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合同テニス部の距離は近くなりすぎた  作者: 綿ダッコ
第1章〜波乱万丈〜

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第16話 気持ちの整理

 「セブンゲームマッチ。プレイボール」


 よく見たら珀多って、腰落としすぎな気がする…………。


「ほら、応援してあげな」


「あっ、はい。…………いっけーいけいけいけいけ、珀多、おっせーおせおせおせおせ、珀多、いーけ、おーせ、大豆山、珀多!!」


――バコン


「「「おお…………」」」


 すごい。あれだけ動けないって言ってたのに、逆方向の球を一発で決めた…………


「やっぱり、応援の力ってのはすごいな。私なんか、全国大会で応援してくれてたん、ろくっちだけやったから、全然聞こえんかった(笑)」


「そうなんですね…………」


「蓮香ちゃんは気付いた?珀多くんが動けない理由――」


「腰の落としすぎですよね?」


「そう、よく気付いてるね。でも、逆方向の球を一発で仕留めた。なんでだか分かる?」


「もしかして…………応援の力?」


「そう。もちろん、フォームを正すことも大事だけど、仲間がいるってだけでこんなにも違ってくるんだよ」


「仲間…………」


 確かに、珀多とは何事でも争ってきた。協力なんてしたことが無かった。

けど、


 あの夜の笑顔は――


 あのダブルスの時の慰めは――


 あの応援は――


紛れもなく、私を鼓舞してくれた。

何これ…………家での夜の時とはまた違う。

心の奥底がジンジンするのは一緒だけど、なんだか温かい…………


「ほら、応援は継続が大事だぞ〜」


「あっ、はい。いっけーいけいけいけいけ、珀多――」


 その後、試合は央崎のストレート勝ちであった。


「「ありがとうございました」」


 全日程が終わり、テニスコートに部員も含めた関係者が集まっていた。


「今日は、ありがとうございました。わざわざ、合宿中に…………」


「いえいえ、こちらこそ。この子たちにも良い経験をさせてあげられました」


「こちらも良い経験になりました。じゃあ、私たちはこれで――」


 多堰高校一行が帰るのを待ってから、大豆山高校一行はミーティングをしていた。


「2人ともお疲れ様。良い経験になった?」


「「はい!!」」


「それは良かった。合宿も明日帰ることになるし、私から気になったことを言うわね。まず、珀多くんは腰を落としすぎてるわね。それを改善すれば、後衛も出来るようになると思う」


「落としすぎ…………だから、動きづらいのか…………」


「そう。で、蓮香ちゃんはしばらくは前衛の練習を中心しましょうか。後衛は申し分ないし」


「はい」


「じゃあ、にわっちからも」


「技術面は全部、ろくっちが言ってくれたから省くけど、2人とも仲が深まったね。これは紛れも無い成果だよ。しかも、蓮香ちゃんに関しては、珀多くんが腰を落としすぎてることも気付いてたし」


「え!?そうなん?」


「う、うん…………」


「うんうん。この調子なら、全国大会も夢じゃないよ。帰ってからも私もちょくちょく、見に来ようかな〜」


「にわっち…………最近、文芸部の方に顔を出して無いって噂になってたわよ?」


「あちゃ~バレてたか」


「はぁ…………とりあえず、今日はゆっくり寝ること。以上、解散」


「「ありがとうございました」」


 まるで、普通の部活だわ…………珀多となのに。

いや、今の珀多は今までの珀多と違う。だから、普通の部活に感じれるんだ。

これからは、一部員として一仲間として接したら良いんだ。

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