第28話 仲悪いのか?
「珀多…………おめでとう」
「ありがとう。こんなに応援されるん地域の親睦会以来やわ」
「「「「「珀多、おめでとう」」」」」
「なんか人数多くない…………?母さんとおじいちゃんは分かるとして、佳苗に琴乃と行…………今日って言ったっけ?」
「私と行は、六夜先生に聞いた」
「私は、おばさんに聞きました」
「そうなんや…………」
「蓮香ちゃん、珀多とテニスやってくれてありがとうね」
「いえいえ、私の方こそ」
「じゃあ珀多、絶対に勝つのよ」
「近洛大会に駒を進めたら、赤飯じゃな(笑)」
「うん、頑張る」
「私たちも近洛大会の会場に連れてってね」
「せやな。というか、言わんでも来るやろ(笑)」
「そうかもね〜(笑)」
「(蓮香)」
「(どうしたの?琴乃)」
「(蓮香が支えるんだよ(笑))」
「(分かってるって…………)」
「勝ち星挙げるんだぞ」
「おう、行」
「…………あれ?佳苗は行かんでええのか?」
「これ…………」
「これって…………」
「うん、小さい時から好きって言ってたゼリー。作ってきたの」
「ありがとう、わざわざ」
「うん。じゃあ、頑張ってね」
「おう」
覚えててくれたんや。好きやったな〜、このゼリー。運動後に食べると…………って、横から殺気を感じるんやが。
蓮香!?なんで、そんな険しい顔してんの!?もしかして、佳苗と蓮香の仲って悪かったのか?
いや、地区大会の時は本気で初めて会う反応やったしな…………。
「な……なぁ、蓮香。暑いから、あそこの木陰行かん?」
「え、ああ、うん。良いよ」
2人は、人気のない木陰に移動した。
「なぁ、蓮香…………」
試合中の声が遠くから響いていた。
「どうした、の?」
やばい。なんで、なんでドキドキするの…………。
「今日、変じゃないか?地区大会の時からそうやったけど、本来の蓮香じゃない」
「どういう、こと?」
「どういうことって…………佳苗と会ってから、様子がおかしいって。佳苗と仲悪いのか?」
「そんなこと、無いよ…………だって、地区大会の時に初めて会ったんだよ?」
「確かにそうかもしれんが、本当におかしいんだって。何かあったのか?」
「何もない」
「絶対ウソや。仲良くなったのは最近やが、小学生の時からお前のことをイヤでも見てきた。だから、分かる」
「何もないって言ってるじゃない!!」
「ちょ、蓮香!!」
その場には、遠くからの試合の声と必勝祈願の御守しか残っていなかった。




