まさか、うちの子が近洛大会にまで行くとは思いもしませんでした(笑)」


「いえいえ、珀多くんなら全国まで行けますよ」


「先生のご指導のお陰ですね」


「私は何もしてませんよ。してるとしたら――」


――一方その頃、央崎たちは


「私、お手洗い行ってくる」


「おう」


「お疲れ様、珀多くん」


「ありがとうな。2日間もこんな遠いところまで」


「ううん、珀多くんのためならどうってことない」


「ゼリーもおいしかった」


「本当に!?良かった」


「高校に入ってから、中々会えてなくてごめんな」


「珀多くん、テニス頑張ってるんだし、しょうがないよ」


「…………本当にありがとう」


「ねぇ、珀多くん…………」


「ん?」


――ガバッ


「え、ちょ、佳苗!?先生らも居るんやで!?」


「大丈夫。先生たち駐車場の方にいるから」


「ホンマや…………」


「懐かしいね。珀多くん、昔よりたくましくなってる」


 季楽坂は、央崎のユニフォームへ顔をうずめた。


「…………」


「私がねだったら、いつもお姫様抱っこしてくれたよね。…………今もしてくれる?」


「…………誰も居らんところやったらな」


「本当に!?嬉しい!!」


「ここでするとは言ってないぞ…………」


「ねぇ、珀多…………」


「どうした?」


「(キスは全国に行ってからね)」


「え…………」


「あーあ、疲れちゃったな〜」


「…………何か飲みもんいるか?」


「え、いいの!?」


「言わんでもねだっとるやろ?」


「よく分かったね(笑)でも、いいかな。いい試合見せてもらったし」


「…………そうか」


「じゃあ、また学校でね」


「おう…………」


「「あっ」」


――ガシッ


 よろけた季楽坂を央崎は咄嗟に腕を引っ張り、自分の体へ寄せた。


「気を付けろよ。何かあったら困るんやから」


「う、うん…………じゃ、じゃあね」


「おう…………えっ」


 やばい。俺、今何した!?よろけた佳苗の腕を掴んで…………って、何してんじゃ俺!?


「お待たせ〜…………って、珀多どうしたの?」


「…………なんでも無い」


「そ、そう…………」


 山志那は、うずくまっている央崎をただ見ていた。


◇ ◇ ◇ ◇


 県大会の2日後、央崎は校門前で立ち止まっていた。


祝 ソフトテニス部 央崎珀多 近洛大会出場!!


 デカデカと書きすぎじゃないか?これ。2面分くらい使ってる…………

しかも、優勝したの一昨日やぞ…………


「おはよう、珀多。どうしたの…………って、もう張り出されてるじゃん」


「そうやねん。しかも、デカ目やし」


「確かに、言われてみれば…………」


「2人して立ち止まってどうしたの?」


「「六夜先生」」


「これって…………」


「ああ、これ?校長先生が県大会の日に急いで発注したらしいわよ」


「「校長先生が!?」」


「うん。ここだけの話、最近見てる感じ、校長先生結構ソフトテニス部を気に入ってそうだったわよ」


「「えぇ…………」」


「とりあえず、今日は9月の近洛大会までの計画と、練習ね」


「「はい」」

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